U-23アジア選手権兼リオデジャネイロ五輪最終予選準々決勝、アブドゥッラー・ビン・ハリーファ・スタジアム、1月22日。
1次リーグB組3戦全勝で準々決勝に勝ち上がった日本は、A組2勝1敗で2位通過のイランと対戦。0-0のまま延長に入り3点を奪って勝利を収め、6大会連続5度目の五輪出場へリーチをかけた。26日には決勝進出もかかる準決勝に臨む。対戦相手はアラブ首長国連邦とイラクの勝者。準決勝に敗れた場合は3位決定戦で最後の五輪切符を狙う。
日本はキックオフから2分後、いきなり10番をつけるFWのモタハリに強烈ミドルを撃たれGK櫛引政敏(清水エスパルス)がクリア。続くCKでも危うい場面に出くわすと、その後も相手ペースの展開に思うようにパスを繋げることができなかった。
日本が流れの中から初めてシュートを放ったのは前半26分。櫛引のゴールキックを敵陣の右サイドでオナイウ阿道(ジェフユナイテッド千葉)がヘッドで繋ぎ、受けた久保裕也(スイス・ヤングボーイズ)がドリブルで持ち運び、ペナルティエリア内ででシュート!しかし逆回転のかかったボールはファーポスト左へのグラウンダーとなって枠をとらえきれない。
前半アディショナルタイムには、あわや失点の大ピンチ。ペナルティエリア外、左斜め45度の位置からのFKを櫛引が飛び出して必死のパンチングでクリア。
0-0のまま迎えた後半37分、手倉森監督が初めて動き、久保に代わって浅野拓磨がピッチへ。サンフレッチェ広島でもその能力をいかんなく発揮した、後半しびれる時間帯からの出場で前線での動きが注目された。
その3分後、浅野は右サイドの矢島慎也へスルーパス。裏へ抜け出した矢島が中央へグラウンダーを送るがイランにブロックされフィニッシュへもっていけない。
後半43分、二人目の交替。矢島に代わって豊川雄太(鹿島アントラーズ)。
そして0-0のまま延長へ。
延長前半6分、右サイドからの室屋 成(明治大学)のクロスを豊川が頭で見事に合わせて先制ゴール。ニアに入った浅野の背中で、173センチの豊川がフリーで決めた。
前半アディショナルタイム、またまた大ピンチ。ペナルティエリア左脇からのFKを与え、その後の混戦から相手のシュートは、その目の前で飛び込んだ櫛引の足に当たり、最後はミラド・モハマディの一撃がやや当たりが枠外へ。
1-0で延長前半を折り返し迎えた延長後半4分、中島翔哉(FC東京)がペナルティーエリア左斜めからシュート!相手GKの伸ばす手の先を通過してそのままゴールネットへ…。日本が追加点。
さらに1分後、フリーの中島がペナルティーエリア付近から強烈なミドル!豪快に決まって3-0。
浅野はその後もシュート2本を放つなどして追加点を狙い最後まで運動量をキープ。日本はアジア4強に駒を進め「カタールの歓喜」へと大きく前進した。