広島サッカースタジアム問題の主役のひとり、湯崎知事の”続投”に「やめてくれ！」の声、その知事肝入りのＴＡＵ「好調」の大ウソ

2017年06月24日: 編集部

一時期、あれだけ頻繁にサッカースタジアム問題を語っていた広島県の湯崎知事は完全に沈黙…、”それでいて”３選を目指すことを表明したが…（トップ画像は、サンフレッチェ広島３度目目のＪ１制覇に対し祝辞を述べる湯崎知事）

広島空港と広島大学の広島市外への移転に代表される広島における行政サイドの数々の失敗は、今の市民県民だけでなく、将来の市民県民も大きなツケを払わせることになる。そういう意味でも事態は極めて深刻だ。

最近で言えば、安佐市民病院移転問題、「知の拠点」からどんどん離れていく広大本部跡地問題、本来の主旨が大きく捻じ曲げられたがん高精度放射線治療センター、島しょ部への設置には甚だ疑問の残るグローバルリーダー育成校整備（それこそ建設敵地は旧広島市民球場跡地の一角や広大本部跡地だろう）なども似たような状況にある。いずれも今の地域住民や市民県民と未来を担う子どもたちが不便を強いられたりそのツケを払うことになる可能性が高い。

サッカースタジアム問題同様、今後の広島市に大きな課題を残すことになった安佐市民病院移転に絡む、ＪＲ可部線の延伸もそうだ。”できた時”はマスコミもバカ騒ぎ？でも”そのあと”の報道の方がよほど大切である。

日本中が縮小していく中で、あのロケーションに単線を中途半端に伸ばしたところで、”その先”には繋がらない、とそう考えるのが普通ではないか？可部線延伸後、それでは利用客の推移はどうか？など、誰もが知りたい数字がテレビ、新聞ではいまだに報じられていない。

１０年後、２０年後に「なぜ、誰が伸ばしたのか？」と叫んでも、その時、広島市の松井市長はもう広島にはいないはずだが…

こうした個々のケースを詳細にデータ化して、街づくりのための「傾向と対策」を練る。それがマスメディアの役割の一端でもあると考えるが、なかなかそうはならない。

それどころか、事実とまるで反対の報道がまかり通ることもある。それは国家レベルの問題として連日、紙面をにぎわせている「もりかけ論争」で、報じる側の違いによって大きくその内容が異なる新聞各紙を読んでいれば一目瞭然である。

「報道が正しい」「事実の通りに報道している」とは限らない。

６月２０日の中国新聞１９面に「中国５県の都内アンテナ店１６年度売上高」「ＴＡＵ好調６．９パーセント増」「他３点、前年度下回る」の見出しで、広島県のひろしまブランドショップＴＡＵが「好調」だ、という記事が掲載された。

それだけならまだ良かったが、翌２１日の県議会定例会で湯崎知事が秋の知事選に３選を目指して立候補することを表明した。

この”流れ”は完全に仕組まれたものである。”ＴＡＵも好調だし、知事は頑張ってますよ”ということが言いたいのだろう。

しかし、サッカースタジアム問題で県民、市民を欺いたまま（ひろスポ!既報）の湯崎知事の「続投」を疑問視する市民、県民、関係者の声はよく街中で耳にする。「再出馬は止めてくれ」とはっきり言うスタジアム問題関係者もいる。内情を知る人ほどその傾向にある。

とはいえほとんどの人は知事選への関心度は低く、また関心がある人も新聞報道やテレビニュースでしか湯崎知事のことを知る手段がない。

…と前振りが長くなったが…

ひろスポ!取材班から言わせれば「ＴＡＵ好調」は大ウソであり、湯崎県政の典型的な失敗事例のひとつ、である。

中国新聞に「好調」の記事が掲載されただけなら、そのまま”スルー”する手もあっただろうが、知事選を絡めてくるのなら、「ＴＡＵはそうではありませんよ」と、事実に沿った内容を報じておかなければいけなくなる。

・強引に推進して見事に頓挫した、サッカースタジアムの広島みなと公園案問題

・ＪＲ広島駅そばに建設しながら閑古鳥の高精度放射線治療センター問題

・市民、県民に浸透しないまま開催され掛け声倒れに終わった「ピース・アーチ・ひろしま」プロジェクト

などなど、湯崎知事の”シュートミス”は枚挙にいとまがないが、とりあえずＴＡＵが「好調」ではない、とする根拠について、わかりやすい数字を元に次回、紹介する。

広島新サッカースタジアム取材班

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