マツダスタジアムで観戦したカープファンで賑わう「エキニシ」(トップ画像は2017年5月撮影)
1月12日午前0時5分ごろ、広島市南区大須賀町の「エキニシ」と呼ばれる飲食店などが建ち並ぶ一角で火の手が上がった。
およそ6時間後に消し止められたが、火元とみられる木造3階建ての住宅1棟が全焼。周辺の店舗や住宅にも延焼した。さらに13日になって火元と見られる住宅の2階からは女性の遺体が見つかった。
「エキニシ」はJR広島駅の西側、駅前から徒歩数分の場所にある。広島市街地にはかつて昭和のレトロな雰囲気を残す「横丁」や「屋台」が複数、点在していた。どこもサラリーマンらで賑わっていたが、時代の流れとともに次第に姿を消していった。
JR広島駅の東側にはマツダスタジアムに向かう通称カープロードに沿って戦後から市民の台所となっていた荒神市場などがあったが、2017年には再開発が終了。大型複合施設に姿を変えた。
そんな中、「エキニシ」と呼ばれるようになったその一帯もほとんど”消滅の一途”を辿るかに見えた。が、マツダスタジアムが2009年にオープンしたことで、わずかながら「カープ色」を打ち出す店舗が登場して転機を迎える。
その後、しばらく時間を要したが、「カープ女子」人気の高まりを起爆剤に、味にも店舗作りにも特色を打ち出し、カウンター越しに常連さん、あるいはマツダスタジアムを訪れた県外客らが会話を楽しめるような空間が同時多発的に根付いていった。…なので、昔の「横丁」とは異なり若い女性連れも多い。
ただ、木造の店舗や住宅が狭い路地を挟んでひしめき合う、その建築方式は今回のような火災や災害と隣り合わせの状況で、実際に今回の火災に関しては「心配していたことが起こってしまって非常に残念」という旨の声が相次いだ。
広島市内では2015年10月に、中区流川町でメイドカフェが入っていた築70年近い雑居ビルが焼け大きな被害が出た。
「床面積の合計が500平方メートル以上あり、かつ、地階又は3階以上の階にその用途に供する部分があるもの」に関しては定期報告を要する(広島市建築基準法施行細則)がこの雑居ビルは2階建てだった。
今回の「エキニシ」火災では木造3階建ての2階から出火した。12日も警察・消防の現場検証が続けられ、被害に遇った店舗では後片付けなどに追われていた。
過去の悲惨な火災や土砂災害などの教訓を生かすことができずに、広島市内では同じようなトラブルが繰り返される。
それぞれの店舗が工夫を凝らし、情熱を込めてその一角全体がリノベーションの真っ只中にあっただけに、今回の火災による影響、並びに関係する行政機関などの対応が注目される。
画像中央、木造3階建て建築がひしめき合う。火災はこれらの建物の向こう側で発生した。「エキニシ」は長軸およそ100メートル、短軸およそ40メートルの長方形のエリアで長軸に3本、短軸に1本の通路があり、その両側に飲食店、雀荘、酒店など様々な業種が軒を連ねるが、空き店舗もある。
車両がやっと通れる通路だということがよく分かる
火を出せば被害は広がる恐れがある、この向こうはもう線路が目と鼻の先
JR広島駅の反対側から見た「エキニシ」の一番線路寄り通路。通路の奥に見えるのは、JR広島駅の東側に隣接する、エディオン蔦屋関電などが入る大規模商業施設のマンション棟
現場では冷え込みの厳しい中、後片付けが続く、右端の木箱には「この街が好きだから放火はさせません」と書かれたポスターが貼ってある。
以前はカープファンに馴染みのなかった大須賀町だが…
試合後のカープファンにとっても、かけがえのない場所に…
上の画像と同じ日のエディオン蔦屋家電内、カープファンは広島駅の”両サイド”に分散して”アフターゲーム”を楽しんでいる
ひろスポ!関連記事
原点に返る!サンフレッチェ広島がナイキ新ユニホームを「エディオン蔦屋家電」街中特設会場で発表
hirospo.com/pickup/43733.html
マツダスタジアムへの「動線」に大型複合施設オープン、その駐車場出口は”交通の難所”「開かずの踏切」近くで人の流れどうなる?
hirospo.com/pickup/36299.html
広島とカープと広島スポーツの過去と今と未来が分かる…
携帯サイト「田辺一球広島魂」
スマホ版ikkyuu-t.com
通常携帯版 www.ikkyuu-t.info/i