コカ・コーラウエスト レッドスパークス前監督で日本代表チームの前監督も務めた柳承辰氏が広島市内で3月5日、会見を開いた。
「ホッケー代表監督解任問題」で柳氏は日本スポーツ仲裁機構に2月13日、決定取り消しの申し出をすでに行っているが、これに対して受けて立つ形の日本ホッケー協会が2月27日、「申し立てる資格が柳氏にはない」との見解を提示したため、今回の緊急会見に至った。
その見解の中に「仲裁には応じられない」と記述があったことから一部報道で、仲裁が成立しないかのような表現がなされおり、今回はそうではないことを確認する意味での会見となった。
仲裁とは、仲裁法に基づいた裁判と同じもので、裁判官でなくお互いが選ぶ仲裁人による最終判断がなされる。仲裁判断は裁判の判決と同じ法的効力を持つ。
担当弁護士の早川吉尚(よしひさ)氏によれば、「申し立ては仲裁機構に正式に受理されており、仲裁人の選任、仲裁廷の構成もほぼ完了、仲裁手続きは粛々と進行している」という。
柳承辰氏は、もし監督解任取り消しが認められても、現状の体制があるなかで、代表監督復帰が事実上できるわけではないことを認めつつ「私のようなことが2度と起こらないように、日本ホッケーの未来のためにも立ち上がった」と申し立てへの思いを語り
あくまで事実を明らかにし、国内スポーツ界の正常化を願っていることを強調した。
なお、柳承辰氏が監督を辞任したコカ・コーラウエスト レッドスパークスは、チームに新たな監督を迎えないまま今シーズンに備えている。