第99回全国高校野球選手権広島大会、準々決勝第2試合(7月23日、しまなみ球場)
シード校として圧倒的な勝利を続け勝ち上がってきた広陵とノーシードから1点差勝ち4度で準決勝に駒を進めた広島商の対戦は、1対0で広陵に軍配が上がった。
広陵のエース平元銀次郎(3年)は今大会初完投初完封。決勝の1点は六回に平元をリードする中村奨輝(3年)がレフト越えに打ち込んだ高校通算37本目となるホームランだった。
13年ぶり決勝進出を狙う広島商にも勝機は複数回あった。
序盤3回はパーフェクトに封じられたが、四回、先頭の山本昇汰(3年)がカーブをとらえて左翼越え二塁打。続く浜田尚輝(3年)の送りバントを平元が三塁に投げてフィルダースチョイス。無死一、三塁の絶好機を迎えた。
打席には三番・真鍋駿(1年)。ボールカウント2-2となり5球目、空振り三振の判定で投球が後ろに逸れ、その間に三走・山本ホームイン。しかし協議の結果、ファウルで再び無死一、三塁で試合再開。その直後、低目のスライダーに真鍋は空振り三振に倒れた。
さらに四番・川上俊(3年)はボールカウント3-1から死球…。とうとう一死満塁まで超高校級、U-18日本代表バッテリーを追い詰めたが、国政雄大(2年)は投ゴロ、中村光希(2年)も二ゴロに倒れた。
六回にも再び先頭の山本がライトへのヒットで相手の一瞬のスキを突き、二塁まで到達。ところが次打者の時、山本のリードが大きくなり、キャッチャー中村からの二塁送球で三塁にスタートを切った山本がタッチアウトとなった。
広島商は前日の準々決勝をひとりで投げ切ったエースの鈴木慶(3年)ではなく高藤太一(3年)を先発させ、両者譲らぬ展開に…。
迎えた六回、広陵の一番からの攻撃もわずか2球で2アウト。しかしここで高藤の投じた広陵三番・中村への2球目が甘く入り、完璧に振り切られた。ただ、広陵打線を七回まで4安打に抑えた高藤のピッチングは素晴らしかった。
粘る広島商は九回、二死から代打に起用された1年の山路祥都が平元に食い下がり最後は死球で出塁。バッテリーエラーで二塁まで進んだが、最後は代打松井将真(2年)が空振り三振に倒れた。
7月25日の決勝戦は午後1時から天然芝のマツダスタジアムで、広陵対新庄の組み合わせで行われる。