画像は2022年ドラフト会議翌日の新聞各紙
前回、<カープが弱い理由⑥>では、広島の編成グループ長だった川端順氏(現在は徳島県松茂町議員)の2017年退団後の編成組織のあいまいさと、史上最速Vを可能にもした阪神編成トップ、嶌村聡球団本部長の存在に着目した。
で、その差はどうだったか?
ドラフトの成果を見れば一目瞭然だ。
広島は2023年ドラフトで1位に常廣羽也斗、2位に高太一を指名。ふたりは9月11日現在、一軍にいるが合わせて2シーズンで5勝だ。
阪神は2024年ドラフトで1位に伊原陵人を指名した。ルーキ―左腕はすでに5勝(7敗)している。
2022年ドラフトについては、すでに<カープが弱い理由①>で最初に書いた。↓
カープが弱い理由①…答えは簡単、最後に日本一になったのが1984年、松田元オーナーが球団トップになったのが1985年~森下翔太の場合 | 【ひろスポ!】広島スポーツニュースメディア
広島は当初、ポスト鈴木誠也(2021年オフ、シカゴ・カブスへポスティング移籍)として森下翔太の名を挙げていた。ところが、その後はほとんど情報公開しなくなり、フタを開けたら斉藤優汰だった。
その斉藤優汰。この夏、常廣羽也斗ともに一軍先発テストに臨む青写真が描かれていたようだが8月30日の二軍戦で3回1/3、7安打7四球7失点。84球投じた中でワンバウンドした球が20球近くあった。そこまで酷いと、脳の運動領域や神経系のどこかがおかしいのではないかとさえ勘繰りたくもなる。“大本営発表”ネタが多いあるスポーツ紙は10日付紙面で「斉藤”違和感”払拭へフォーム修正中“の見出しをとって斉藤優汰の現状を紹介していた。どれだけ修正してもうまくいかないのだから、もっとほかに何かあると考えた方が良くないか?
広島が1位指名しなかった森下翔太は外れ1位で岡田阪神がさらっていった。その結果、どうなったかはもう書く必要もない。ちなみに阪神Vを決めた9月5日からの甲子園3連戦では第1戦で同点タイムリーから阪神イッキの6得点、第2戦は1―1同点の七回、V打となる勝ち越しタイムリー、第3戦では七回、島内颯太郎との対戦で11球粘って四球を選んで見せた。四番不在の広島にまさにぴったりの人材だったではないか!
広島は2021年ドラフトで鈴木誠也の穴を埋めるために3位で中村健人を、6位で末包昇大を指名した。いずれも社会人だから、チーム生え抜きの四番とはならないし、このふたりにとって実際問題として「ポスト誠也」の肩書はちと重すぎる。
さらに広島の2021年のドラフト1位左腕、黒原拓未は長期離脱中だ。
2020年ドラフトで広島は1位に栗林良吏を、6位に矢野雅哉を指名した。
矢野阪神の2020年は今更、ここで紹介するまでもない。
1位 佐藤輝明
2位 伊藤将司
5位 村上頌樹
6位 中野拓夢
8位 石井大智
2018年ドラフトまで遡ると、阪神は抽選で2度外した末に近本光司を1位指名、広島は小園海斗を1位指名した。ふたりは今、最多安打のタイトルを目指して火花を散らしている。
その前で言えば2017年ドラフトでは広島が今季、見事な変わり身を見せた中村奨成を1位指名した。ここでどうしても触れておかなければいけないのが川端氏の一件だ。1位指名あいさつで広陵高校を訪れた際には川端氏が先頭に立っていたのに、のちに仮契約が成立した際に川端氏の姿はもう消えていた。
2016年ドラフトはどうか?金本阪神は1位で大山悠輔を、3位で才木浩人を指名。広島が1位指名した矢崎拓也は球団の方針に沿って現役ドラフトでヤクルトへ。3位は床田寛樹、4位は坂倉将吾だった。
その1年前にも重要人物がいる。2015年ドラフトで広島は西川龍馬を5位指名した。今季、”オリたちの龍馬”は規定打席には届いていないものの、88試合で114安打39打点、打率・318…
以上から何が分かるか?阪神は規定打席到達の野手が5人いて、その面々が今季も打線をけん引中。対する広島は今季で言うと小園海斗と末包昇大のふたりだけ。明らかに劣勢だ。不動の上位打線で戦う阪神と、羽月隆太郎(2018年ドラフト7位)までもが三番を打つ広島打線、あなたがもし監督を打診されたなら、どちらの戦力を選ぶか?
投手についてもその差は歴然だ。規定投球回をクリアした先発組は阪神が才木浩人、伊藤将司、村上頌樹の3人で、現役ドラフト移籍の大竹耕太郎を加えると4人。広島はというと森下暢仁と床田寛樹だけで、しかも現在、森下暢仁は長期離脱中となっている。このままでは来季も森下暢仁は苦戦しそうだ。
最近では複数のメディアが新井カープ限界説や野村謙二郎氏の監督復帰の可能性について触れている。でも、それより何よりまず掘り下げるべきは広島の、ドラフト戦略を含めた編成部門の実情だろう。繰り返しになるがドラフト会議にオーナーが列席するのは広島だけ、だ。(ひろスポ!カープ取材班&田辺一球)
