サンフレッチェ広島の森保一監督が新たに2年契約で合意に達したことを12月25日付の中国新聞が報じた。契約金(推定)は現状維持の5100万円。森保監督はすでに12月8日の会見で来季に向けての意気込みなどを語っている。
その時の会見内容は次のとおり。
まずはJリーグでは2連覇して3連覇のかかったシーズン、できれば3連覇の夢は果たしたかった。3連覇について、我われも目標としたし、応援してくださるすべての方が3連覇に期待しているのをすごく感じていたので夢がかなえられなくてすごく残念。
ナビスコ杯は決勝へ進出してタイトルを争う力が我々にはあったし、ACLは過去2回、予選リーグ敗退で今年は予選を勝ち抜きベスト16に進出した。成長した1年だった。
世代交代を言われる方がいますが、世代交代をするかどうか、できるかどうかは別として経験の浅い選手がチームの戦力になってACLベスト16、ナビスコ杯決勝につながった部分、そこはチーム全体の底上げができた1年だと思う。
課題はリーグ戦で優勝できなかったこと、優勝争いを過去2年したのにそれができなかったことについて、戦い方などしっかり反省しないといけない。相手に先制点を与える試合が多かったのが反省点。
先制されても追いつき逆転できれば一番だが、理想は先制点を奪って勝ち切るサッカー。より確実に勝利を収める、より勝ち点をつみあげることにつながる。
ただ先制点を許す部分の戦いについては、守備を強化するのか?攻撃強化で先制点を奪いにいくのか?来季に向け両方強化していくことになる。
(今季、難しいと感じた時期を聞かれて)
夏場の結果出せなかった時期もそうだけど、スタートの時点で難しかった。1月1日まで去年のシーズンがあって、元旦決勝から3週間で次のシーズンのスタートをしなければならなかった。選手が心身ともリフレッシュできたか?ちょっとできていなかったと思うし、去年、一昨年の疲労を抱えたまま今年のシーズンに入って行った。
それでも選手はACLとの過密日程や、最後11連戦のスケジュールを乗り切ってくれたが、3週間の中断期間のオフでのリフレッシュがうまくいかず、後半戦立ち上がりのマリノス、大宮戦に影響したかなと思っています。
前半は選手も踏ん張ってACLもベスト16までこぎつけてくれたが、さらにベスト16から上にいけるという思いが選手にもあった中で敗戦してしまって、そこからメンタル的に後半戦に入るのが難しかった。
後半戦入って少し結果が出なかった時、監督として考えたことはチームの戦術的上積みを考えることと選手の疲労とがうまくリンクしない部分で、チームの最初に立ち返ってもう1回、上位に進出しないといけないという思いでした。
(相手チームが対策を講じてきている、と聞かれて)
形はどうあれ、より勝てるチームを目指してやっていきたい。戦い方として今、我々がやっているシステム的なところで継続する部分と、必要であれば選手がより力を発揮できるなら変える部分も必要かなと思っている。もちろん対策されているでしょうが、だから今年がうまくいかなかったとは思っていません。
勝ち点を奪うために相手を上回る局面での駆け引きや、あるいはチームとしての戦いの部分で、形は変えなくてももっと勝ち点、勝利数をあげていけると思っています
(補強について聞かれ)
補強はクラブに任せて、まず考えるべきは与えられている状況の中、いる選手で勝っていくスタンス。来年も素晴らしい選手がサンフレのユニホームを着て戦ってくれる。広島でやっていきたい選手で戦う。
(今後の予定として)若手の経験の場をベトナム遠征で試合を通して作っていく。今年はW杯中断期間に若手の韓国遠征をやってそこでいい経験を踏まえ後半戦の力になった。皆川も浅野もそうだし、他の選手もそう。
来季に向けては、先ずは優勝争いする。今年はできなかった。賞金圏内なら優勝は可能。賞金圏内に入りながら優勝を狙っていく。
(今季、監督として経験したことを聞かれて)
去年、一昨年が優勝で今年が8位。過去2年間を踏まえると我々が思うような結果を出せなかったし、自分の力不足を痛感してます。しかし広島の過去を振り返ると、そこまで悪かったと思いませんし、過去2年間があまりによくて今年落ちてしまったように見えるがそこはモノの受け取り方で最終戦でも選手は見せてくれた。8位で終わったシーズンですが十分、相手を押し込み勝てる試合を見せてくれた。来季、優勝争いをできる力を示してくれた。
(監督の難しさを感じたか聞かれて)
過去3年間の自分の仕事、監督行を振り返ると今年が一番難しかった。過去2年間はシーズン終盤まで優勝という目標に自然とチームが向かって、その流れに自分も乗って自然と行っていた。今年はJリーグで優勝争いになかなか絡めず順位的にも中位が現実的になっていく中、チームの持っている力、選手の持っている力を最大限発揮させるにはどうチームを導いていったらいいのか、難しさを感じた。ただ、1試合の中どうやったら勝利を収められるかは変わらないので、自分の中で言い聞かせながらやってきた。今年が非常にいい経験になるシーズンだったと思ってますし、自然と目標を持てた2年間に比べて浮き沈みの中で経験させてもらった今年が監督初年度かなと思ってやった。この経験は来年以降、生きると思う。
(来季から導入される2シーズン制について)年間で勝ち点をより多くあげる。ステージでの戦い方はこれまで同様、一戦一戦ベスト尽くすことに変わりない。そこでステージでどの順位にいるか、優勝の可能性があるか、いろんな状況を踏まえステージ終盤の戦いは変わってくるかな、と思う。
(来季への準備は…と聞かれて)
まずは選手には去年休めなかったぶんしっかりリフレッシュしてきて欲しいと思っています。今年と比べてどれだけの選手で戦えるか、確定してないがいいコンディションで戦えばJリーグの中でどこにも負けない。選手には自信をもってトレーニングして欲しいし、メンタル面で選手に働きかけていく。
ただ、ACLを争うチームが翌年、降格する現実がある。戦い方の難しさ、ひとつ歯車が狂えば最悪な状況になる…。危機感、緊張感もって練習に取り組む。選手にはポジテブな部分と危機感をもってやっていこうと伝える。
そして優勝できなかった悔しさを忘れず来季へ向かって行く。僕自身悔しさもって、選手にも持ってもらってシーズンに入って行きたいと思っています。
去年、一昨年は優勝できて、今年は優勝争いに後半戦からめなかった。チームの成績が思うように収められない中、サポーターのみなさんにはシーズンスタートから終わりまで温かく声援を送ってもらえたことに感謝したい。ホームでもアウェーでも後押ししてくれたおかげで今年1年乗り切れました。感謝の気持ちをお伝えしたい、ありがとうございました。