広島経済大学、女子サッカー部。この春、またひとつ新たな広島スポーツが芽吹いた。
ただし部員はひとり、そして監督ひとり…。
同大学の「教育理念」として「”ゼロから立ち上げる”興動人、すなわち斬新な発想と旺盛なチャレンジ精神、そして仲間と協働して物事を完遂する力を備えた人材の育成を目的」とすることがHPに記されている。
まさに「ゼロから」のスタートである。
部員第1号の西迫栞さんは毎日、自宅のある呉市内からJRとバスを乗り継いで通ってくる。山陽女学園高校ではGKとして活躍した。「卒業と同時にサッカーをやめよう」と考えた時期もあったが「女子サッカー部創設」の話を聞き、広島経済大学進学に目標を定めた。サクラが咲いて、無事女子大生になった。
ただ、目指したフィールドにはほかに同じ意思を汲む者がいなかった。最初、「ちょっとびっくり」した。でも、それもすぐに慣れた。小1から始めた大好きなサッカーが毎日できる。思う存分、ボールも蹴れる。
「厳しいけど、楽しいですよ」
練習のない月曜日以外、西迫さんは講義が終わるやいなやピッチに向かう。
そこにはいつも横道玲香監督の笑顔がある。