ドイツ・ベルリン郊外のスタジアム(ひろスポ!ドイツ取材班、2015年冬撮影)暖房なしの吹きさらし、で相当辛いが体の大きいドイツ人は寒くないのかビールがぶ飲みのあと平気で試合観戦、場内喫煙し放題…、文化の違いもあり、欧州のスタジアムをいかに”広島サイズ”にアレンジするかがポイント…
NHK総合、夕方ローカルの「お好みワイド」が1月4日、サンフレッチェ広島の欧州でのサッカースタジアム視察について報じた。
ひろスポ!既報どおり、サンフレッチェ広島では1月中旬、欧州視察を行う。
カープ25年ぶりのリーグ優勝を連日満員のスタンドで後押ししたマツダスタジアム同様に、広島の都市機能向上に資すると同時に市民・県民の誇りとなり、広島の新たな顔となる”、マチナカスタジアム”建設に向け、スタジアム先進国のノウハウや現状を調査し、そのデータや数値を”広島サイズ”にフィードバックするのが狙い。
広島では「新球場建設問題」もカープが6度目のリーグ優勝を果たした1991年あたりから熱気を帯び始めたが、当時の国内は「ドーム球場」全盛期。地元財界などには「ドーム球場」を推す声が多かった。そんな中、「天然芝のオープン型スタジアムの未来」に着目したカープ球団では、早くから独自の視察を米国などで行い、今のマツダスタジアムのような「ボールパーク」の有用性を研究し、その流れに広島市などが同調した”実績”がある。
「お好みワイド」によると、サンフレッチェ広島では広島県サッカー協会の担当者を含む5人をドイツ、スイス、オランダの3ヵ国に及ぶ視察に派遣。それぞれ”広島サイズ”を想定した収容人員2万人から3万人のスタジアムを有する地方都市を回り、施設の運営方法、試合のない日のスタジアム運営のノウハウ、地域住民とスタジアムのかかわりなどについて、より広島に役立つ情報を細かく調査することになりそうだ。
これまでも、例えばサッカースタジアム検討協議会(2013年6月から2014年11月に開催、広島にふさわしいスタジアムの姿の詳細まで詰めるはずだったが、場所さえ決めることができず)の中で、わざわざ調査費を払って欧州のスタジアムなどを調査したことがあった。だが、集められた膨大な資料はあくまで”概要”に過ぎず、その調査内容をそのまま”広島サイズ”に落とし込むには無理があり、実際には何の役に立たないまま今日に至っている、と言っていい。
また、同協議会では吹田スタジアムの担当者らも招き、「吹田方式」にも耳を傾けたが、それから2年半が過ぎ、これまた何の役にも立っていない。
今回は、調査のための調査ではなく、サンフレッチェ広島が主体性を持って、必要な情報から優先的に集め、またスタジアムとその周辺の一体化(サイトプランニング)に重点を置いた調査を進めることになりそうだ。(スタジアム建設場所がぼやけたままではるが…)
サンフレッチェ広島ではすでに久保允誉会長のリーダーシップを持ってHiroshima Peace Memorial Stadium(仮称)というスタジアムコンセプトとある程度の施設概要は明らかにしてきた。
そこに欧州視察による”収穫”が加わることで、マツダスタジアムと同様に新たなコンセプトを取り入れた国内を代表する魅力溢れるスタジアムへの道を歩むことになりそうだ。
広島新サッカースタジアム取材班