熊本ヴォルターズ戦に備え、ハードな実戦練習の合間に練習スケジュールなどの書かれたノートを確認する朝山正悟兼任ヘッドコーチ(トップ画像)
年明けからインターバル期間に入っていたB.LEAGUEだが、B1は1月18日からB2は1月19日からリーグ戦後半へ。
広島ドラゴンフライズは1月20日(土)からの熊本ヴォルターズ戦で後半戦に突入する。もちろん目指すはここからの驚異的な巻き返しによるB2プレーオフ進出だ。昨季はB2の18クラブ中3位だった。プレーオフ進出は、最低目標に過ぎない。
目標はあくまでB1昇格…。そのためにはB2西地区で優勝、もしくはワイルドカードでプレーオフへ、そしてプレーオフ参加の4チームで2位までに入るしかない。
だから西地区2位をキープする 熊本ヴォルターズを、どうしても自らの手で引きずり下ろす必要がある。しかし、2016年4月に発生した熊本地震にも耐え、街の人々の暮らしに希望と夢を与え続ける戦う相手も当然手ごわい。
スポーツは、アマもプロも常に様々なドラマとともにある。
そして広島ドラゴンフライズも…
朝山についてコメントする大河正明チェアマン
B.LEAGUE史上初の選手兼ヘッドコーチ。朝山正悟。
2017年の大晦日。広島サンプラザホールを訪問したBリーグの大河正明チェアマンは「兼任ヘッドコーチについてどうか?」という報道陣の問いかけにこう答えた。
「大変だと思いますよ。ちょっとスタートダッシュに失敗した広島ドラゴンフライズで、ここから上にいくためには彼のリーダーシップが欠かせない。こうした経験をして朝山選手が成長し、選手のあとのセカンドキャリアでも活かせるんじゃないかと思います」
確かにそうだ。
広島の地にやってくるまでの間に多くの経験を積んだ朝山正悟は、「ミスターバスケットボール」と呼ばれる広島ドラゴンフライズ前ヘッドコーチ、佐古賢一氏(現在は男子日本代表アシスタントコーチ)の流れを汲む人材だ。
その佐古氏からチームを引き継いだアンドリセビッチヘッドコーチがいきなりズッコケて取り返しのつかなくなったチームを、わずかの間に立て直す。そんな芸当ができる指導者は、なかなかいないだろう。
2017年12月30日、31日。広島ドラゴンフライズは広島サンプラザホールで茨城ロボッツとの”大晦日シリーズ”を連勝で飾った。この時、朝山正悟兼任ヘッドコーチはスタンドに向かってチームが目標に向かって突き進むことをまた約束した。
大晦日の勝利をスタンドとともに喜ぶ朝山正悟兼任ヘッドコーチ
普通ならプレッシャーに押しつぶされそうな時間と空間の中で、なぜ、普通にそんなことができるのか?
それから3週間。広島ドラゴンフライズは1月19日、いきなりの”決戦”の舞台、熊本へと移動した。
朝山正悟兼任ヘッドコーチに、今の想いを聞いた。
-ずっと張りつめてきて、今回のインターバルで少しはゆっくりできましたか?
朝山 あんまり変わらないですね。僕がヘッドコーチを受けてから、とはあまり考えてないですしね。シーズン前から目標はB1昇格で、シーズン通しての順位が一番ですから。よく、メディアの方に自分が(ヘッドコーチを)やってから(成績が持ち直した)とか聞かれるんですけど、仮にそうだとしても今の順位が(急に)変わる訳ではないですから。今シーズン、自分たちは何のためにやっているのか?その部分で自分たちは常に足を地につけてやっているつもりです」
-熊本戦を前に練習ではよく選手を褒めていますね。今の若い人は難しい…!?リーダー論は?
朝山 基本的にはオンとオフをしっかりつける。そのことは大切だと思っています。言いたいことは言いますし、いいプレーした時はそう言います。そのへんで何でもありという訳ではないので、メリハリをしっかりつけることが大事なのかなと考えます。それはコートの中とコートの外でも一緒。コートではバスケに集中しますが、コートを離れればそんなにバスケにガーッとなる必要はないと思います。僕がそうやってきているんで…。そのあたりのことを大事にして(選手に接するように)やっていますね。
-ちょっぴり年齢の離れた若手への接し方のコツは?
朝山 そうですね。褒めるのはどのタイミング、どのテンションでもいいはずです、嬉しいから。でも怒るにはタイミングが必要だし、そのトーンも配慮が必要。怒ることに関してはこっちの伝え方だけでなく、聞く側がどう受け取るかも考えないといけませんよね。相手にちゃんと届くように…。
-周囲に気を使うと言うか最大限配慮して、結果も求められと、大変な状況でも自然体ですね。どんなエネジーが朝山さんを支えていますか?
朝山 そうですね、その源のところは、やっぱりバスケに対する自分の意地と広島に対する思いと、自分たちを支えて下さっているみなさんへの思いですね。それは自分に返ってくるものでもあると思いますし。そんなに僕自身が何か背負って、というのはないですね。そうやってしまうとガチャガチャになりますからね。僕がシーズンの頭からこの体制で、というのと途中からでは多少違うと思いますし、ある程度は開き直ってやっていけるかなという部分はあります。そんな中でしっかり結果を出せるように、チームの状態もいいので後半戦もしっかりやっていきたいですね。
走りっぱなしの練習のわずかのインターバルで「しんどい!」と口にする朝山正悟兼任ヘッドコーチ
関連情報
フェイス“責任と覚悟”~広島ドラゴンフライズ・再生への日々~
1月19日(金)NHK総合、午後7時30分~午後8時
番組内容:この冬、低迷する組織の立て直しに取り組んだ男がいる。朝山正悟、36才。プロバスケットBリーグ2部に所属する広島ドラゴンフライズの選手兼任ヘッドコーチだ。チームは11月末の時点で8勝9敗の負け越し。朝山が念頭に置いたものがある。それはチーム創設以来の理念となってきた「責任と覚悟」を再び選手の胸に刻み込むこと。朝山のチーム改革で組織は生まれ変わるのか。悲願の1部昇格へ勝利をもぎ取ることはできるのか。
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