原爆死没者慰霊碑に献花するV・ファーレン長崎の高田社長(トップ画像左)とサンフレッチェ広島の山本社長(その右)
サンフレッチェ広島の山本拓也社長とV・ファーレン長崎の高田明社長が8月10日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、原爆死没者慰霊碑に献花した。
サンフレッチェ広島は8月11日、エディオンスタジアム広島にV・ファーレン長崎を迎えての明治安田生命J1リーグ第21節のゲームを「ピースマッチ」と位置づけ、選手と観客が一体となって世界恒久平和を発信する場として開催する。
なお「ピースマッチ」では、折り鶴を自宅などで折って持参した小・中学生をバックスタンド自由シートに無料招待する。折る鶴の大きさ、色、数は問わない。
チケットはひとり1枚。スタジアムのメインとバックの総合案内横に「平和の折り鶴・チケット受け渡しブース」が設けられ、午後2時30分から午後7時までチケットの受け渡しがある。
献花のあとメディアの取材に応じた両社長は次のように話した。(抜粋)
山本社長 いろいろな思いがありますが、長崎さんとこうして同じ舞台で初めて試合をしますので、みなさんに笑顔になっていただき、スポーツができる平和に感謝していただける、そういうことを象徴するゲームにしたいと思います。
高田社長 長崎は今年初めてJ1に上がりましたが、J1になれて良かったなというのはきょうが一番感じていますね。広島さんだけだったものが、今度は長崎も一緒になってピースマッチを行うことができます。平和のメッセージを日本だけじゃなく世界に発信していきたい。そういう思いで、あすの試合はみなさんに感動していただきスポーツを通して日常の平和を感じていただければと思います。
世界中の方が努力されている中で、戦後73年、平和の問題や核兵器の問題が解決しない。我々としてはサッカーを通してのアプローチの仕方があるのではないかなと思っています。特に子どもたちには小さい時からそういう環境を作って、周りをリスペクトする気持ちを子どもたちの中に作っていく、それがスポーツの素晴らしさだと思います。
山本社長 当然、今年で終わる訳ではなく毎年、この時期に開催されるホームゲームではピースマッチという名前で何年も開催させていただければと思っています。
高田社長 続けていく中で変化も必要だと思っています。ピースマッチも5年経てば広島、長崎の全域どこに行っても、駅に行っても空港に行っても平和マッチの意義をみんなが感じ期待している…それが5年先には全国に広がっていく。一緒にやっていけるのは広島さんしかないんです。あまり時間もかけずに走り続けて、愛と平和とそういうメッセージを一緒に出していく。たくさんの方に参加していただけるように…
山本社長 今回はたまたま8月上旬に長崎さんと広島でやらせていただきますが、来年以降このタイミングで長崎さんと試合ができるとは限りません。来年以降は、広島と長崎それぞれでいろいろなチームと試合をするとか、全国、ないしは全世界に広めていくという意味では、いつかは海外のチームともピースマッチをやっていく…。単純にJリーグの1節ではなくて、海外の国ともゲームをやることで海外の方にもこういった活動を知っていただく、そういうことが非常に重要だと思っています。
高田社長 長崎と広島が対戦、ほかのスタジアムで8試合。そこも全部ピースマッチになっている、そういう広がりを目指していきたいですね。サッカーだけじゃなくてスポーツ全体で…ラグビーも野球もあります。カープさんがこれだけのチームをやっておられても野球の世界だけではできません。スポーツが全部一緒になって。でもそれだけでもだめなんです。長崎では平和大使の学生さんもやっていらっしゃるし、ICANの活動もそう。たくさんの方が連動してシナジー効果が出た時にメッセージの効果がすごく大きくなると思います。
両社長は献花の前に広島市役所に松井市長を訪ねピースマッチの意義などについて意見交換した。
ピースマッチで着用するユニホームとともに松井市長と記念撮影