トップ画像はサヨナラ打の西川、西川を抱きかかえているのは長野、左は坂倉
この日、マツダスタジアムそばの桜満開
九回、12球粘ってケラーから四球を選んだ上本
3月29日 〇3x-2阪神 マツダスタジアム
通算4勝
18時開始・3時間32分、28,028人
(入場制限なし、マツダスタジアム当日券販売はコロナ禍初)
相手先発 西勇6回3分の2、4安打1失点
本塁打 -
抹消 中村奨(28日)
登録 マクブルーム、九里
一番レフト西川
二番セカンド菊池涼
三番ショート小園
四番ファースト松山
五番サード坂倉
六番レフトマクブルーム
七番キャッチャー曾澤
八番センター上本
九番ピッチャー九里6回3分の2、112球8安打2失点(自責2)
黒原
松本
矢崎〇(1試合1勝)
開幕3連勝で桜満開のマツダスタジアム(広島地方気象台発表)に戻ってきた広島が開幕3連敗からの巻き返しを狙った阪神にサヨナラ勝ちした。
オープン戦でさっぱりだった広島打線は繋ぎの野球で勝負強さが際立つ。これで4試合計31得点、チーム打率・331。先発した4投手は自責2で単独首位となった。
鈴木誠の抜けた四番をどうするか?
よくそういう言われ方をしてきたが、実は大事なのは四番じゃない。
首位打者争い可能な西川、小園、坂倉の左3人をどう配置するか?
いろいろ試して、一番西川、三番小園、五番坂倉に落ち着いた。
一方で、期待されていたセンター、もしくは一番候補の野間、宇草、大盛が”総崩れ”となり、結果「八番センター上本」が開幕戦スタメンに名を連ねた。
上本はボール球を振らないし、自分から”ことを起こすことができる”と早くから評価されていた。佐々岡監督の就任と同時に一軍昇格となった朝山打撃コーチは、その長所に磨きをかけてきた。
日本の四番が抜けた打線には「繋ぎの意識」徹底が求められた。フリー打撃では逆方向へ打つ選手が多い。西川も坂倉も小園も松山もそのあたりのことは徹底している。
オープン戦で打撃力をアピールし、マツダスタジアムでサヨナラ3ランまで放ったことで、ついに佐々岡監督も上本をスタメンで使うと決めた。
それでは地元開幕戦で対戦する手強い西勇をどう攻略するか?佐々岡監督は練習の合間、2日前に二軍から呼び寄せた曽根や上本と話をした。
二軍戦で急ピッチの調整を終えたマクブルームが合流したことで末包が控えに回り、右打席に入るのは二番菊池涼、七番曾澤、六番マクブルーム、八番上本となった。
二回の先制点は西川左前打のあと、菊池涼が通算300犠打となるバントを決め小園が難しい球を右前打してもぎ取った。
1対2の九回、阪神は開幕戦で抑えに失敗したケラーを送り込んできた。
3タコで迎えた第4打席のマクブルームがカーブを柔らかく打ち返して右前打。昨季のクロンとはかなりタイプが違うようだ。先頭出塁で代走には曽根。次打者曾澤の初球での二盗成功は、昨年までには見られなかった采配だ。
そして、チームメイトから「神」と称される上本が8度ファウルして四球を選んだ。この時点で21球も投げたケラーはへばり気味?で、続く代打長野のワンバウンドを弾いて内野安打にした。
一死満塁となって、打席には2日前の横浜スタジアムで同じ九回満塁から走者一掃の3点三塁打を放っている西川、マウンドには湯浅。即勝負あり、で打球はライト頭上を軽々と越えていった。
八番で上本が繋ぎ役に徹することで、得点圏で「一番頼りになるバッター」(佐々岡監督)に回ってくる。西川は4戦7打点。
打率4割を超える上本と西川の神々しい活躍がどこまで続くかは分からない。
だが、カープナインの反発心はやはり相当なものであることは間違いない。ふたりで上がったお立ち台で、最後に上本がそのキャラを全開にした。
-それでは最後に神に締めてもらいましょう!
上本「えー、何で神なん? えー…ファンのみなさん、なんかー下馬評ではすごい最下位にボクら言われてるみたいなんですけど、そんなんカンケーね~、(左拳突き上げながら)やっちゃろーやー!」