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トップ画像は１１月１２日に中央公園芝生で開催されたフリーマーケットの様子、旧広島市民球場跡地と中央公園広場などとのイベント開催における”振り分け”は、多機能スタジアム完成の後も、非常に大事になってくる

中国新聞、１１月１６日付紙面、２４面に「３候補地月内に比較結果」「広島サッカー場建設判断材料いん」「中央公園案、地元根強い反発」の見出しでサッカースタジアム関連の記事が掲載された。

内容を要約すると…

１）中央公園広場へのサッカースタジアム建設を想定した調査を県と市の予算で専門業者に委託、その結果と、すでに調査を終えている旧広島市民球場跡地、広島みなと公園の調査結果の比較検討を進めている。

２）１２月１日にある市議会都市活性化対策特別委員会に備えたもので、そこで３候補地を比較検証した結果を示す。

３）県、市、広島商工会議所の３者と中央公園広場建設案に関係する基町住民の話し合いの期日は未定。

４）基町住民からは、スタジアム建設に反対はしないが、なぜ中央公園なのか？中央公園広場ありきで話が進んでいるのではなかか？の声がある。

５）仮に中央公園広場にスタジアムができる場合、基町高層アパート地区や旧広島市民球場跡地の活用策はどうするのか？

この５点について、ここでは順を追ってポイントを記述していく。

１）、２）については、専門業者に委託しての調査をもとに広島市担当者が比較検討資料を作成中だ。問題は２点。ひとつ目はすでに旧広島市民球場跡地と広島みなと公園の比較資料は作成されている。その当初、湯崎知事も松井市長も「広島みなと公園優位」を繰り返していた。当然ながら資料には「広島みなと公園優位」の数字が並んでいる。旧広島市民球場跡地へのスタジアム建設には本来以上の費用がかかるように作成されている、と関係者は話す。要するに旧広島市民球場跡地のデータは見劣りするようにできている。

２つ目の問題点はその前回作成資料と比較するにあたり、今回、新たに別の業者に委託して中央公園広場の調査検討を行った点だ。市や県は「条件は同じ」と言うかもしれないが発注の仕方を変えればデータ比較に合理性がなくなる。この点については以下の記事にもあるとおり、３月の県議会本会議内でも指摘されている。

下記、記事の中で、渡辺典子議員（自民党・安佐北区）は湯崎知事にこう資している。

「中央公園ありきの疑念を払拭するためにも、調査を透明化し、より納得のいく丁寧な裏付けによる説明が必要と考える。そこで中央公園だけでなく、他の候補地についても実現可能性の調査を再度やりなおすべきと考えるがいかかですか。また、今回の調査後、最終的に何をもって判断されるのか？」

そう、大事なのは「透明化」だ。非公開を繰り返し、そこでこの問題は道を誤った。

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３）は、そのとおりで、年内の話し合いは難しい状況になりつつある。そうなるとサッカースタジアム問題はますます停滞する。市議会で「スタジアム問題、なぜ進めないのか」の声が上がるたびに市の担当者は「基町の理解を得るのが先」と繰り返している。そんなに理解が得にくい場所をなぜ、あとから組み込んだのか？と言われても「４者会談で決まったこと」とこれまた繰り返すが、そうでないことも上記記事の中ですでに紹介した。市の説明は事実と違う。

それにしても「説明」だけでいったい何年かけるつもりか？３者が基町に乗り込んでの第１回説明会は２０１６年１０月にあった。もうとっくに１年が過ぎている。

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４）についても何を今さら、という感じで以前からひろスポ!ではそうした基町サイドの声を紹介し続けている。記事には「いいね」がたくさんついている。それが市民目線だ。

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そして、一番大切なことは５）である。中央公園広場にスタジアムができるかどうか、という前に基町高層アパート地区や旧広島市民球場跡地、さらには建て替え、施設の更新などが考えられる中央公園内の各施設、各エリアを俯瞰した総合的なビジョンがいまだ、アバウトなものでしか示されていない。スタジアムの場所が決まればほかも決めやすい、というのはあるだろうが、実はそれだけでは足りない。

スタジアム問題、旧広島市民球場跡地問題を延々と話し合ってきた市議会ではかつて「中央公園のイベント展開について、詳しく調べた資料を市は有するか？」という質問が出された。市の担当者の答えは「ございません」。「それで、よく旧広島市民球場跡地がイベント用地としてどうしても必要と言えるね、調べてもいないのに…」と反発の声が上がったのは言うまでもない。

１２月９日（日）には広島グリーンアリーナで広島東京ガールズコレクションがある。広島の街中でオシャレ体感！素晴らしい！だが、日曜日には当然ながら多くのスポーツイベントもある。本来ならこの日、広島グリーンアリーナを使用したかったスポーツ団体もあったかもしれない。

広島グリーンアリーナはその過密ぶりが問題になっている。コンサート、文化的イベント、展示イベントが集中して、本来のスポーツイベント、スポーツ大会が開催されない”本末転倒”の状況が生じて久しい。

一方、１１月８日（水）から１２日（日）まで、旧広島市民球場跡地では地元局、TSSの手によるひろしまラーメンスタジアム２０１７第２幕があった。

一方、中央公園広場では１０日（金）、１１日（土）の２日間、建設技術フォーラム 2017 in 広島が開催された。

このイベントは、多発する自然災害への対応や、安全で安心して生活できる地域づくりを支える建設業についての理解を深めるもので、その取り組みや建設技術を一同に集め紹介した。家族連れでも楽しめるような仕掛けも用意されていた。

出展団体は７２にも上り、様々な資料パンフレットや関連グッズなどが配られてもいた。除雪トラック、災害要車両も展示され、訪れた子どもたちにとっても貴重な経験になっただろう。余談だが、話題の？学校法人加計学園ブースもあった。

本来なら旧広島市民球場跡地での開催を目指していたようだが、ラーメンスタジアムとバッティングした。ともに国の土地である。で、このイベントの事務局は国土交通省中国地方整備局内に置かれている…。

さらに１２日（日）には建設技術フォーラム 2017 in 広島のイベント解体作業が進むそばで、中央公園芝生の方ではスケールの大きなフリマが大変な賑わいを見せていた。

ラーメンか、最先端技術か、フリマか、ではない。みんな、市民にとってはなくてはならないもの。東京ガールズコレクションもそうだ。世代を越えてみんなが基町周辺に集まる。もちろんインバウンドの拠点としても、そうだ。

広島の都心部にイベント、スポーツイベントが集中するのは都市力のバロメーター。もっともっと集中してしかるべき話ではある。地下街シャレオのシャッター街の惨状が示すとおり、カープのマツダスタジアム移転以降、旧広島市民球場跡地周辺の活気は遠のいたままだ。

よって、中央公園全体の役割分担を明確にしてその運営を一元化し、オペレートする”司令塔”がいないと、スタジアム問題も旧広島市民球場跡地問題もうまくいかないだろう。もちろん中央公園はその性格からして広島市の担当エリアだ。

だが、この中国新聞記事では、サッカースタジアム問題単体でさえ、「自分たちの考えをクラブか県か市か、どこに言えばいいのかも分からない」と話すサポーターの声が紹介されている。根本的な問題は”そこ”にある。

建設技術フォーラム 2017 in 広島で基町高層アパートをバックに展示された重機の数々

建設技術フォーラム 2017 in 広島は多くの人で賑わっていたが、家族連れがいっぱい…という感じではなかった

いろいろ展示されていて興味深いが、名だたるコンサル、建設大手がブースを連ね、このメンバーならスタジアム建設もあっという間…は笑えないジョーク…

中央公園芝生でのフリマ開催、画像の中央奥に広島グリーンアリーナの屋根が見える。中央公園全体の連携を高める仕掛けは今はない

フリマ開催と同じ日、そこから徒歩数分、基町高層アパート群に隣接する県営アパート群では解体工事が進む。だが、解体後の広大な敷地をどうするか？については何も示されていない

広島新新サッカースタジアム取材班