画像は交流戦で戦線離脱の西川に代わって出番の増えた宇草
交流戦惨敗を広島は過去のものにできるか?
それともこのまま阪神にも抜かれて、クライマックス・シリーズ出場さえ逃すのか?
打てない、走れない、抑えられない、の3拍子だった交流戦の広島。だが、一番の課題は打てなかったこと。
打てば盗塁もできる、エンドランもかけられるし、何より投手陣は無用の重圧から解放される。
交流戦の広島は1試合平均2点取れなかった。先発も抑えも1点取られたら赤信号。誰でも慎重に投げようとするから、そこを突かれて早々に試合を壊す、の繰り返しだった。
打てない、では誰が打てない?
答えは「外野陣」だ。
交流戦途中で離脱した西川は、昨季までチームの「核」となっていた鈴木誠とともに交流戦で一番頼りになる存在。そう、昨季クリーンアップを打った両雄がいない打線は、やはり“出力”不足だったことになる。
外野陣でただひとり、交流戦で規程打席に達した野間は打率・290(23位)をマークした。ただし交流戦ラスト2試合を欠場した。下半身のコンディションが万全でない。
広島でほかに規程打席に達したのは坂倉、菊池涼、マクブルームの内野陣でいずれも打率・210前後とさっぱり…。ただしさっぱりであっても、試合に出続けたのだからそれなりの貢献はしている。
一方で交流戦期間中に二軍公式戦にも出て調整した松山と長野の左右ベテランはパ・リーグ勢相手に結果を出せず、一二軍を行き来した宇草や交流戦スタメン1試合に終わった即戦力ルーキーの中村健、捕手より外野手に軸足を置く中村奨も揃って“不発”だった。
宇草と中村健は15、16日と杉本商事バファロースタジアム舞洲であったウエスタン・リーグ、オリックス戦にスタメン出場した。
宇草はともに「一番レフト」、中村健は「三番ライト」と「三番センター」。この“配置”はそのまま一軍スタメンを想定したものになっている。
右足首を痛めた西川の復帰時期が見通せない中、外野陣が低調なままでは、背後に2差で迫ってきた阪神に抜かれてBクラスが定位置になってしまう。
交流戦は「定期試験」ではなく「模擬試験」のようなもので、真に実力のある者が成績を残す。
広島は2017年、交流戦2位の好成績を残した。一番から四番は田中広、菊池涼、丸、鈴木誠で固定されていた。
丸は今年も交流戦打率・313(12位)、5本塁打。
広島の強力外野陣は過去のものとなった。
…と、そんなことを書かれて広島外野陣が奮起してくれれば…
ただ、おそらく一番、三番が流動化してスタメン上位が固定できないのではないか?
そうこうしているうちにドツボにはまらないことを祈るのみ、だ。