東京マラソン、号砲一発…午前9時10分スタート!
マツダスタジアム、午後10時前、チケット販売スタート!
東京でマラソンをやって、マツダスタジアムで入場券売って何が悪い!空耳だが、そんな声がしたような気がした。
我々はひろスタ特命取材班である。
東日本大震災の際には最後まで予定通りのプロ野球開幕に固執した、あの巨人でさえも取りやめた球場窓口での公式戦入場券販売を、広島東洋カープは3月1日の朝から始めた
初めて抽選券配布を導入した昨年のマツダスタジアムは2度、トラブルに見舞われた。
まず抽選券配布で5万人パニックを招き、全国ニュースでも取り上げられた。だが、それだけではない。晴れて当選したファンは昨年の場合、3月1日と2日、指示された時間にチケット購入のためマツダスタジアムを訪れた。
だが500万円購入者など、高額購入者が相次ぎ、やがてスタジアム周辺には順番待ちのファンが溢れた。1時間、2時間待ち。3月2日の購入者はさらに悲惨で、指定席完売の中、自由席購入を強いられた。
今回はこれに、新型コロナウイルス対策が必要となる。
結論から言うと、球団サイドは様々な対策を講じてマツダスタジアム敷地内での、円滑なチケット配布に成功した。
球団サイドは、3月23日の抽選券配布時と同じく、マツダスタジアム前に柵を設置して、入り口を一ヵ所に限定。当選者のみ場内へ入れるようにした。予め球団HPで告知した。
入場後は「集合場所」、「申し込み用紙記入場所」、「窓口前」へと進む。また、一、三塁側窓口に加えて、レフト、ライト、コンコースへもファンを誘導した。
ファンは指定された時間にマツダスタジアムに来るようになっている。午前9時30分が最初の集合時間。この時間までにマツダスタジアム敷地に入ったファンの中には「10時には買い終えました」という人も多い。上々のスタートだ。
しかも新型コロナウイルス対策として、敷地内には「2メートル間隔」を確保するための新兵器(下の画像)が用意された。この直径1・8メートルの輪の中で待つ。
次のような感じになる。
完璧だ!
だが、3月1日チケット販売には、毎年必ずと言っていいほど問題が起こった。残念ながら、買い占め転売ヤーファンの存在も併せて、今年もまた突っ込みどころ満載となりそうだ。
マツダスタジアムの敷地に入れないファンはどうなるか?あるいは入場口を一カ所にしたらどうなるか?そういう想像力は球団サイドは働かないのだろうか?
それが、この記事の冒頭の画像である。
敷地内では2メートルを確保しても、入場者(抽選券当たり1枚で1名のみ)を待つ家族や知り合い、指定時間より早めに来場したファンらが、中に入れないから目の前の歩道に密集状態。
敷地に入れなければ待つ場所はない。
マツ場所なしスタジアム、ブラックジョーク…
これでは新兵器の威力も半減…もいいところだろう。
この取材は午前10時30分までのものであり、”午後の部”ではやがて日が沈み、ナイター勝負となる。体調管理という面ではおそらく厳しい状況を迎えるだろう。
なお、中国新聞では敷地内で記者が原稿をフィニッシュして、速報でこの様子を「カープのチケット販売 希望者2メートル離れて整列 新型肺炎の濃厚接触防止」のヘッドラインでネットにアップした。だが、敷地外のことには1行も触れていない。
現場撮影後、マツダスタジアム敷地で記事を作成する中国新聞記者
ひろスタ特命取材班