昨年の10月中旬、アウェーの和歌山トライアンズ戦に臨む広島ドラゴンフライズ.開幕直後だというのにノーリツアリーナ和歌山のスタンドは空席が目立つ。
広島ドラゴンフライズと同じNBL(バスケットボール男子のナショナルリーグ)ウエスタンカンファレンスに所属する和歌山トライアンズがついに活動停止となった。1月7日に公式サイトで発表した。
NBLは1月6日、東京都内で代表者会議を開いた際、経営難に陥っている和歌山トライアンズについてリーグ戦の継続は困難である、との見方で一致していた。和歌山トライアンズはこれまでも経営不振による選手への報酬不払いや選手の大量解雇が問題視されていた。
企業のスポーツからの撤退が続く中、休部したパナソニックを引き継ぐ形でプロチームとして再スタートした和歌山トライアンズはNBL元年の昨季から参戦し準優勝した。しかし今季は4勝17敗と低迷。客足も伸びず、パナソニックからの援助はあるもののスポンサーからの支援も多くが期待できない状況となっている。
国内バスケットボール界は様々な課題を抱えながら前進しようと試みてはいるが、今回の一件はその足元が危ういことをさらけ出したようなもの。かつてのJリーグが当時の川淵三郎チェアマンの下で広告代理店と一体となって事業プランを進めていくような発想に乏しく、NBLとbjリーグの2つのリーグの存在に代表されるように強烈なリーダーシップをもって長期的ビジョンを示す人材も見当たらない。