試合後、あいさつした菊池選手は「きょう負けたら絶対、(次は会場に)来れんかった、カープのオフはバスケに足を運んでください!」とアピール、横は泣いて喜ぶ!?佐古賢一ヘッドコーチ
広島ドラゴンフライズは12月11日、広島市西区の広島サンプラザホールでバンビシャス奈良の交流戦第2戦に臨み73-70で劇的勝利を収めた。
ブザーとともにバンビシャス奈良のアンディ―・オガデの放ったスリーポイントがリングをかすめ、その瞬間、今季最多の2760人が集まったアリーナ全体が熱狂に包まれた。
カープコラボ2DAYSとして開催された交流戦開幕2連戦。試合前には25年ぶりにリーグ優勝を成し遂げたカープの菊池涼介内野手が応援に来ていることが紹介された。スタンドにはカープのユニホーム姿のファンも大勢詰めかけた。
すっゴイ!堂林選手や新井選手!?も…
菊池選手は…
この位置から観戦
アリーナ全体も試合前からこの熱気
ぎっしりと埋まったスタンドに燃える広島ドラゴンフライズ…だが試合はまさかの展開から始まった。
こちらのシュートがことごとく外れる間に3Pの1本を含む5連続得点を許して開始から3分15秒で0-11に…。アリーナ席が何度も悲鳴に包まれた。
スターターの田中成也に代えて北川弘、コナー・ラマートに代えてアジーズ・エンダイ、山田大治に代えて坂田央とベンチも盛んに動くが情勢は変わらず。パスミスなどイージーなミスも目立つ中、坂田央のミドルなどで反撃の糸口を探り、最後は朝山正悟のフリースロー3つを沈めて何とか10点差に詰めて苦しい10分間をしのいだ。
11-21で迎えた第2クォーター、ここで満を持してシュター朝山正悟の3Pが”点火”する。
「出だしで相手は非常に気持ちが入っていて、”バスケットあるある”、というかどちらかが非常にいいスタートを切ることはあると思うし、向こうが本当に良くてあれが1試合続くことは僕も10数年やってきて経験したことがないので、焦らずやっていく、その中でチャンスがあれば自分がきっかけになればいいと思った。思い切りよく打ってそれがたまたま入ってくれて良かったなという程度です」(試合後の朝山正悟)。
第2クォーター、朝山正悟の3Pで相手を圧倒!
13-23からコナー・ラマートのオフェンスリバウンドを経て朝山正悟へ。この試合待望の3P一発目が決まりスタンド歓喜!さらに立て続けに3Pを2本沈めて残り4分でついに26-26同点。このあとコナー・ラマートのジャンプショットも決まって逆転。さらにここからも朝山正悟が止まらない。2本の3Pを決めて、5本打って5本決めての大爆発。ゲームをひっくり返すどころか10点リードに変わって40-30へ後半戦へ。
ところが前季までの広島ドラゴンフライズ主将、平尾充庸を擁するバンビシャス奈良は第3クォーター開始早々から圧力をかけてきて残り4分を切って48-43。最終的には16-15で第3クォーターも奪ったが、相手はまったく諦めていなかった。
鵤誠司をマークするバンビシャス奈良の#25平尾充庸
残り7分12秒で60-52、タイムアウトで厳しい表情を見せる佐古賢一ヘッドコーチ
運命の第4クォーター、アジーズ・エンダイ、坂田央、北川弘、ダニエル・ディロン、田中成也で逃げ切るハズが、開始から2分前後に平尾充庸に連続ポイントを許し58-52と怪しげなムードに…。残り4分44秒でアンディー・オガデにフリースローを1本決められついに64-61と後がない状況になった。
ここからは互いに死力を尽くしての一進一退の攻防戦に…。
残り3分25秒でフリースローを2本とも沈める#12ダニエル・ディロン、この2試合でフリースロー8本をずべて決めた!
さらに、最後の1分ちょっとは”瞬きも禁止”という究極のバトル。広島ドラゴンフライズが2点を加え72-65となってバンビシャス奈良がタイムアウト。残り1分36秒で、7点リード。
さらに残り1分24秒で広島ドラゴンフライズタイムアウト。
スコアは動かず今度はバンビシャス奈良タイムアウト。とうとう残りは31秒5。
そのあとバンビシャス奈良がフリースロー1本とアンディ-・オデガのシュートで3点を加えて72-68、そして焦るコナー・ラマートの手にボールが収まらず、ターンオーバーからそのまま決められてとうとう72-70、残りは15秒4。
バンビシャス奈良タイムアウト
残り16秒で広島ドラゴンフライズタイムアウト、右奥はバンビシャス奈良ベンチ
72-70のスコアでフリースローのセットに入る朝山正悟
残り13秒3で朝山正悟主将のフリースローは1本目が決まり場内大歓声も2本目が外れて再び緊迫。73-70、残り2秒で放たれたアンディー・オデガのシュートの放物線にアリーナ全体が息をのみ、次の瞬間、広島ドラゴンフライズの勝利が確定した。
第4クォーター終了で満員のアリーナ歓喜
医療法人社団 飛翔会によるベストエンターテイメント賞は山田大治
広島ホームテレビ、スポンサードのマンオブザマッチは朝山正悟、左は広島ホームテレビの中西希アナウンサー
始球式を”沈めて”喜ぶ中西アナ(この試合で一番の派手なガッツポーズ!?)
B.LEAGUE B2 第11節
広島ドラゴンフライズ73-70バンビシャス奈良
1Q:11-21
2Q:29-9
3Q:16-15
4Q:17-25
今シーズン成績:17勝5敗、西地区3位
マンオブザマッチ:#2朝山正悟
会場:広島サンプラザホール
入場者数:2760人
広島:#2朝山正悟、#5山田大治、#18鵤誠司、#21コナー・ラマート、#24田中成也
奈良:#0本多純平、#9桝本純也、#13小松秀平、#25平尾充庸、#41ジョン・フラワーズ
主なスタッツ
広島ドラゴンフライズ
◆得点
#2朝山正悟19点
#5山田大治11点
#12ダニエル・ディロン10点
◆リバウンド
#21コナー・ラマート13リバウンド
#5山田大治5リバウンド
#12ダニエル・ディロン5リバウンド
◆アシスト
#12ダニエル・ディロン5アシスト
#18鵤誠司5アシスト
#5山田大治 4アシスト
バンビシャス奈良
◆得点
#41ジョン・フラワーズ21点
#32アンディー・オガデ17点
#25平尾充庸 13点
#9桝本純也11点
◆リバウンド
#32アンディー・オガデ 8リバウンド
#41ジョン・フラワーズ 8リバウンド
#0本多純平 6リバウンド
広島ドラゴンフライズ佐古賢一HC
出だしどうなることかと思ったが、今日は朝山の3ポイントシュートに救われた。プレッシャーディフェンスがかかったときにファウルを上手く誘うなど、打開する方法をもたないといけない。全体としては2Q以外は奈良のバスケットを受けて戦うことが多く、反省材料の多いデームだった。負けて反省するのではなく、勝って反省するチームにならなくてはいけないと選手に日頃から伝えているので、今日は本当に価値のあるゲームになった。もっともっと自分が選手の手綱を握らないといけないし、自分自身にも反省点を見つけて、次のゲームに臨みたい。
広島ドラゴンフライズ・朝山正悟
今日はタフなゲームになったが、連勝できたことがなにより良かった。立ち上がり奈良が気合が入っていて、『バスケットあるある』だが、どちらかが最高のスタートを切るということはバスケットには起こること。1試合いい状態が続くとは思ってなかったので、焦らずにチャンスがあれば自分がきっかけになればと狙っていこうと思っていた。そこで思い切りよく打ったシュートがたまたま入ったということ。今日はアリーナに熱気があり、自分自身これだけ多くのお客さんに入ったサンプラザでプレイするのは初めてだったので、大きな後押しになった。4Q の追い上げられてしまった部分、個人としては最後にフリースローを落としてしまった部分、もっと改善して次節から挑んでいきたい。
バンビシャス奈良・衛藤晃平HC
たくさんのお客様にご声援を頂きながらバスケットが出来たことは、バスケットマンとして幸せに感じております。リーグでも屈指のオフェンス力を誇る広島を相手に73点に抑えたことは大変に良いゲームだったと思う。しかしなぜ勝ちきれなかったのかをしっかりと突き詰めて、早急に来週のゲームに活かさなければならない。
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※原稿このあと加筆あり