森保監督(撮影・春木 睦子)
広島からアジアへ、世界へ…
森保一監督の新たな挑戦が始まった。
ジャカルタ・アジア大会のサッカー男子。1次リーグD組の日本は8月14日、インドネシアの西ジャワ州チカランで初戦、ネパール戦に臨み1-0で勝利した。
7月にA代表との兼任監督となった森保監督にとっては”二刀流”移行後の初采配…しかし「正直、兼任になってからの初戦という意識はありません。21歳以下の日本代表監督として、最善の準備をして臨むということを考えて今回インドネシアにやって来ました」とそのコメントは”いつも通り”だった。
いつも通り…
「自分を信じて、自分らしくやるだけ」
サンフレッチェ広島を4シーズンで3度の日本一に導いた時からそのスタンスは変わらない。
先のロシアW杯で「ロストフ・ナ・ドヌーの風」をその身に受け、ほどなく日本人初の兼任監督の重責を担って、なお不変…
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変われないのは悲しいことだが、変わらないのは大変なことだ。
東京五輪とその先のW杯カタール大会に向け、国内の期待を一身に背負ってなお自然体…
兼任初戦は「格下」と言われる相手に前半7分、MF三苫薫(筑波大)のゴールによる1点だけ。だが、大事なのは「まず、この大会を最高の大会にすること」、そして”その先”を常に見据えて、次もその次も勝ち続けること、勝ちながら逞しくなっていくこと。
そのためには「日本人の良さをどう引き出していくか?」特に若い世代は日々、成長を続けている。事前合宿は移動日込みの2日間でも、週末のJリーグ戦に出場した選手が多く日程が過密でも、伸びる人材はきっといる。
注目のジャカルタ・アジア大会、1次リーグ初戦のスタメンは…
GK 小島亨介(早稲田大)
DF 杉岡大暉(湘南)、原 輝綺(新潟)、立田悠悟(清水)
MF 長沼洋一(岐阜)、初瀬 亮(G大阪)、三笘 薫(筑波大)、三好康児(札幌)
松本泰志(広島)、渡辺皓太(東京V)
FW 上田綺世(法政大)
選手交代は…
後半20分、OUT 初瀬亮、IN 板倉滉(仙台)
後半28分、OUT 上田綺世、IN 前田大然(松本)
後半45分+5分、OUT 三好康児、IN 岩崎悠人(京都)
サブメンバーは…
GK オビ・パウエル・オビンナ(流通経済大)
DF 岡崎慎(FC東京)、 大南拓磨(磐田)
MF 遠藤渓太(横浜)、 神谷優太(愛媛)
FW 旗手怜央(順天堂大)
アジア大会では、23歳以下(オーバーエイジは3名まで招集可能)の規定があるが以前はそうではなかった。
1994年、広島アジア大会まではA代表。当時のロベルト・ファルカン監督率いる日本代表メンバーには、その1年前にドーハの悲劇を経験した三浦知良、井原正巳も名を連ねていた。。
現行の規定が設けられたのは1998年のバンコク大会から。この時、日本サッカー協会では2年後の五輪開催を見据え「21歳以下」で臨む方針を決定した。
今回、森保監督が視察を重ねて招集した20人は大学生5人が含まれる。さらに全員所属チームが異なっている。岡崎 慎(FC東京)、舩木 翔(C大阪)のふたりは初選出。
最強の五輪代表構築と、その2年後に待っているカタールでの”再戦”を見据えた森保ジャパンの挑戦、五輪代表とA代表の二刀流ジャパン、ふたつを束ねるのは「日本人の良さ」と「その特性」。
その第一歩となる今大会で24カ国・地域が争う1次リーグを勝ち上がり上位16チームでの決勝トーナメントも勝ち抜いて9月1日の決勝の舞台へ。その最中の8月23日、森保監督は50回目の誕生日を迎える。
ひろスポ!森保ジャパン取材班