画像は3-0快勝の福山シティFC
天皇杯JFA第100回全日本サッカー選手権大会5回戦(12月20日午後1時キックオフ、広島広域公園第一球技場)
福山シティFC(広島県代表)が福井ユナイテッドFC(福井県代表)を3−0で蹴散らしてとうとう準々決勝でJ3王者のブラウブリッツ秋田への挑戦権を手に入れた。
だが挑戦権を手に入れただけでは済まない可能性がある。試合後、福山シティFCの小谷野拓夢監督は次のようにコメントした。
「倒すことしか考えていないですね。倒せないと思ったら…。自分は負け戦が嫌いなので負けると思ったらたぶん放棄するんで…。0・01パーセントでも勝てる可能性があるならその0・01パ―セントに向かって勝ちにいきます」
「正直言って能力が上回っている選手は自分たちにはいないですけど、その中でもサッカーは必ず弱点が生まれるスポーツなので、弱点を突いていければいいかなと思います。自分たちのスタイルを出すのが一番のカギを握るかなと思います」
「ここまで長かったので疲れました。去年大学生だったので4月に鹿島アントラーズさんとやらせてもらったんですけど、1月に目標を立てた時にまさか12月までかかるとは思ってなかったです」
スタンド観戦者は391人。福山シティFCサイドは大入りだったが、おそらく大雪のせいだろう、福井ユナイテッドFCサイドは空席が目立った。
感染者の中にはJリーグほか多くの関係者もいたが福山シティFCの戦いぶりには一応に感心した様子で、中には「J2レベルの実力」と言い切る古参の指導者もいた。
福山シティFC先発
GK 平田陸
DE 惟智行、徳永椋太、田中憧、高田健吾
MF 曽我大地、磯江太勢、田口駿、隅田航
FW 高山剛、吉井佑将
福山シティFCは先週日曜日の4回戦、アルテリーヴォ和歌山(和歌山県代表)戦と同じメンバーとポジションで5回戦に臨んだ。
先制点は前半16分。相手の中途半端なバックパスを奪いにボックス内に切り込んだFW高山剛が相手GKに倒されPKを獲得。これを田口駿がこれを確実に決めた…。が、ピッチの選手たちはさほど盛り上がらない。4回戦までとは明らかにリアクションが違う。もうハナから勝つことしか考えていない…
それにしても4回戦まで冴え渡る小谷野采配がこの日もいきなり”吉”と出た。前回、大会初出場で前半33分に先制ゴールの高山剛がまたしても大仕事。
前半34分の2点目はこの日一本目の右CKから。田口駿の強いクロスに中央から飛び込んだDF田中憧がヘッドで合わせて強烈な一撃!で相手GKも動けず…
前半のシュート数は福山シティFCが4本、福井ユナイテッドFCが5本。この展開で2失点の福井ユナイテッドFCはゲームプランどころではなくなった。
後半12分、福山シティFCの小谷野拓夢監督が動く。イッキの3枚替え。FW吉井佑将、FW高山剛、MF隅田航の前線3人を下げ、ソン・ホギョン、太田泰河、それに4回制途中出場で得点したもののコンディションが万全ではないMF高橋大樹を投入した。
「練習した通りのCKもバッチリ決まって試合運び、選手交代も含めゲームプラン通りうまく行きました。点差もあって相手が押し込んでくると思ったので、それに対してロングボールでカウンター、ミドルカウンター、もしくは裏へのボール、前からきたらそれをひっくり返す、それに強みのある選手たちを途中から3枚出すという意図がありました」(小谷野拓夢監督)
前掛かりになる相手にほぼ止めを刺したのは後半20分、GK平田陸からDF高田健吾に渡りそこから絶妙のロングフィード。相手最終ラインの裏へ抜けた田口駿の見事なループシュートが相手ゴールネットを揺らし、この時ばかりはスタンドに向けみんなで喜びを爆発させた。
「今までやってきたことを次も出して、負けたら意味ないんで勝ちたいです」(田口駿)
「やっとJリーグ勢と戦える。ほっとしています。DFラインだけでなくチーム全体でゴールを守ったことは自信に繋がる。これを次も続けたい」(田中憧主将)
チームはあす早朝の新幹線に乗り込み、仙台へ到着後に練習。わずか中2日でユアテックスタジアム仙台の大舞台へ、キックオフは午後7時…
「勝ったらすごいことなりますね。でも勝ちますんで、すごいことになると思いますよ」(小谷野拓夢監督)
特別な、そして広島サッカー史にその名を刻む特別なクリスマスイヴへ…
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