画像はビジター用ユニホーム、背番号はある程度の距離に近づけば確認できるが、前からだと数字が小さいのでなかなか識別できない
広島はカープ村である。
ひろスポ!はそういう表現をよく使う。
カープは広島の宝だが、当然ながら良い話、悪い話がある。
市民球団なので「ファンファースト」でなければその価値はガクンと落ちる。
しかしひろスポ!デルタルハンター班が取材する限りでは「ファンファースト」ではない、マツダスタジアムに関係する事案が数多く存在する。
マツダスタジアム以外でもそうだ。例えばビジター用の新ユニホームは「背番号が見えにくい」の声が上がって久しいが、広島のマスメディアはそれを報じてきていない。
だが県外のメディアなら話は別で、面白い現象が起こっている。
広島は対外試合をきょう2月26日までに5試合消化した。
2月19日(アトムホームスタジアム宜野湾)DeNA戦
2月21日(コザしんきんスタジアム)ロッテ戦
2月23日(コザしんきんスタジアム)楽天戦
2月25日(沖縄セルラースタジアム那覇)巨人戦
2月26日(Agreスタジアム北谷)中日戦
ビジター用赤いユニホームを着用したのはDeNA戦、巨人戦、中日戦。
DeNA戦での実況席の会話はすでに以下の記事で紹介した。次のようなものだった。
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宜野湾での対外試合初戦でカープビジターユニの「赤を強調」について「けっこう今年は解説者、実況泣かせになるかもしれませんね」 | 【ひろスポ!】広島スポーツニュースメディア (hirospo.com)
カープのこのビジター用ユニホームですけども、これ、公式戦でもこのユニホームなんですかね?
…と思いますねえ。僕も気になってたんですけど背番号わかんないですね。
わかんないですよね。画面でアップになるとわかるんですけど、離れて見るとみんな赤い…
ほんと、誰かわかんないですよね
わかんないですよね
けっこう僕もそうですけど番号で誰々選手だって気づく時があるんですけど、番号がわかんないんでね…名前も読めないですから。
ねー、アップになるとこの画面でも胸にカープと入って…広島かな?広島と入って背番号とか分かりますけども、遠目で見るとただ赤いね…
そうですね。
上着という…
ハハハ…
見えます。
まあ、赤を強調したんでしょうね…
…でしょうね…
中日戦の実況席でも初回と五回、広島の攻撃の際に次のような会話があった。
一回表
今シーズンは胸のロゴも背番号も赤というカープのユニホーム、高い放送席だとほとんど見分けがつなないんですが…
そうですね、かなり見づらいですね。
五回表は一死からマック・デビッドソンがエラーで出て、続く坂倉将吾四球で一、二塁となりデビッドソンに代走持丸泰輝の時に…
デビッドソンに代わって持丸が起用されました。もうやって画面で見ていてもみなさんわかりにくいと思いますね。
そーですねー…
……
なお、中日戦実況中には、背格好が似通っていて同じ左打ちの韮澤雄也と小園海斗を誤って紹介する場面もあった。見慣れないとプロでも間違えやすい。おそらく、シーズン中も似たようなことが頻繁に起こるだろう。
こうなることが分かっていて、新ユニホームを採用し、すでにファンにも販売している球団はこの先、どうするのだろうか?
ところで、巨人戦の放送席では不自然さすら漂うほどの徹底ぶりで、ただの一度も新ビジターユニホームのことに触れなかった。
実況は日本テレビアナウンサー。解説は広島監督として今のチームの基礎を作った野村謙二郎氏で地元広島テレビのプロ野球解説も務める。
広島にはNHKのほか民放が4局あるが、広島東洋カープとの太いパイプを有するのが広島テレビ。広島で計10シーズンも監督を務めた山本浩二氏もやはり広島テレビと日本テレビの解説者として活躍中だ。
なぜ、巨人戦の放送席がひと言もビジターユニホームについて触れなかったのか、その訳をひろスポ!は知る由もない。
だが、これまでの広島マスメディアの対応を見てきた限りでは、残る民放3社も、下手をすればNHKすらビジターユニホームの背番号の見づらさについての”報道”を今後もスルーする恐れがある。
もしそうならば、球団側から通達が出されているか(このケースは非常に多い)、報道する側の忖度が働いているか(このケースも多々ある)、ふたつにひとつ…
それは視聴者、読者、市民・県民、カープファンファーストとは真逆の行為にならないか?ところがカープ村においては、ひろスポ!以外に声を上げる者はほとんど見当たらない。
毎年繰り返される、マツダスタジアム公式戦チケットの開幕前一括販売に関わるトラブルは県内外のファンへの多大な負担になっているのに、ほとんど報じられてこなかったのとおなじ構図…
広島がダメになる日、とは広島のメディアがダメになる日、と言い換えることもできそうだ。すでにまる1年にも及ぶウクライナ侵攻で”悪魔の所業”を正当化し続けるロシア権力者側のプロパガンダを、平和都市広島の一員として、今のままでは堂々とは批判できないことになる。(ひろスポ!デルタルハンター班&田辺一球)