画像中央は、満員の場内をバックに佐賀バルーナーズのキーマン金丸晃輔を止めにかかる渡部琉
りそなグループ B.LEAGUE 2024-25第2節GAME1(10月12日、広島サンプラザホール)
広島ドラゴンフライズ 64-81 佐賀バルーナーズ
入場者数:4405人
1Q: 6-13
2Q:20-21
3Q:24-22
4Q: 14-25
【スターター】
広島:ケリー・ブラックシアー・ジュニア、中村拓人、渡部琉、ニック・メイヨ、山崎稜
佐賀: レイナルド・ガルシア、ヨーリ・チャイルズ、角田太輝、井上諒汰、ジョシュ・ハレルソン
広島ドラゴンフライズ主なボックススコア
点は得点・本は3Pシュート成功数・Rはリバウンド数、Aはアシスト数、%はフィールドゴール(2Pシュート+3Pシュート)成功率、出場時間、名前(背番号順)
0点、0本、0R、0A、00・0%、2:23/市川真人
0点、0本、0R、0A、00・0%、0:22/ロバーツ・ケイン
16点、1本、7R、6A、60・0%、30:41/ケリー・ブラックシアー・ジュニア
9 点、3本、1R、2A、33・3%、22:15/上澤俊喜
8点、2本、2R、1A、42・9%、26:36/中村拓人
0点、0本、0R、0A、00・0%、6:11/武内理貴
4点、0本、1R、1A、66・7%、11:53/渡部琉
8点、2本、7R、4A、37・5%、33:37/ニック・メイヨ
9点、3本、3R、1A、25・0%、25:42/山崎稜
2点、0本、3R、1A、00・0%、14:13/アイラ・ブラウン
8点、0本、4R、0A、27・3%、26:07/三谷啓司朗
前季Bリーグチャンピオンの面影は…ない。アウェー戦(群馬クレインサンダーズ戦)で開幕2連敗スタートとなった広島ドラゴンフライズは広島サンプラザホールに4405人のブースターを集めて地元開幕戦に臨んだが、結果は64-81…しかも第1クォーターの入りで0-7とされると、とうとう一度も追いつくことなく完敗した。
広島ドラゴンフライズはこれでプレシーズン2試合と合わせて5連敗…もっと驚くのは計20クォーターの中でタイスコアが1度、勝ち越し1度があるだけ、残り18クォーターをすべて落としている…どういうこと???いったいぜんたいどうなってる?????もちろんゲームメーカーのドウェイン・エバンスと、文字通り大きな柱の河田チリジがトレーニングウェア姿でチームメイトの奮闘をじっと見守っている状況であることは、ブースターも十分承知してはいるが…それでも客席からは「ベンチ暗すぎ」「きょうももうこれじゃ無理」などの深刻な声が聞こえてくる…
ゲームをベンチ右端で見守るドウェイン・エバンスはどんな思いを抱いているか…
広島ドラゴンフライズの今季対外ゲーム成績
プレシーズンマッチ
9月7日、武蔵の森総合スポーツプラザ
広島ドラゴンフライズ 50-98 アルバルク東京
1Q: 7-29
2Q:21-30
3Q:10-17
4Q: 12-22
9月16日、広島サンプラザホール
広島ドラゴンフライズ 62-85 佐賀バルーナーズ
1Q: 17-23
2Q:17-20
3Q:16-21
4Q: 12-21
りそなグループ B.LEAGUE
10月3日、オープンハウスアリーナ太田
広島ドラゴンフライズ 53-82 群馬クレインサンダーズ
1Q: 14-20
2Q:12-16
3Q:15-23
4Q: 12-23
10月5日、オープンハウスアリーナ太田
広島ドラゴンフライズ 71-79 群馬クレインサンダーズ
1Q: 15-19
2Q:21-22
3Q:16-16
4Q: 19-22
さらにこれら5戦を詳しく見ていくと広島ドラゴンフライズは20クォーターのうち20得点以上が4回しかない。そのうち2度がこの日だった。よってむしろ善戦したことになる?
逆に20失点以上が14回もある。ジャスト7割。堅守から攻撃のリズムを作りBリーグ頂点を極めたカイル・ミリングヘッドコーチの”遺産”がほとんど失われかけた状況でバトンを受けた朝山正悟ヘッドコーチの表情にも苦悩の色が浮かぶ…
この日も第1クォーターで放った3点シュート13本が全て外れた。タフショットもあったがイージーなものもことごとくリングに嫌われた。第2クォーターに入って上澤俊喜が3点シュート2本を沈めたが、向こうも戦力補強した金丸晃輔らの3点シュートで”数倍返し”してきたから得点差を詰めることはできなかった。
第3クォーターになってやっと3点シュートが4/8の確率で入り、残り3:35でこのゲームで最も相手に迫る4点差まで詰めたがそのあとすぐに引き離された。
金丸晃輔をマークする渡部琉
ちなみに佐賀バルーナーズ躍進の鍵を握る金丸晃輔は21:31の出場タイムでチーム2位の17得点でフィールドゴール成功率77%だった。昨季、三遠ネオフェニックスで42試合に出場してチーム地区優勝に貢献した192cm、88kgのスモールフォワードは福岡県出身。お隣の佐賀県でこれまで蓄積してきたものを最大限発揮するつもりなのだろう。
相手の話で言えば佐賀バルーナーズは2023年5月にグランドオープンした新本拠地「SAGAアリーナ」に同年12月の横浜ビー・コルセアーズ戦で8591人を集めるなど一大ブームを地元で巻き起こしている。J1リーグで首位を行くサンフレッチェ広島がエディオンピースウイング広島の誕生を追い風にしているのと同じ構図になっている。
Bリーグでは同様に新アリーナ効果をフルに活用して集客力を上げ、同時並行でチームの戦闘能力をアップしつつあるクラブが数多く存在する。
この日は広島サンプラザホールでの開幕戦、ということもありゲーム前には広島市の松井一実市長があいさつしたが、新アリーナについてはひと言も触れなかった。
地元開幕戦、満員御礼だがこの入場者数はBリーグ平均より少ない
Bリーグの再編によって最上位カテゴリーに位置づけられる「Bプレミア」は2026年に創設される。チーム成績による昇降格は廃止され、一方で選手の総年俸に上限を設けるサラリーキャップや新人選手のドラフト制度が導入され戦力均衡が図られる。そこで一番大事になるのはクラブの集客力=専用アリーナの有無やファンを魅了するための舞台装置作り、個性派が揃うチーム作り。Bプレミア参入審査は1~4次と段階的に行われるが、3次審査までに合格したクラブが来る10月17日に発表され、そこに入れなかったクラブも12月に決定する。
Bリーグは9季目に突入して、55クラブにまで増えた。その中で歴代優勝チームと言えば宇都宮ブレックス、アルバルク東京 、千葉ジェッツ、琉球ゴールデンキングスと広島ドラゴンフライズの5クラブだけ。Bリーグ新時代に向けて、広島ドラゴンフライズの立ち位置がグラつくようなことがあってはならないのだが…(ひろスポ!広島スポ―ツ100年取材班&田辺一球)