画像は末包昇大
広島東洋カープの契約更改4日目(10月31日)
末包昇大が1100万円増の3600万円(金額は推定)で契約を更改した。
3年目の今季は自己最多の79試合に出場したが、肝心の本塁打数が昨季の11本から9本にダウンした。2月キャンプ直前の自主トレで左膝を痛め、6月22日の中日戦(バンテリンドームナゴヤ)では外野の守備で左ハムストリングスを痛めて7月は戦線離脱。レギュラーポジション確保はできていない。
そもそも論になるが「ポスト誠也」として、ドラフト6位指名された時点で25歳。大卒新人3年目の年齢だから、即戦力以外の何物でもないのだが…
1年目2022年、31試合23安打2本塁打14打点、打率・299
2年目2023年、65試合38安打11本塁打27打点、打率・273
3年目2024年、79試合68安打9本塁打37打点、打率・238
…数字を見れば明らか。ぜんぜん「ポスト誠也」になっていない。
ちなみに鈴木誠也の広島での最終年成績は132試合138安打38本塁打88打点で出塁率・433、長打率・639はともにリーグトップ。要するに相手バッテリーからすれば最も警戒すべきスラッガーだった。
実は末包昇大のポテンシャルを示す数字もある。2年目の65試合38安打11本塁打はまさに「ポスト誠也」の打撃で、1本塁打あたりに要した安打数は3・45本。この数字に鈴木誠也の最終年の138安打をあてはめると、ジャスト40発になる…
でも、それは机上の空論に過ぎない?「最低20発」という目標を掲げた末包の今季の本塁打数9はチーム内では菊池といっしょ。チームトップは坂倉の12発…この3人が束になっても鈴木誠也ひとりに及ばない。
末包の打撃成績を月別に見てみると…
5月 18試合21安打4本塁打20三振、打率・309
6月 16試合14安打2本塁打10三振、打率・255
7月 出場なし
8月 20試合18安打3本塁打20三振、打率・250
9月 22試合14安打0本塁打29三振、打率・171
10月 3試合1安打0本塁打6三振、打率・111
5月には2試合連発もあったが、9月は柵越えゼロ。チームの歴史的急降下流れそのままの数字になった。
注目すべきは三振の数。8月の時点ですでに三振数が安打数を上回り、9月はドツボにはまった。
相手に対策を講じられると、バットにボールが当たらなくなる。空振り三振も、見逃し三振も増える一方…しかも相手が右投手でも左投手でも、だ。
新井体制は末包にとっては何よりの追い風のはず…それを生かせないでどうする?すでに昨シーズン、新井監督から「彼はつかんだと言っていました」との“迷言”を引き出しておきながら“空砲”に終わった今季をどう生かすのか?新井監督は入団4年目で全140試合に出場して28本塁打を叩き出したが、末包はすでにその年齢を越えている。(ひろスポ!取材班&田辺一球)