画像は2025年7月、広島大会での中井哲之監督(当時)と中井惇一部長(同)
広陵の中井哲之前監督(63)が学校に辞表を提出していたこといを、広島テレビが6月10日の夕方ワイド「テレビ派」内で報じた。独自の取材によるものだった。
中井前監督は、野球王国広島の象徴的存在だった。野球部監督に27歳の若さで就任、その後の数々の栄光の歴史は枚挙にいとまがない。
戦前戦後を通じての広陵野球は、春、夏、秋と常に広島野球のリーダー的存在で、中井野球の果たした役割も計り知れない。その姿に広島県民は感動し、また誇りとしてきた。
中井式の教えがなければ、プロ野球で活躍した、あるいは活躍中の幾多の名選手も生まれてはいなかった。
ただ、長らく広陵野球部を率いてきたことで、どこかのタイミングで、あるいは湯でガエルの例えにあるように、広陵グラウンドのそばにある監督ルームから発せらていた正のオーラがそうではないものへと変わっていった。
一緒に甲子園で戦った部長が校長となり、自身は2021年春には女子硬式野球部の総監督にも就き、さらに2023年には長男の惇一氏(31)が部長に就任…
今となってみれば、こうした流れが周囲で言われていた「中井王国」崩壊を、おそらく加速させることになったのだろう。
ひろスポ!は中井前監督と同じように、野球王国広島の顔だった迫田穆成さん(2023年12月逝去)の取材も続けてきた。
竹原を甲子園に連れていくことを生きがいに80歳をこえてなおグラウンドに立った名将…
迫田野球の最後の継承者としての竹原ナインは、第107回全国高校野球選手権記念広島大会で広陵に挑んだ。2025年7月19日、場所はぶんちゃんしまなみ球場。ベスト8をかけた戦いは…
広陵 101 020 7・11
竹原 000 000 2・2
(7回コールド)
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3季連続夏の甲子園を目指す広陵はやはり強かった。一方で、この大会で広陵と当たった各校・チームは甲子園に行けていたかもしれない。広陵は本来、この大会に出場する資格を有していなかった可能性がある。
この時、すでに広陵には最悪のシナリオが用意されていた。夏の甲子園大会途中辞退や、それに伴う社会的信頼の失墜、さらには危機的状況に直面する学校運営などなど…
学校側は事件が表沙汰になって以降、中井前監督ら関係者による正式な会見を一度も開いてこなかった。と同時にメディアの取材や問い合わせに対しても発するべき情報を発してこなかった。それは長らく広島野球の先頭を走ってきた古豪にあるまじき姿だった。
その結果、5月28日に第三者委員会が暴力事件の真なる実態を公表して初めて自分たちの非を認めることとなり、過去の学校側の説明には数多くの矛盾やウソがあったことが明らかになった。自浄能力ゼロ…
中井前監督は昨年8月の監督退任後も、副校長から参与に降格人事があった本年度も、おそらく野球部に関与し続けようとしてきたはずだ。チーム力を左右する中学生のスカウト活動を水面下で…という話もある。広陵この春、中国大会にすら進めなかった。
しかし、第三者委員会による調査報告書で集団暴力やいじめ、口封じの事実が明らかにされ、外堀が埋められた結果、中井前監督は辞表を提出せざるを得なくなった。暴力事件の当事者の関わる野球部に行きたいと思う中学生はいない。
以下6月11日午前に追記
本来なら8日にあった緊急理事会で中井前監督の処遇が話し合われるはずだった。理事会に先立ち参与の辞表が提出された。また法人の理事も7月末で辞任するという。広陵学園は11日、正式に中井哲之氏の辞任を発表した。
追記は以上
ひろスポ!は広陵が甲子園大会で辞退を発表する前の時点で広陵がこれ以上甲子園に居座ることは「モームリ」だという記事をアップした。また、「中井親子」の続投が社会通念として認められないことも早々に記事にした。
広陵が「辞退」を現地で発表したのは8月10日。その時、学校側がその理由に挙げたのがSNSで誹謗・中傷が拡散されていること…だった。もうこの時点で学校側の態度は本質の部分とは180度違っていたことになる。
だからひろスポ!では、辞退発表の前日の時点で話の肝は「そこじゃない」ことを訴えるために「もう甲子園には居られない」としたのである。
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今年の夏の広島大会で、そしてその先もずっと、畳みかけるような攻撃展開で全国の頂点を目指す<中井野球の広陵>と出会う機会はゼロになった。新たな熱戦の風景が生まれることを期待したい。
と同時に、中井前監督の辞表提出で、すべて終わり、とはならない。これまでに報じられてきた複数のトラブルにおける加害者、被害者の存在の有無とその善後策が明らかにされない限り明治、大正、昭和、平成、令和と続く広陵ブランドに深く刻まれたキズが癒えることはない。(ひろスポ!広島スポーツ100年取材班&田辺一球)
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2025年09月01日








