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2020年07月14日
編集部

アンジュヴィオレ悲願のプロリーグ参加に黄信号?中国新聞がサンフレッチェ広島の女子プロリーグ参入報じる

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アンジュヴィオレ広島
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画像はJR横川駅前のアンジュヴィオレ広島大型懸垂幕

 

7月14日付の中国新聞が「女子”WEリーグ”参入へ サンフレ」の見出しで、サンフレッチェ広島が2021年9月に始まる国内初の女子プロサッカーリーグ参入への準備を進めている、と報じた。

国内スポーツは、日本の少子高齢化の影響をモロに受け、ピラミッド構造が維持できなくなることが懸念されている。人気スポーツの高校野球でさえ、1校あたりの部員数は長期減少傾向にある。少年サッカーもそう。地域に根差す形でサッカー競技の底辺を支えているものの、歴史ある少年クラブであっても閉鎖されたり、1クラブあたりの人数が目に見えて減っていくなど、危機的状況が少年・学生スポーツ界を広く覆い尽くしている。

そんな中で日本サッカー協会が強化普及に並々ならぬ力を入れているのが女子サッカーだ。女子のプロ化へ向けた調整が続けられ、新プロリーグとなるWEリーグの国内スタートを決めると同時に参加チームについても2019年以降、本腰を入れてリサーチを続けてきた。

だが、2019年の時点ではサンフレッチェ広島の名前はあがっていなかった。

一方で広島にはアンジュヴィオレ広島とディアヴォロッソ広島という女子チームがすでに存在する。

アンジュヴィオレ広島は横川地区の街の活性化とリンクして2012年に誕生。2015、16年には、なでしこリーグ2部で戦った。しかし17年からは3部にあたるチャレンジリーグに降格したまま。悲願の1部昇格を遂げないままWEリーグ元年を迎えることが決まっている。

ディアヴォロッソ広島は2019年に立ち上げたばかり。いきなり広島県女子リーグでは6戦全勝で38得点、無失点と広島経済大学、大河FC、SRCの3チームを圧倒した。さらに入れ替え戦に勝って中国女子サッカーリーグ昇格を決めた。

2019年12月、アンジュヴィオレ広島は大量の退団者を出した。その中から複数の選手がディアヴォロッソ広島に移った。しかもディアヴォロッソ広島が新監督に迎えたのがかつてアンジュヴィオレ広島を率いていた貞清健一氏、という”因縁の展開?”になっている。

 

なでしこリーグとWEリーグは別モノであるが、当然、なでしこリーグからWEリーグへの参入組が複数出るであろうことは予想できる。

ただしプロリーグなので「地域性」が重視される。その際、サッカーどころの広島は重点地区となる。

 

中国新聞の記事によると、サンフレッチェ広島はアンジュヴィオレ広島との「連携も検討」したが「単独でチームを作ることを選んだ」となっている。

この報道を9年間に渡って活動を続けてきたアンジュヴィオレ広島とチームを長らく支援してきた関係者やスポンサーはどう受け止めたのか?

アンジュヴィオレ広島では中国新聞の報道を受け、関係者に向け状況を説明する事態となった。サンフレッチェ広島との協議を続ける中で、おそらくうまく折り合いがつかずに今回の報道に行き着いたであろうことは、この記事の”出し方”から容易に想像できる。

大量退団者が出た際にもアンジュヴィオレ広島ではHPなどを通じて、やはり説明に追われた。似たようなことが繰り返されているため、チームとともに活動してきた人々は首を傾げる状況となっているのではないか?

一方のディアヴォロッソ広島は独自にWEリーグ参加の道を模索し、すでに日本サッカー協会の下に設置された女子新リーグ設備準備室にその意向を伝えている。

ここでひとつのポイントとなるのが広島県サッカー協会から出される「推薦状」の扱いだ。

準備室に申請する際には各都道府県協会からの”お墨付き”が必要になる。

現状では推薦状を複数出しても可能かどうか、など詳細は不明で、また推薦状を出すならば協会理事会での決定が必要になる。

男子バスケの広島ドラゴンフライズが晴れて新シーズンからB1に昇格するが、バスケのプロ化(Bリーグ発足)に向けても広島では似たような騒ぎがあった。

当時は広島ドラゴンフライズ以外にもうひとつ、広島ライトニングというプロ化に向けて準備を進めるクラブが存在した。しかし広島県バスケットボール協会では、その活動内容などを吟味し、また広島の市場規模などを考慮して広島ドラゴンフライズだけをBリーグに”推薦”する結論に達した。広島ライトニングは2016年春には活動を停止し、17年6月にはチームを運営する「広島プロバスケットボール株式会社」が広島地方裁判所より破産手続の開始決定を受け倒産した。

今回の女子サッカーの複数クラブによるプロ化へ向けた動きも、すでに中国新聞が報じているように参加クラブ数を絞る形になるだろう。

その際、関係者によれば、クラブ間での選手の移籍は考えにくく、サンフレッチェ広島は単独での選手獲得を進め、また自前の育成組織も早期に強固なものをスタートさせることになりそうだ。

広島県内のサッカー女子にとって、この案件は大きな刺激になるし、広島を女子サッカーの拠点都市に育て上げていくチャンスでもある。

広島県サッカー協会からの推薦状の件も含めて、にわかに浮上した(ひろスポ!では以前から報じていたが…)この広島県女子サッカーの頂点に立つクラブ運営について、目が離せない状況が続くだろう。(ひろスタ特命取材班&田辺一球)

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