画像は、エディオンスタジアム広島で開催されたサンフレッチェ広島vsヴィッセル神戸戦前、チャレンジリーグへの応援を呼びかける齊藤仁美選手
アンジュヴィオレ広島は12月21日までに次のような告知をオフィシャルサイトで行った。
アンジュヴィオレ広島を応援いただいている皆様へ
日頃よりアンジュヴィオレ広島を応援、サポートいただきありがとうございます。この度の選手の退団につきましてサポーター、スポンサーの皆様、地域で応援いただいている皆様にご心配をおかけして申し訳ございません。
選手退団の理由につきましては様々な要素がありますが
多くの選手に残る決断をしてもらうことができなかったのはクラブの責任です。
また、これまでアンジュヴィオレ広島を支えていただいた選手には感謝しかありません。
本当にありがとうございました。
そして残留を決めてくれた神田選手、本藤選手、田中選手、松田選手、渡部選手、宮本選手、万力選手、池崎選手、斉藤礼佳選手、水島選手とともに
また新たに入団いただく選手と、チームスタッフとともに
皆様に応援いただけるチームを作ってまいります。
たくさんのご心配をおかけして本当に申し訳ありませんが、
この広島で生まれたアンジュヴィオレ広島をこの先も引き続きサポートいただけますよう何卒よろしくお願いします。
…………
アンジュヴィオレ広島では10月24日に1名、11月29日に2名、12月9日に2名、12月18日に2名、計7名の退団が発表された。
しかし12月19日には一度に9名もの退団が発表された。その中には小松未奈、赤嶺美月、齊藤仁美、清水亜紀ら長らくチームを支えてきた中心選手も複数、含まれていた。
すでにアンジュヴィオレ広島の大量退団についてはなでしこリーグ、チャレンジリーグの他の選手や関係者の間でも知られるところとなっていた。
関係者の中には「クラブ運営上の問題」を指摘する声もあるが、クラブ関係者から具体的な話はない。それどころかクラブ運営に精通する関係者が口を開かない状況となっている。
一度に16人もの選手が退団することは通常ではありえない。
サポーターやチームとともにこれまで歩んできた地元商店街などの人々、あるいはスポンサーへの説明は不可避だろう。
さらに14日に日本サッカー協会が明らかにした、2021年からの女子プロリーグ創設にも暗い影を落とすことになる。
日本サッカー協会では今後、女子プロリーグの運営母体や参加チーム数などを検討していくというが、水面下では「広島参加」の打診が届いているようだ。関西以西、中四国や九州地方で女子プロリーグに参加できそうなのは…と俯瞰していくと、やはりJリーグ創設時のオリジナル10の一角、広島に白羽の矢が立つ可能性は高い。
現在、広島県内ではアンジュヴィオレ広島のほかにも、複数の女子チームが活動しているが、その中でアンジュヴィオレ広島と双璧を成しそうなのが、今年チームを立ち上げたばかりのディアヴォロッソ広島。
第42回の広島県女子リーグでは6戦全勝で38得点、無失点と広島経済大学、大河FC、SRCの3チームを圧倒した。
ディアヴォロッソ広島のオフィシャルサイトには「日本の女子サッカーはプロ化されておらず、長時間勤務した後に練習に臨んでいる現状があります。当クラブでは選手を関連企業で正社員雇用し、さらに練習時間を勤務時間と考えます。“サッカーを仕事に”をモットーに選手に寄り添ったチーム運営を目指しています」とある。
だが、仮に広島勢が女子のプロ化に対応しようとするならば、関東関西エリアの女子プロ化を目指す組織に負けない、確固たる受け皿作りが必要だ。今回のアンジュヴィオレ広島の大量退団はそういう意味でも、もっと言えばやっと軌道に乗りかけている広島の新スタジアム構想においてもマイナスになりかねない。(ひろスポ!・田辺一球)
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