松井市長の「もう宇品しか考えておらん」発言をテレビカメラの前で指摘した石橋竜史議員
広島市の都市機能向上対策特別委員会が1月28日、広島市役所であった。
その中で「旧広島市民球場跡地の活用等」が話し合われた。広島市から「屋根つきイベント広場」など、そのイーメージパース(跡地活用策のビジュアル化)や内容が示された。
広島市は今後、サッカースタジアム検討協議会がスタジアム建設候補地として残した旧広島市民球場跡地、広島みなと公園(宇品地区)の絞り込み作業を進め、仮に跡地での建設が決まった場合には”両者をすり合わせて結論を出す”と市議会側に説明した。
しかし同委員会副委員長の石橋竜史議員が、「もう宇品しか考えておらん」と先週、発言したことを明らかにした。
発言の内容はつぎのとおり。
ここに今月に入って松井市長が任期が少なくなるということでいろいろな方針を示されている資料があります。この中に広島の街づくりの展開というページがあります。そこでは紙屋町・八丁堀地区は適切に文化・芸術施設を配置したい、スポーツ施設などは臨海部へ持っていきたい、となっています。
また、先週の水曜日に市内のホテルで会合があり、サッカースタジアム検討協議会に参加されていた委員がいらっしゃったのですが、他の自治体の首長さんが良かれと思って松井市長のもとへ呼んで話をした際には松井市長は「もう宇品しか考えておらん」と発言されて一触即発のムードになりました。
それは別としても実際に、何より現場にいらっしゃるみなさんが承知かと思いますけど宇品に重心が置かれているのは確かです。
そこで宇品になった場合を仮定して、先ほど出ましたように避難場所の代替地の確保、国庫補助金返還もあり、その前段として新たな港湾計画を策定しなければいけない。それを管理者の県が国土交通大臣へ計画変更ということで申し出て、最終的に結論となります。最終的に宇品に決まったけど国から認可が下りない可能性もあるのではないでしょうか?
市の担当課長 県からは比較的軽微な変更ということでできるんじゃないか、と県からお聞きしています。
昨年末まで1年半に渡って広島にふさわしいサッカースタジアム像を探ったサッカースタジアム検討協議会が松井市長を中心とする4者協議に直接、手渡した「提言書」には建設候補地として旧広島市民球場跡地と広島みなと公園が併記されている。しかし「ひろスポ!」既報どおり、松井市長はすでに「宇品しか」ない、とサッカースタジアム検討協議会の委員に断言しており「完全なる二枚舌」の声が関係者からは上がっている。
松井市長は昨年8月の74人の広島市民の命が奪われた大規模土砂災害での対応を誤り、市民の間に広がる不信感は「思った以上の根深さ」(市政に詳しいベテラン記者)という見方もある。
先ごろ、サッカースタジアムの今後を決める4者会談の場で建設場所の選定は「実務レベルの作業部会で決める」とテレビカメラの前で申し合わせたばかりの松井市長。まさに舌の根の乾かないうちに…のこの状況を有権者がどうジャッジするのか?
街づくりの一部であるサッカースタジアム建設問題で旧広島市民球場跡地を推すサンフレッチェ広島社長の小谷野薫氏とはこれで完全なる”マッチアップ”…、となったわけだが、小谷野氏の社長退任は2週間先の話で戦いのホイッスルはまだ鳴っていない。
新サッカースタジアム取材班