広島県サッカー協会もようやく意思表明、サッカースタジアム建設地は「旧広島市民球場跡地」と、作業部会へ要望提出

2016年03月25日: 編集部

３月３日にサンフレッチェ広島、久保允誉会長が発表した旧広島市民球場跡地建設のHiroshima Peace Memorial Stadium、このピッチに日本代表選手が立つ日…

広島のサッカースタジアム建設場所にかかわる最重要課題でなぜか、沈黙を続けていた公益財団法人広島県サッカー協会が３月２５日、広島県、広島市、広島商工会議所の実動組織である作業部会へ「サッカースタジアムの早期実現へ向けて」という要望書を提出した。

要望書名に「旧広島市民球場跡地」の文字はないが、実質上は広島みなと公園へのスタジアム建設に断固として反対姿勢のサンフレッチェ広島と同様のスタンスで旧広島市民球場跡地へのスタジアム建設を要望している。

要望書の内容は広島県サッカー協会HPにもアップされている。

また同HPでは、今の「宇品か、跡地か」論争の原因となったサッカースタジアム検討協議会の「提言書」も閲覧できる。

今回の要望書の内容は次のとおり。

平成 28 年 3 月 25 日広島県、広島市、広島商工会議所サッカースタジアム作業部会御中（公財)広島県サッカー協会専務理事古田篤良サッカースタジアムの早期建設に向けて日頃は当協会事業へのご理解とご協力に感謝申し上げます。

先般 3 月 4 日付で、サッカースタジアムの建設推進に関する当協会の方針をご通知いたしましたが、3 月 19 日開催の臨時評議員会での議論を踏まえた当協会の見解を以下の通りご報告させていただきます。

【基本方針】

１．アクセス性の良い場所

２．臨場感のあるスタジアム設計

３．広島と平和を発信できるスタジアム

４．街づくりの活性化につなげる

５．早期建設の実現

※スタジアム早期建設をお願いする立場であり、場所の決定までの間、必要に応じてサッカーに関する情報提供での協力及び進言を行います。

【場所の選定について】

（１）県内外さらには国内外から多くの集客が見込め、サッカー観戦前後の回遊においても市内中心部への期待感は高く、スタジアム検討協議会にて実施した市民へのアンケート調査の「アクセス重視が圧倒的多数であった」結果も重視すべきである。

（２）スタジアムの収容人数について、建設コストを考慮すると必ずしも「3 万人規模」に拘る必要は無く、費用対効果の検討を行なうべきである。

（３）スタジアムの主たる利用者であり、その立地が球団経営上重大な影響を及ぼすとするサンフレッチェ広島の意向は重要である。

（４）港湾に隣接する地域への集客施設の建設は、物流機能に重大な支障を及ぼすとする事業者の懸念が解消されるべきである。当協会としては、これらの意見はスタジアム建設場所選定にあたっての重要な判断要素であると考えますので、旧市民球場跡地へのスタジアム建設可能性について優先的かつ前向きな検討をお願いいたします。さらなる協議を重ねていただき、広島の宝となるサッカースタジアムの早期建設に向けての最善策をまとめていただくようお願いいたします。

この要望書は広島県サッカー協会の古田篤良専務理事名で出された。同協会の小城得達会長名ではない。理由は不明だが、当初、４者会談でスタジアム問題を話し合う姿勢を示しておきながら途中で小城会長は松井市長、湯崎知事、深山会頭にゲタを預け話し合いから離脱した経緯がある。

この文章の中で広島県サッカー協会は「スタジアム早期建設をお願いする立場であり」と小城会長が離脱した時と同じことを繰り返しているが、そこらあたりはどうなのか？

マツダスタジアム建設の際には、同じくお願いする立場のカープ球団は、スタジアムコンペでの参加作品採用にあたり球団としての立場から意見を述べ広島市もその声に応じた。同協会の中にも自ら汗をかき、寄付金を集めようという動きもある。サンフレッチェ広島とともに言うべきことははっきり述べるべきではないか？との声もある。

ただ、今回は「旧市民球場跡地へのスタジアム建設可能性について優先的かつ前向きな検討をお願いいたします」と広島県サッカー協会としての見解をはっきりと述べたことで、要望書にある「 3 月 4 日付で、サッカースタジアムの建設推進に関する当協会の方針をご通知」した時の、かなり抽象的な内容より大きく前進した。

これまでサンフレッチェ広島とサンフレッチェ広島の久保允誉会長のワントップで前線をい張っていたものがツートップになったことは大きい。

広島県サッカー協会は組織的には各カテゴリーの日本代表へと繋がっている。旧広島市民球場跡地で日本代表選手が原爆ドームを横目に躍動する、そんな風景へとわずかながら前進したことにもなる。

広島新サッカースタジアム取材班
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