オバマ大統領、旧広島市民球場跡地に降り立つかも？恒久平和への歴史的な日とその空間、その後の球場跡地サッカースタジアム問題は…

Ｇ７外相会談開催中の広島平和記念公園前の様子

バラク・オバマ大統領が５月２７日、現職のアメリカ米大統領として初めて人類初の原爆による壊滅都市、広島市を訪問する。

伊勢志摩サミットの首脳会議は５月２６日、２７日に三重県伊勢市で行われる予定で、オバマ大統領はサミット出席後、現地での様々な予定をキャンセルして広島の地に立つことが決まったのは４月２７日。受け入れる側の広島でも急きょ準備を始め、特に警備にあたる広島県警ほか関係者は急ピッチで体制を整えてきた。

オバマ　広島風景
「増水」していないが、平和記念公園から１キロ以内のアンダーパスは封鎖

オバマ　広島風景
こどもたちが普通に遊んでいる公園内に警察車両と警察官、この界隈は熊本県警が担当

都内でも２４日からはコインロッカーが使用できなくなるなど、厳しい警備態勢がとられ始めたが、それは広島も同様。原爆ドームや慰霊碑のある平和記念公園とその周辺は広い範囲に渡って他県からの応援部隊も交え厳重な警備が続けられている。

ところで、オバマ大統領の広島訪問に際して、スポーツ報知が次のような報道を行った。

オバマ大統領、ヘリで旧市民球場跡地に降りる計画浮上…２７日広島訪問
www.hochi.co.jp/topics/20160518-OHT1T50243.html

記事を引用すると「プロ野球・広島カープの本拠地として長年親しまれた旧広島市民球場跡地にヘリコプターで降り立つ計画が浮上していることが１８日、分かった。現在、広大な更地となっている同所は、献花を行うとみられる原爆死没者慰霊碑のある平和記念公園からわずか数百メートルと隣接」とある。

まさにそのとおり、である。

しかし、旧広島市民球場跡地のすぐ東隣りには高さおよそ１５０メートルのリーガロイヤルホテル広島ほか、さまざまな中高層建築物もあり「ヘリの着陸には向かないのでは？」（広島の放送関係者）の声もある。

さらに原爆ドームをまさにその真上から、現役の大統領が見下ろすシチュエーションというのもどうか…

加えて２３日には広島平和記念公園から一般の車で１５分程度の広島西飛行場が突然封鎖され、大統領専用ヘリ２機と護衛用のオスプレイ４機が飛来。ヘリポートに着陸して、また山口県岩国基地へ戻って行った。（広島西飛行場と岩国基地は山陽自動車道を使えば通常、40分前後か？）

とはいえ、オバマ大統領の広島来訪のスケジュールなどはすべてベールに包まれたまま。報道陣もまだいつ、どこで何があるか知らされていない。あす25日、広島市が何等かの取材対応を発表することになっている。

戦後７１年、とうとう実現する現職米大統領の広島来訪。何が起こるかわからない。先のリーガロイヤルホテル広島の屋上にもヘリポートはある。

オバマ大統領　広島風景
原爆ドームのすぐ西を流れる元安川下流から見たリーガロイヤルホテル広島、そのすぐ左が旧広島市民球場跡地と原爆ドーム（５月２３日撮影）

オバマ大統領が「どこに降り立つか」はこの際置いといて、大切なのはオバマ大統領が何を広島に残し、未来に向けてヒロシマと広島（ＨＩＲＯＳＨＩＭＡの過去と今）のことをどう考え、どう伝えていくか？

アメリカのケリー国防長官は４月１１日、Ｇ７外相会談が行われた際に広島平和記念資料館を見学したあと「アメリカ大統領も、いつか広島を訪れて欲しいと思っている」とコメントした。また、他の外相も異口同音に「ぜひ、広島を訪れるべきた、我々は帰国してそう伝える」と話した。

おそらくオバマ大統領もこれらの外相たちと同じ思いを抱き、その職責と向かい合いつつも何等かの”声明”を出すだろう。

そうなれば、広島はさらに世界の人々から注目される都市となる。

その時、広島は世界からやってくる人々に対して、人類最初の被爆都市として何ができるのか？

広島は明治の終わりから大正、昭和初期にかけて「スポーツ王国」と呼ばれた。さらに「軍都廣島」として都市が膨張した時期と各種スポーツ競技が栄えた時期は完全に重なっている。

地元広島選出の岸田外務大臣は世界各国・地域を歴訪し「スポーツ外交」とりわけ「サッカー外交」の広がりと奥深さを痛感している、と常々述べている。

旧広島市民球場跡地がこの先、どうあるべきか？それはオバマ大統領の今後の言動からも導かれる可能性がある。

広島新サッカースタジアム取材班

20160524_134818
広島平和公園から半径１キロ前後を飛行する自衛隊のヘリ（５月２４日午後撮影）

オバマ大統領
ＪＲ広島駅新幹線口へ続く高架橋を隊列を組んで走る無線用アンテナ、スモークガラスなど特殊装備を備えた警察車両は品川ナンバー（右車線手前とその前）

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