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2016年10月22日
編集部

マツダスタジアム、日本シリーズ前日地震で揺れる…大谷翔平が投げ、菊池・丸・新井が打つ日本シリーズ開幕、でも一番緊張してるのは市職員との声あり

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鳥取中部の地震で揺れたマツダスタジアムの照明塔、ほぼ同時刻に撮影

 

10月21日午後2時7分、緊急地震速報のアラーム音が響くとその数秒後にマツダスタジアムも揺れた。

広島の打撃練習の真っ最中。「揺れてる、揺れてる」の声がグラウンドのあちこちで上がった。新井貴浩選手、エルドレッド選手らはいったん、打つのを止めて周囲をうかがった。「揺れる前にゴゴゴ…と音がしたね」とエルドレッド選手も驚いていた。

レフト、ライトのポールはゆっくりと大きく横に振れ、さらには照明塔まで揺れていた。バックネット裏にある記者席はかなり揺れた。それでも広島は震度3。震源地は鳥取県中部。倉吉市など震度6弱の地域は大きな被害に見舞われた。

32年ぶりの日本一に向け準備を整えた緒方監督とカープナイン。敵地で初戦を迎えるファイターズナイン。だが「両者よりも緊張して日本シリーズ開幕を迎える”部署”がありますよ」と話すのは元広島市職員の木原康男さん。

木原さんはまだ設計も何も決まっていない段階からマツダスタジアム建設に関わってきただけでなく、OBとなってからも様々な調査や広島市とのやりとりを通じて一貫して「マツダスタジアムの構造計算はデタラメで、震度6、7クラスの地震が来て、それが南北の揺れだった場合にはレフトスタンドなど倒壊する恐れすらあります」と訴えてきた。

なぜ、そんなことになったのか?

秋葉前市長が「新球場は90億円で造る」と根拠のない数字を持ち出し、それがひとり歩きしたことで建設にあたり様々な無理が生じた。その影響が、モロにマツダスタジアムを支える「杭」にまで及んだためである。

「マツダスタジアムの地下には本来、570カ所に杭がないといけない構造になっていますが、詳しく調べたところ375カ所にしか杭がない。荷重のかかるバックネット裏などには杭がたくさん使われていますが、L棟と呼ばれているレフトスタンドなどはそうはなっていない。だから早い時期からその柱周辺にクラック(目で見て分かる割れ)が生じている。柱にクラックなどあってはならないことですからね、みなさんだってマンションを買いました、柱部分にひび割れができました、では黙っていないでしょう?横浜の傾きマンションはけっきょく全面建て替えとなりました。マツダスタジアムもそうなる可能性が高いと思っています」(木原さん)

ここで問題なのは、当局が組織的にそのことを把握していながら何ら対策を講じてきていないことにある。

昨年10月、三 井不動産レジデンシャルが発注、三井住友建設が施工した横浜の分譲マンションの「傾き」が大騒動を引き起こした。この件では最初は何とかお茶を濁そうとしていた関係者たちも観念せざるをえなくなり、旭化成建材が「266件の改ざん」などを発表して責任の所在が明らかになっていった。

同時にその発表があった日に、業界最大手のジャパンパイルも担当する物件の「データ流用」などを認めた。ジャパンパイルはマツダスタジアムの杭打ちも施工しており、もうこれだけでも一大事である。だが不思議なことにこのニュースはおそらく二度、中国新聞で取り上げられただけで、その後についてはどのメディアもおそらくいっさい触れていない。

木原さんは広島市の松井市長に直接呼ばれ、マツダスタジアムが抱える問題についてもう5年以上も前に粗方説明している。一方で都市整備局指導部建築指導課ほか、市の担当各署にはさらに詳しくその問題点や今後の対応策などについても伝えている。

だが広島市では昨年11月に「休日返上でジャパンパイル問題を調査中」と答えただけで、ほぼ1年間この問題をスルーしてきた。

その間、関係者は何度か生きた心地すらしなかったのではないか?

熊本地震が最初に発生した4月14日、マツダスタジアムでは中日戦が行われていた。試合は午後9時3分に終了、地震発生は午後9時26分、ここでも時間軸では”かすって”いる。

2001年3月24日午後3時27分に発生した芸予地震で広島市は震度5強の揺れに見舞われた。

もし、同クラスの地震がまた起きて…となればマツダスタジアムは災害時の備蓄倉庫のある広域避難場所であるから当然、市民らが大勢集まってくることになるのだが…。

増してやそれが連日大入りの試合中ともなれば、いったいどんなケースが想定されるのか?

東京都の豊洲市場問題では、おそらく”埋没させたまま”葬ろうとした不都合な真実が、小池都知事の登場によってオープンにされ、地下にあるべきものがなく、ないはずのものがあることが人々の目にさらされた。

しかし、今の広島市や広島県に小池知事はいない。

松井市長は10月22日も資金集めパーティを開催する。一番大切な市民の生命・財産の安全に関しての対応に本腰を入れる方が先ではないか。

八木地区などを襲ったあの未曾有の大災害の時ですら、松井市長は自宅で「寝たり休んだり」していた。

ケガ人が出たり、思わぬアクシデントが発生するプロ野球の世界においても当然問われる危機管理能力、リアルな市民生活においてはまさにそれこそが最重要課題である。

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広島新サッカースタジアム取材班

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