12月12日の広島市議会一般質問で、2011年の広島市長選挙で松井市長を支えていた市議ひとりが複数の議員に現金を配った、との問題が明らかにされた。
金銭を配ったとされる市議は否定しているが、市議会で指摘されるのは異例で、また裏を返せば”確信”のない話が表に出る、とは考えにくい。
この話題を取りあげのは市民改革ネットワークの藤田博之氏。「同僚議員が金を配って歩いた、活動資金と言って渡されたらしい。選挙違反では?」と発言した。
松井市長は「いっさい存じていない」と反論した。
また藤田氏は、広島市が市民の声に抗い移転新築を進めてきた安佐市民病院問題についても言及。藤田氏の自宅を松井市長が訪ねてきて「(移転に)賛成すれば目に見える形で恩返しすると言った」と暴露し追究したが松井市長は「2度、(藤田氏の自宅へ)行ったが、事実無根」と返した。直接、会話したふたりの証言がまったく食い違っていることになる。
安佐市民病院の移転問題は市議会での議決が完全に賛否同数となり碓井議長の”最終票”で凍結されたいきさつがある。
一連の”不透明なやりとり”については広島県警でもすでに関係者への聞き込みなどを始めているが金銭の授受などが明らかにならない限り、立件には至らない。
しかし市議会の場で「市長選にまつわる金銭」の話が出た限りはこのまま”フェードアウト”になるとも考えにくい。
藤田氏の質問内容に対して先ごろ安佐市民病院問題で自民党保守クラブから離脱した自民党市議らが懲罰動議を提出した。
市議会本会議では「サッカースタジアム問題」について「昨年6月から検討協議会で話し合いを進めたが何の進展も見られない」(自由民主党・元田賢治議員)と厳しい声があがったばかり。今回の”藤田発言”が波紋を呼べば、サッカースタジアム建設に向けての動きはますます混沌としていく可能性が高い。