広島は3月5日、甲子園で阪神とオープン戦を行い6対2で勝った。
打席数を増やすため二番を打った堂林が、九回に中越えソロを放つなど5打数3安打2打点の活躍を見せた。
投げては先発の岡田が3回を投げ被安打2、奪三振2、無四球、失点0の快投で、昨季限りで引退した黒田博樹の穴を埋める有力候補ぶりをアピールした。
広島にはジョンソン、野村の左右2枚看板がいる。そして昨季は黒田とともに3本柱を形成していた。
ポスト黒田の条件は、年間150回以上を投げること、走者を背負っても試合を簡単に壊さない粘り強い投球内容、満員のスタンドとグラウンドを一体化させる気迫とメッセージ力…。
これらをずべて満たすことは当然ながら簡単ではない。が、その資質を持つならば、おそらく黒田も自分の後継者として期待してくれることだろう。
岡田はこの日、「シーズンを通して安定した投球をする」ために、めいっぱい投げていた昨季とは異なる投球フォームを試しながら3回を48球にまとめてみせた。
また二回に招い唯一のピンチ、一死一、三塁のピンチも新人の糸原(ENEOS)を二ゴロ併殺に打ち取った。
岡田は昨季、レギュラーシーズン15試合で89回3分の1を投げ、日本シリーズのマウンドも経験した。
昨季、チーム最多投球回数はジョンソンの180回3分の1(26先発)で、次点が野村で152回3分の2(25先発)。3位が黒田で151回3分の2(24先発)だった。それに続いたのが昨季のドラ1右腕、岡田だった。
この春、ポスト黒田の一番手と期待された大瀬良は2月のキャンプで真っ先にフリー打撃に登板するなど調整を早めていたが、ほどなく右脇腹を痛めて失速…。実績で見ると3本柱に一番近いとされる福井も、2月終わりに背中の張りを訴えた。
そんな中、ドラ1ルーキーの加藤拓也がここまで対外試合無失点でその存在感を増しつつある。キャンプでは早々に神ってる鈴木誠也のバットをへし折る剛球で周囲をあっと言わせたが、その勢いはまだ衰えていない。
岡田と同じく球に力のある新人の加藤
まだ開幕まで時間はあるが、やっている方はあっという間。しかもこのオープン戦期間中は、いくつもの関門が待ち構えている。
この先、ふたりがどんなパフォーマンスを発揮してくれるのか?
岡田も加藤もともにチームの未来を背負って立つ人材であることに違いはない。そして黒田に送られてきた熱い声援がこの二人の立つマウンドに送られることも…