画像は初代広島市民球場の雄姿、原爆ドームとともに…(ひろスポ!取材班撮影)
広島県が発注する工事の入札で、土木建築会社に予定価格を伝えて、カープ観戦チケット12万2,200円相当を受け取ったとして、広島県警は2月22日、加重収賄※、公競売入札妨害、官製談合防止法違反の疑いで広島県建設産業課主査、曽根田英一容疑者(49)を再逮捕した。
※加重収賄罪の刑罰は、1年以上の有期懲役。
贈賄と公競売入札妨害の疑いで、地元の土木建築会社で初代広島市民球場やマツダスタジアムの建設にも関わった増岡組(東京都千代田区)の建築営業部副部長、島津江修容疑者(54)も逮捕した。同容疑者は広島市南区比治山町在住、マツダスタジアムまで徒歩10分圏内だ。
増岡組のHPによると…
1908(明治41)年に増岡組の前身、増岡商店が建設業を始めてから115年あまり。 建築と土木で人のくらしを豊かにする仕事に、私たちは取り組み続けてきました。 その間も、そしてこれからも、人のくらしや社会は、常に変化してゆきます。
顕在化する地球規模の課題、進化を続けるテクノロジー、しかし時代がどんなに変わっても、私たちが人を思う気持ちは変わりません。 歴史のなかで受け継がれてきた思いを次世代へとつなぎ、 新しい価値を創造しながら時代を切り拓いてゆく。 そのために増岡組は、磨き上げてきた技術と重ねてきた信頼を、大切にしたいと考えています。
…となっている。「信頼」はもう、ない。
旧広島市民球場建設の広島における一大ムーブメントについても紹介されている。広島人にとっては戦後の歴史上、最も誇らしい話だ。
2009年竣工のマツダスタジアム(2代目広島市民球場)は、設計が環境デザイン研究所(統括は仙田満)、施工が五洋建設+増岡組+鴻治組。
端的に言えば、増岡組は広島の戦後の尊い歴史と広島市民県民とカープファンを、この一件がバレて裏切ったことになる。
マツダスタジアムにも広告を出している増岡組。旧広島市民球場建設に携わったその関係者から、旧広島市民球場が解体される頃、ひろスポ!ひろスタ特命取材班はその熱い思いを重ねて聞く機会があった。
廃墟の街に新球団。それも儚い夢と消える運命にあった。
しかし「カープの灯を消すな」と市民らが立ち上がり、たる募金などで球団は存続。そして1957年(昭和32年)7月、初代広島市民球場がわずか5カ月の工期で完成した。
まだ、街には傷痍軍人の姿も多く戦後の匂いがそこここに残る中での大ニュース。ナイター照明を始めて目の当りにした人々のことが、当時の新聞報道などに残されている。平和の希望の灯りだと…
今回、県の担当者に渡された高額のマツダスタジアム入場チケットは誰がどういうルートで手にいれたのか?
広島のマスメディアには、そこもとことん追及してもらいたい。
なぜか?
奇しくもこの日、広島東洋カープでは3年ぶりにマツダスタジアム窓口での公式戦チケット販売再開など、今シーズンの主催試合チケット販売についての詳細を発表したが、ひろスタ特命取材班が長年取材してきた経験から言えば、カープ球団のチケット販売方法にはトラブルが付きものであり、毎年、ファンは無用な負担を強いられている。
逆に言えば、だからこそ県の担当職員から情報を引き出すのに、あろうことか平和の象徴のひとつであるマツダスタジアムで開催されるカープ球団のチケットが使われたことになる。
ここからは完全な”私見”であるが、カープ観戦チケットを”餌”にした不正は、この一件はまさに氷山の一角であり、広島のありとあらゆる場面でカープチケットが正しくない方法でやり取りされている可能性が極めて高いと考える。
カープ球団が意図的にチケットが枯渇するような売り方に徹してきたため、信じられないような高額転売がネットで繰り返されてきたのは周知の通りだ。
特に年間指定席が頻繁に”悪用”される。すでに年指の転売で逮捕者も出ている。年指は球団側がどこの誰に販売したかを容易く特定できるのに、だ。
今回、使われたのも年指チケットだ。
税務署職員がよく出入りする店の関係者から聞いた話だが、カープ球団が税金に関係した問題で突っ込まれることは絶対にない、と証言していた。税務署職員が、どういう手法でチケットを手に入れて、マツダスタジアムの特等席?で観戦しているか、そこを明らかにすれば一発、だろう。
なお、どのメディアも気づいていないのかもしれないが、初代旧広島市民球場の起工式は1957年2月22日だった。さすがの?広島県警もそこまで知った上で再逮捕に踏み切った訳ではないだろう。
幾多の試練を乗り越え、夢の器を完成させた当時の増岡組関係者の苦労に思いを馳せつつ、辛い気持ちでこの記事を書いていることをご理解願いたい。(ひろスポ!デルタルハンター※&田辺一球)
※デルタルハンター…パソコン1台を武器にネット上のオープンソースからデーモン・プーチン(ひろスポ!造語)のような地上に存在する災いや巨悪の動きを正確に暴くデジタルハンターを模した造語である。広島市は三角州(デルタ)上に形成されており、デルタルハンターはネット上の情報と街中などで集めた情報を総合的に勘案してそれを記事にまとめる。
本家のデジタルハンターはNHKで再三取り上げられており、インターネット上にある情報、画像、動画などを検証して、事件・事故・国際紛争などにおける事実を導きだす、オープン・ソース・インベスティゲーション(公開された情報源の調査)で、暴かれる真実の大半が権力者側にとっての「不都合な真実」である。
ひろスポ!関連記事
マツダスタジアム、カープチケット転売?やっと広島県内初の逮捕者、横行する高額転売、誰に忖度してこうも遅くなったのか? | 【ひろスポ!】広島スポーツニュースメディア (hirospo.com)
(2022年10月24日掲載)
ひろスポ!配信ニュースの月間22万アクセス、トップはマツダスタジアム公式戦チケット大量売れ残り… | 【ひろスポ!】広島スポーツニュースメディア (hirospo.com)
(2022年4月1日掲載)
東京など県外カープファンも”勝負の日”、マツダスタジアム公式戦チケット71試合一括販売アクセス集中で開始から4時間つながらず、今年もトラブル続出のシーズンに… | 【ひろスポ!】広島スポーツニュースメディア (hirospo.com)
(2022年3月9日掲載)
特報!マツダスタジアム公式戦チケット、緊急事態宣言下で密かに払い戻しの昨季を”反省”?、今季も常軌逸した「全71試合」「販売」で「ご購入後の変更・キャンセルは一切お受けできません」 | 【ひろスポ!】広島スポーツニュースメディア (hirospo.com)
(2022年2月22日掲載)