黒田博樹の広島復帰のニュースが駆け巡ってから一夜が明けた。各メディアは”後追い記事合戦”の様相を呈している。…なので「ひろスポ!」は別の角度から攻める!?
広島市中心地にほど近いお好み焼き屋さん。
広島ならどこでも見かけるようなその店のたたずまい。日曜日のお昼過ぎ、次々とやってきたお客さんのため鉄板の上はフル稼働。そして、おいしそうにお好み焼をほおばる客たちの会話は…
「黒田が帰ってきたね」
「マツダスタジアムに見にいかんといけんね」
「先発かね?」
「先発じゃろう?」
実はこの店、ひろスポ!の「お好み焼の味ランキンクング」調査では県内ナンバーワン。多くのカープ選手やOB、著名人も密かに通っている。そしてかつては黒田博樹も…。
その鉄板で食べているカープファンはそうとは知らずになおも黒田の話に熱中…。
「カープのユニホームを相手に投げている自分が想像できない」
2006年オフ、黒田はそんな名言とともにFA宣言を封印して広島に残りエースとしての役目をまっとうした。
その時、黒田にテレビカメラを向け「どうして残留することにしたのか」、詳しく話を聞いたことがある。さらにカメラを止め、談笑しながらこう聞いた。
「関西風と広島風、どちらのお好み焼の方が好きなのか?」と…
笑顔の黒田は即答だった。
「広島風…ですよ!」
大阪生まれの大阪育ち。しかし広島は第2の故郷になっていた。山本浩二監督の下で1試合140球、150球…と投げ続けた。しかも2003年と2005年には200イニング超えもやってのけた。
「こうまでして耐えていかないといけないのか…」
エースとしての責任感とプライドと…。耐え忍ぶ中でやがて「投げ続ける」ことの意味や価値に気づいていくことになった。
「広島が自分を育ててくれた」
メジャーリーグの頂点を極めるような立場になってなお、いやだからこそ広島に対する感謝の気持ちを忘れない。
それに加えてやはり、どんなに高級なニューヨークのレストランで味わうステーキよりも、庶民派の広島風お好み焼の方が性に合っている!?
広島からカープ時代の記者や女子アナたちがニューヨークを訪ねてくれば、どんなに忙しくても夜、食事に誘って笑顔で迎えてくれた、という。
そんな黒田がまた広島に帰ってくる。そう、決め手は新井貴浩選手の存在とともに、NYステーキよりも広島風お好み焼、の日常だったのである。
(文責・ひろスポ!黒田博樹取材班)