広島の不動の三番、丸がまた打った。
前日(6月16日)もマツダスタジアムで3打席連続ソロホームランを放ち、超満員のマツダスタジアムを大いに盛り上げたが残念ながら試合の方は5対3ソフトバンクの勝利となった。
で、広島初の交流戦最高勝率に向け後がなくなった17日の第2戦、2対2で迎えた八回、ソフトバンク二番手岩崎の初球、ストレートを前日同様に流してレフトスタンドへ打ち込んだ。この一発で広島がソフトバンクに3対2で競り勝ち、交流戦王者へリーチをかけた。
2日で4発の偉業にも試合後、お立ち台に上がった丸は「なかなかこんな機会はないと思うのであまり勘違いすることなく、今後もきっちりやっていきたいと思います」と謙虚だった。
菊池や鈴木誠也らの派手なパフォーマンスの影に隠れがち?ではあるが、実は丸ほど使う側にとってありがたい選手も珍しい。
”専門”はホームランを打つことではない。チャンスメーク兼ポイントゲッター。しかも「好きなのは守備」とセンターの守りも手堅いし、2013年の盗塁王だから足も使える。
この日も2点を追いかける四回、好投を続けるソフトバンク先発の松本裕からチーム初ヒットを放ち、そこからこの回の同点劇を呼び込んだ。
さらに五回、今度はフルカウントから四球を選び二死満塁で鈴木誠也に繋げてみせた(結果は中飛)。
交流戦前、3割4厘だった打率はこれで3割3分5厘まで跳ね上がり、交流戦打率は4割2分というすさまじさだ。
緒方監督が「集中力がすごい」と驚いて見せる丸の良さは、まさにそのタフなメンタルにある。
6月10日の楽天戦(Koboパーク宮城)では美馬、松井裕のリレーの前に4打席連続三振、という大失態?を演じたが、そのあとの4試合で16打数6安打。そして5戦目でソロ3連発…。いずれも逆方向でヒットの延長がフェンスオーバーとなった。
かつてはイチローの恩師、新井宏昌コーチ(元広島)の指導を仰ぎ、その後は石井琢朗打撃コーチの助言に独自の打撃理論をミックスしたその打撃スタイル。
2月の日南キャンプでひたすらその「形」を追求する姿からは「首位打者を争える力量」(ひろスポ!)が十分に見てとれたが、そのまま極めて順調に成長曲線を描いて今に至っていることになる。
足を上げ、軸足に体重を乗せると同時にグリップを一度下げる、そのタイミングとバランスを何度もチェック(2月の日南キャンプで撮影、以下同)
踏み込んで見送る時の形も非常に大切、右肩をしっかり残し、右足のつま先も内側に入れている
センター返し、頭が残って”後ろで受けて”軸回転
ヘッドを効かせた流し打ち、広いマツダスタジアムでもスタンドにもっていく技術はここで身につけた
ひろスポ!カープ取材班