画像はマツダスタジアムでの「ミニキャンプ」に参加中のテイラー・スコット投手
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、国内各自治体では不要不急の外出の自粛が呼びかける事態となった。
特に東京の都市閉鎖が心配される首都圏では格段の配慮が必要な状況となり、ヤクルトとロッテは一時的な活動休止を発表した。
また楽天は、一、二軍選手と監督、全コーチ、スタッフを対象に活動再開時期未定のまま活動休止とすることを発表した。
NHKまとめによる国内感染者数の累計は、多い順に360人を超える東京を筆頭に大阪、北海道、愛知、兵庫、千葉、神奈川、埼玉…プロ野球フランチャイズと重なっている。
楽天の本拠地がある宮城県はまだ2名の感染者しか確認されていないが、東京との繋がりが深く、いつどうなるかもわからない。
楽天と広島。ともに首都圏、関西圏以外の政令都市にスタジアムを構ええている。宮城県と同じく地方都市を拠点とする広島も県内感染者はこの日、2名増えた。それでもまだ6名と少ない。
広島は28日、29日、30日とマツダスタジアムで「ミニキャンプ」を展開しており、楽天とは対照的だ。
いずれにせよ、どのチームも選手は国内外から集まっている。新型コロナウイルス拡大は南極大陸を除く全大陸の抱える問題であり、文字通り世界規模の話になる。
広島の新外国人選手投手、テイラー・スコットの故郷は南アフリカのヨハネスブルグ。
アフリカ各国でも感染者が急増中だ。しかも医療体制の脆弱さなど、感染爆発の危険性をはらむ地域が数多くある。アフリカ大陸の危機を回避させるのは歴史的にも地理的にも繋がりの深い欧州各国の役目だが、その欧州自体が新型コロナウイルスによって危機的状況に追い込まれている。
現地時間の28日、アフリカ最多の1000人を超える感染者が確認された南アフリカでは4月中旬まで3週間に及ぶ国境封鎖や外出制限が行われている。
日本企業の事務所が多いことでも知られているハウテン州ヨハネスブルグも同様の状況下にあり、中心街のサントン地区は静まり返っているという。
地域によっては、治安維持のためにマスク姿の軍兵士が銃を構えて立っている。各地で外出制限令を破ったとして逮捕者が続出。南アフリカの失業率は30%で、日銭で暮らす人々にとっては文字通り、死活問題となっている。
結論から言えば新型コロナウイルス拡大の世界情勢、国内情勢に日本球界とNPBは足並みを揃えることができないまま、ジリジリと追い詰められている。
その対応は常に後手に回っている。せっかくJリーグと対応を共にするシステムを立ち上げたのに、組織の成り立ちの違いによってJリーグの動きにもついていけてない。NPBの動きは鈍いと言わざるを得ない。
そうこうしているうちに阪神を起点とした感染者の拡散問題が中日に飛び火して、さらに大阪府や兵庫県の20歳代の女性とその周辺にも広がった。
次に感染者が出る球団はどこになるのか?
従来通りの護送船団方式しかとれないNPBに任せていたら手遅れになる?楽天の決断は注目に値する。
当り前の話だがあえてもう一度記しておく。相手がいなければリーグ戦は成り立たない。
ひろスタ特命取材班