画像は河井克行氏のポスターに刷り込まれた「自民党総裁外交特別補佐」の文字
NHK広島放送局に4月の異動で松尾剛アナが異動してきた。
カープで言えば大瀬良投手くらいの安定感がある。ウイークデーの夕方ワイドなどを担当しているが「河井夫妻逮捕」のニュースを聴いていても、まるでかつての夜ニュースそのものだ。NHKはさすがに読みが深い…
…ということで6月19日午後3時前、河井夫妻が逮捕された。すでにメディアがXデーについていろいろ書いていた。筋書通りにことが進む。東京高検の黒川前検事長の賭け麻雀事件のあと、逮捕へのハードルがなくなった?
NHKは広島ローカルから全国ニュースに切り替わっても同じ文言を繰り返した。
「法務行政トップの前の法務大臣夫妻の逮捕という前例のない買収事件」だと…
すでに画面では、昨夏の参院選前に広島まで河井案里氏の応援に駆け付けた安倍首相や菅官房長官の姿が繰り返し映し出されている。明らかにこのふたりは河井案里を応援していた。しかも1億5千万千の”実弾”を撃ちまくれと言わんばかりの勢いで、だ。
そして7月21日、めでたく初当選して8月1日に初登院。夫の克行氏は9月に第4次安倍第2次改造内閣で法務大臣に。
夫妻の絶頂期…はしかしすぐ終わりを告げる。10月30日には文春砲がさく裂した。無論、火薬を詰め込んだのは7月の参院選で痛い目に遭った人たちだ。1億5千万円の実弾に対抗するには何より効果的な一発だ。
10月31日発売の週刊文春2019年11月7日号に”別れの秋”を告げる記事が掲載されると午前8時過ぎ、克行氏は首相官邸で安倍首相に法務大臣の辞表を提出し受理される。
克行氏は首相補佐官だった2016年11月、米大統領選でのトランプ氏当選を受けてワシントンに派遣され、安倍首相とトランプ大統領との仲を繋ぐ地ならしをしたとされている。一方で「英語もろくに話せない」という声もある。だが「総裁外交特別補佐」などという肩書もあったりして、その一般的なイメージは東京とワシントンを繋ぐ”できる人”だ。
ネットを検索すればいろいろ出てくる。
2016年11月26日の朝日新聞の記事の見出しは…
「トランプ氏、安倍首相を必要としてる」河井首相補佐官
…だ。日米トップの初会談のあと首相補佐官としてのコメントを出している。
克行氏のFacebookには以下のような文言もある。日付はやはり2016年11月26日。
『夕刊フジ』安倍・トランプ初会談が載りました
一昨日の『夕刊フジ』政治評論家・鈴木棟一さんコラム「風雲永田町」に、安倍総理大臣とトランプ次期大統領の初会談についての取材が載りました。ぜひご覧ください。
これまでの報道によれば河井夫婦が揃って現金をばらまき始めたのは2019年3月。試しに3月、4月の克行氏のFacebookを見返してみた。「細かい」と言われるだけあってFacebookは細かくその時々の様子がアップしてある。安倍首相や菅官房長官の笑顔がやたら目立つ。
克行氏のFacebookには…
3月3日、2016年にドナルド・トランプ氏の大統領選挙対策本部長を務め、政権発足後は大統領首席戦略官兼上級顧問としてトランプ政権の思想哲学・政策の基礎を築いたスティーブ・バノン氏が先ほど日本に到着しました。
…とある。そのあとバノン氏との多忙な日々が綴られている。
ほかには…
『満開の桜とともに統一地方選挙は終盤へ』
昨夜は、東京から戻り、安佐北区から立候補している市議候補・伊藤昭善さんと県議候補・渡辺のりこさんの合同演説会に出席。応援弁士を務めました。安佐北区そして安佐南区ともに激戦です。どうぞ自民党公認・推薦候補に皆さまの力を与えてください。
…というのもある。「渡辺のりこさん」は今回の一件で怒りの告白をしたことで知られているが、この時は「応援弁士」である。
また4月27日には、中区袋町電停前に河井案里事務所本部開設したことが書かれている。テナント料のバカ高い一等地だ。
こうして参院選に向け、今後白日の下に晒されるであろう日々が記してある。
このFacebookを見た人なら誰でも、なぜ安倍首相と菅官房長官らは河井夫妻を推し続けたのか?と疑問を抱くはずだ。
「1億5千万出して当選ひとり、なら最初から1500万円で自民ひとり当選でいいじゃないか」
自民党に興味ない人でもそう気づくだろう。
「法務行政トップの前の法務大臣夫妻の逮捕という前例のない買収事件」だから、今後の展開ももしかしたら前例のないものになるかもしれない。
”もう過去の人”になりかけていた溝手顕正氏は今どんな思いでいるのだろうか?もちろん取材はシャットアウトしているのだろうけども…
選挙戦最中、溝手氏は河井案里氏について「ぴょんと飛び込んできて『県代表』と言われたら、かなわない」「ひらひら歩けば選挙に通るなど、あってはならない」と言った、とネットを検索したらあったが、その言葉は正しかったことになる。
「ぴょんと飛び込んで」行ったのは、ほかにもいろいろあるようなことが書かれた記事もある。ただしスポーツの話ではない。
青少年時代に相撲、野球、サッカー、大学ではアメリカンフットボール…スポーツ王国広島を地で行った溝手氏にとっては、アディショナルタイムの逆転ゴール!!!ネットを揺らすボールがコロコロと転がるのを見てガックリ膝をついたのは誰だろうか…
ひろスタ特命取材班