画像は”終戦”を目前に控えた佐々岡監督(左から二人目)
10月23日 △1-1阪神 マツダスタジアム
通算60勝67敗12分け
試合前に4位確定、3位巨人まで3・5差、首位ヤクルトまで14差
18時2分開始・2時間44分、8,090人(年間指定席購入者のみ入場)
相手先発 秋山5回3安打1失点
本塁打 -
出場登録 野間
一番センター宇草
二番ショート小園
三番レフト西川
四番ライト鈴木誠
五番ファースト坂倉
六番セカンド菊池涼
七番サード林
八番キャッチャー石原
九番ピッチャー森下8回133球5安打1失点(自責1)
島内
午後2時試合開始の東京ドーム、巨人-ヤクルトが巨人のワンサイドゲームとなり午後5時31分に終了した。その瞬間に広島の逆転クライマックッスシリーズの夢が断たれた。
その31分後、マツダスタジアムにもプレーボールの声がかかった。阪神はその時点でヤクルトとのゲーム差ゼロ!中5日の秋山で必勝態勢…
秋山は広島戦2連敗中で、ともに鈴木誠に手痛い一発を許していた。よって初回の二死一塁では鈴木誠に四球。三回、ライト佐藤輝の拙い守備など不運が重なり先制された際も、なお二死二塁の場面でも申告敬遠でそのバットを封じた。
広島先発の森下は二桁勝利目指してどうしても9勝目を挙げたい試合だったが、七回の二死からロハス・ジュニアに四球を与え、佐藤輝、坂本に連打され追いつかれた。新人王右腕の2年目、その課題は被本塁打の多さと与四球の多さ。またこの日たったひとつの四球が命取りになった。
ところでこの試合、もうもしかしたら鈴木誠の雄姿を見るのもあとわずかかもしれないのにスタンドはわずかに8,090人。今季最少の入りになった。
それには当然、訳があり、今回の2連戦は5月中止分で、コロナ禍にあって入場制限期間中のため、一般販売は行われなかった。広島球団ではコロナ禍にあって昨季に続き今季も年間指定席購入者のみ、の入場というケースが見られた。
その中止分、というのがまさにマツダスタジアムクラスター発生時まで話が遡る。
5月17日深夜、菊池涼、小園、正隨のPCR検査陽性発表に始まった大パニック。翌日から東京ドームでの巨人戦に“突撃”して8人の選手の一、二塁軍入れ替えを行い、陽性者は鈴木誠、長野らに感染は広がった。5月21日、阪神3連戦初日の午後1時になって、やっとこのカードの中止が発表された。
その6日後、交流戦に突入して歴史的大敗、となったことで今季のペナントレースは終わったと言っていい。
交流戦借金は9つもあるが、現時点では7。外国人選手の活躍がごくごく一部に限定される中で、選手も首脳陣もよく戦った。巨人とのゲーム差最大14を2・5まで詰めたがそれが精一杯だった。ラストスパート、ギリギリの戦いを10勝2敗で乗り切り、この日、ついに力尽きた。
よって敗因の多くはクラスター発生を食い止めることができなかった広島球団が負うべきである。あれだけの大騒動を引き越しておきながら、球団内部の誰も責任を取っていない。
チーム打率はいまだリーグトップで、若手野手の成長が著しい。作戦面での課題解消はあれど現場は胸を張っていい。5カ月前に広島球団が投げたブーメランが、この日の阪神戦目掛けて戻ってきた“だけ”の話である。(ひろスポ!。田辺一球)