トークショーで熱く語る前田智徳さん
「今季が優勝の大チャンス」とチームにエールを送った前田智徳さんは若手選手、ベテラン選手らに向けて、そしてファンに向けても次のようなコメントを残した。
今年、昨年ぐらいから出てきた選手は、プレッシャーはあると思いますが、自分の力をアピールして、来年、再来年自分の力をホンモノにしていくための今が通過点だと思ってやって欲しいですね。
逆に30歳を超えた選手は自分の力を分かっていて、自分の置かれている立場も分かっています。そのぶん、責任感も強いですからそちらの方がよりプレッシャーがかかってくると思います。
丸、菊池、堂林、田中というメンバーはまだそういうレベルではないので目先のことに全力でいってくれればいいというのが監督、スタッフの考えだと思います。そうは言っても今、一番チームに貢献してくれていますよね。彼らは伸び盛りですから、3年ぐらいたてばファンのみなさんが「丸はこれぐらいの力がある」というものを作り出すと思います。
もちろんプレッシャーは最後まで続きます。高いレベルでプレッシャーの中でやっていくのがプロですから…。実績を残せば残すほどプレッシャーもあるし、なかなか一人前にもなれない。ひとりひとりがその人の置かれた状況や力によって、葛藤し、戦って成長していくんです。
ところで、野球にはやはり流れがあります。ピッチャーなら立ち上がりと五回以降…。また球場のみなさんが作り出す雰囲気によって緊張感も違ってきますね。
接戦になってくれば、その行方をファンのみなさんの声援が左右します。ファンのみなさんの力は非常に大きいと感じています。
ですからホーム、ビジターの差が出てくるんです。試合展開が例え苦しくても七、八、九回となってくればマツダスタジアムの空気が変わってきますから。そうなると相手チームに対するプレッシャーが強まり、出てくるピッチャーの手元が狂ったり、フォアボールを出すとか…。甘いボールが来たりもします。そういう目に見えないことがたくさんあるんです。相手が嫌がる、嫌だなと思った時点で相手が硬くなったりするんですね。百戦錬磨のピッチャーでも相手の球場で終盤に投げるのは嫌だと思いますよ。
僕もあれだけ長くやらせていただいて、1万回に近い打席をこなしてもやっぱりプレッシャーのかかる場面は嫌でした。ただ、そういう経験をしていますのでそのプレッシャーのかかる場面を想定して練習するようにしていました。ですから、若い選手はこれからそういう高いところでの経験をして、そこで結果を出していくにはどうすればいいか、これからまた勉強、ですね。
広島マツダ石内山田店オープン記念スペシャルイベント
前田智徳トークショー(9月6日)より抜粋
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