広陵・中井監督春夏合計20度目の甲子園采配、松下・内海・真鍋・田上・背戸川内…の左打者で敦賀気比の上加世田を攻略

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2022年03月20日: 編集部

画像は広陵の中井監督

第94回選抜高等学校野球大会第2日（3月20日）

第１試合に登場した中国大会優勝の広陵（広島）が北信越大会優勝で3季連続の甲子園に乗り込んだ敦賀気比（福井）を９対０のスコアで圧倒して2回戦に進んだ。

広陵は24日の第2試合で、大会初日のクラーク国際（北海道）戦に延長10回サヨナラ勝ちした九州国際大付属とベスト８を賭け対戦する。

広島県はもとより全国的に見ても“名将”のひとり、に名を連ねる広陵の中井哲之監督はこの日、指揮官として春夏通算20度目の甲子園。「ピッチャーの方はあまり調子良くなかったのですが、バッティングの方は上がってきていた」というチーム状況の中、打線３巡目の六回の攻撃で勝負を決めた。

エースで四番の上加世田頼希の方は5回までで60球。広陵打線は初回に、三番内海優太と五番田上夏衣の適時打で2点を奪ったあと加点できないでいた。

六回、先頭の二番松下水音が右前打。内海優太は１ボールから第1打席と同じように内角球を、腕を畳んでさばいてみせた。

敦賀気比は長打を警戒して外野が深く守っている。右前打でも無死一、三塁になった。ここから六番まで左打者が続く。

四番真鍋慧は２ボールから球威に押されながらも引っ張らずにレフトへフライを上げ、俊足の松下水音が還ってきた。

福井大会3位から巻き返してきた敦賀気比は上加世田頼希が文字通りの大黒柱。広陵打線との真向勝負で試合の流れを左右する場面になった。

田上夏衣の初球で内海優太が二盗を決めた。中井哲之監督の野球を知り尽くしていれば、ここは必ず走ってくる場面。敦賀気比ナインもそれは分かっていたかもしれない。しかし「甲子園の奮起にのまれて動きが悪かった」（敦賀気比東哲平監督）という状況下で、広陵ベンチの動きにまで気が回らなかったのかもしれない。

田上夏衣の中飛で二死三塁。百戦錬磨の敦賀気比右腕の顔が紅潮し始めた。続く背戸川内晴哉がフルカウントからの四球。”やっと”右打席に、七番川瀬虎太朗。しかしここでバッテリーは二盗を警戒して牽制球を挟む投球になった。すかさずキャプテン川瀬虎太朗の捉えた打球がショート頭上をライナーで抜けてこの回2点目、続く八番大山陽生の右中間を破るゴロはフェンスまで到達。さらに2点が入って広陵のリードは6点に広がった。

六回にも先頭の一番中川将心がスライダーを逆らわずライト線に二塁打。一死から内海優太はここでも初球の内角真っすぐをライト前に弾き返して適時打にした。真鍋慧、田上夏衣も右前打して一死満塁となりかけ、相手のミスを突いてホームを狙った内海優太がたまたまホームでアウトになったが、この回で120球を数えた上加世田頼希にはもう余力はないように見えた。

八回、広陵の攻撃は一死一塁。打席に内海優太というところで敦賀気比は左腕の濱野孝教にスイッチした。ボールカウント３−１から、それまで右の壁ができていた内海優太の“開き”がわずかに早くなって中飛。しかし真鍋慧はセンター返し、田上夏衣は逆方向とこの2連打で二死満塁。ここで阪神西純矢の弟、西凌矢が代打で起用され右打席で三塁線突破の2点打を放ち試合を決めた。前評判の高かった広陵打線は17安打。

広陵先発の森山陽一朗は「初めての甲子園、きょうはボールが上ずっていて…」と言いながらも低目への真っ直ぐに力があり、7回3分の２，96球2安打１四球。敦賀気比打線はどの選手も最初から踏み出す足を軸足の方に引き付けて構えていたが、大山陽生の好リードに導かれて危なげない投球に終始した。

八回途中と九回を投げた松林幸紀も内野安打１本で試運転を終えた。

試合後、中井哲之監督は「ボール自体はそんなに大したことなかったと思うんですが、気持ちと丁寧さが良かったんだろうなと…」と森山陽一朗の投球を振り返り、「素晴らしいコントロールのいいピッチャーがきのう投げていましたので、こんなゲームはできないと思う、センター中心に強気で頑張らせていこうと思います」と2回戦突破に視線を向けた。（ひろスポ！広島スポーツ100年取材班）

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