画像は広陵の中井哲之監督
第95回記念選抜高等学校野球大会第3日(3月20日)
2回戦
広陵5-0二松学舎大付
昨秋の神宮大会準優勝の広陵は6位タイとなる2年連続26度目の出場となったセンバツの初戦で、4季連続出場の二松学舎大付を5対0のスコアで押し切った。
打っては12安打、走っては2盗塁、守っては主将でショートの小林隼翔(3年)のナイスフィールディングが光り、投げては完封リレーだった。
敗れた二松学舎大付の市原勝人監督は「相手のピッチャーがすごく良くて完敗です。チャンスは作るんだけどもチャンスの場面で相手投手にギアを上げられて1本が出なかった」と振り返った。
堂々たる体躯の選手が揃う二松学舎大府にはあの鈴木誠也2世が何人いてもおかしくなさうなほどの強打者揃い、要するにヘビー級…
ポイントに挙げたのは二回、エラーと四球から築いた一死二、三塁の場面。「あそこであと1本出ていれば流れも変わってピッチャーも息を吹き返していたかも…」と悔やんだ。
逆に初回、無安打で1点を先制した広陵はこのピンチをわずか7球で乗り切った。
先発した高尾響(2年)はその後も三回の二死一、二塁、四回の二死二、三塁をクリア!相手が今大会注目の2年生スラッガー片井海斗であろうが180センチ100キロの四番、五十嵐将斗(2年)であろうが只石貫太(2年)のサインにうなづき真っ向勝負した。
広陵打線がヘビー級パンチの応酬で貴重な中押ししたのは五回。
球数が70球を越えた二松学舎大付先発の重川創思を捉え、3本の二塁打とシングル1本の集中砲火。一番田上夏衣(3年)、三番真鍋慧(3年)、四番小林隼翔、五番只石貫太が快音を響かせながらフェアゾーンに弾き返して3者連続タイムリーで3点追加。
この時、おそらく二松学舎付バッテリーは事前打ち合わせ通りに投げていたはずだ。内角への力のある球で勝負!そこを見透かしたかのように若いカウントから見事にさばきまくるのが今の広陵打線。
その中で「超高校級」の真鍋慧はつなぎに徹する逆方向への左前打。これをやられると相手ベンチも手の打ちようがないだろう。(真鍋はこの日、5打席4打数3安打1四球で打点1+1失策)
その裏、五回のマウンドでも一死二塁から片井海斗をインロー真っすぐで見逃し三振に、五十嵐将斗をインスラで三ゴロに仕留めた高尾響はさらに粘りのピッチング。
六回の無死一塁、七回の二死二塁、八回の二死一塁も抑えて、二松学舎大付はついに10残塁となった。
昨秋の公式戦をことごとく継投で制してきた広陵は八回の加点で5点リードの九回、10番の大内啓輔(2年)を投入。結果は1四球無安打投球だった。
広陵はこれで大会通算40勝。1990年から指揮を執る中井哲之監督にとっては春夏通じて35勝目。「(打つ方は)本人たちに任せていたので、甘い球は思い切り行けと。特に左バッターにインコースを攻められていたんですけど、構わず思い切っていけとそういう形でした」と“あってないような”手の内を明かしたのであった。(ひろスポ!広島スポーツ100年取材班&田辺一球)