画像はガッツ溢れる投球が身上の九里
9月22日、午前のマツダスタジアムでは広島の移動前全体練習があった。コンディション不良だった秋山と菊池が合流したのはプラス材料だ。午後からチームは今季ビジターラストとなる巨人戦に備えて都内に入った。
2位のままクライマックス・シリーズ進出を狙う広島は残り6試合。下位チームに対して有利な立場にあることは変わらない。しかしここからは1試合の勝ち負けの重さがまるで違ってくる。バラエティスポーツ番組でよくある「ここからは点数が10倍ゲーム」みたいなものだ。
現実を直視するなら新井監督のレギュラーシーズンフィニッシュ予想は3勝3敗。9月は6勝11敗でも本拠地では4勝4敗だからだ。勝率・646のホームゲームにあっても、現状では五分五分か…
開幕前には何も見えなかったはずなのに、143試合の長丁場の大詰めで痺れるようなステージが待っている。それはファンにとっても、当事者らにとっても幸せなこと、だ。
背後に1差でつけるDeNAが残り9試合5勝4敗なら広島は3勝3敗で上回ることができる。それだと4位巨人は残り8戦全勝でも2位には届かない計算だ。
また巨人はDeNAが5勝4敗なら全勝でもAクラスに届かない。だからあす死に物狂いで来るだろう。
広島の最近12試合の内容を見ていく。12試合としたのは逆転優勝への可能性が残っていた甲子園3連戦直前を起点に考察する方が現実的だからだ。その間3勝9敗。
9月7日のDeNA戦(マツダスタジアム)。先発した遠藤の出来は散々で、それを織り込み済みとしてもなお、東から1点しか奪えず完投勝ちを許したことが今になって悔やまれる。
そこから広島は6連敗となった。8日からの阪神戦では3連勝を狙っていたが真逆の3連敗に終わった。しかもスコアは1―4、1-5、1―5。打線がまったく奮わない中、床田、森下、九里に土がついた。
床田は15日の阪神戦(マツダスタジアム)でも6回4失点で降板。優勝ビールかけ翌日の虎打線につかまり、翌16日出場登録抹消となった。
森下は16日の阪神戦(同)で初回に3点を失うなど五回途中7失点で負け投手になった。
よって23日の東京ドームでの巨人戦(巨人の予告先発は菅野)は相当、難しい投球になるだろう。まずは立ち上がり。そして一発警戒…
九里は17日の中日戦(バンテリンドームナゴヤ)で7回4安打無失点。最近の11試合チーム3勝の中ではただひとりの先発勝利投手だ。
この試合のスコアは3-1で、残る2勝のスコアはいずれも6-5(遠藤が先発した9月14日ヤクルト戦と前出の床田先発ゲーム)で先発が試合を作れていない。
要するに直近の12試合で勝ちにつながる試合を作ったのは九里の一度だけ。先制したのも4試合だけで、打線の低調ぶりが先発陣に必要以上の重圧をかけている状況がうかがえる。
広島が現在でも貯金9を持てているのは、先発が最少失点で試合を作り、打撃陣が効果的なカウンターを繰り出してきたから。相次ぐ主力の離脱によって得点力が低下する中、上本も巨人戦から一軍に合流するのはプラス材料だが、新井監督は果たして残り6戦でどんな打線を組むのか?
なお「貯金9」は球宴前、折り返し地点のそれといっしょ。後半戦は勝率5割がいっぱい、いっぱい?という落ちになる?「いや、そうじゃない!」という声があることは十分理解した上で、もちろん連戦連勝を期待しながら現実的な数字を並べておく。(ひろスポ!取材班&田辺一球)