画像はスタジアム目の前の大州通りが大渋滞を起こしている8日午後1時ごろ、広島-DeNA戦の開門に向け準備する担当者
喉元過ぎれば…では困る。国民の生命、財産を守るべき組織は特にそうだ。東京五輪に無秩序、向こう見ず、無観客の3ム主義で突っ走る今の行政府はまさにそこを試されている。
広島県においては気候の激変による大雨災害への対処法がこの時期、必ず問題になる。7月6日には3年前の西日本豪雨災害を受け、気持ちを新たにしたばかり。ところがその2日後の8日にまたしても県内各地で豪雨による大きな被害が出た。
その中のひとつ、安芸郡海田町の国道2号線アンダーパス水没の事例では、危うくまた尊い人命が失われるところだった。車1台が水の底に沈んだ。水面は車両の高さの3倍、4倍に達した。それにも関わらす誰も責任を取ろうとしないし、反省の色も見せていないようだ。
7月10日付の中国新聞に「海田のアンダーパス」で8日の冠水時に注意喚起の電工掲示板が作動しなかった件について、国土交通省広島国道事務所の「掲示板に不具合はあったが通行止めの方法に問題はなかった」の見解が掲載されていた。
朝7時から夕方までアンダーパス封鎖によって「大州通り」と周辺道路は大渋滞。緊急車両通行もバスの定時運行も妨げておいて「問題はなかった」はありえない。過去、幾度となく水没したアンダーパスの雨水を汲み上げるポンプが機能していなかったではないか。こんな調子だと、いつか必ず同じ場所で死者が出る。
8日、水没した国道2号線アンダーパスの水を汲み上げる関係者、水位は水色の鉄柵の上まで達した
大州通りに面したマツダスタジアムも大雨のたびにその運営手法が問題になる。「カープムラ」社会ゆえ、広島では中国新聞も他のマスメディアもそこには決して触れようとしない。そのせいで、これまでもマツダスタジアムにまつわる大混乱が生じてきた。
例えば、5万ともそれ以上とも思われるファンが「抽選券」を求めて殺到して広島都市圏のJRや高速道路網を大混乱に陥れたことがあった。近いところで言えば、5月末から6月にかけて、緊急事態宣言下におけるマツダスタジアム公式戦の払い戻しを求めるファンに対する徹底した情報の非公開が挙げられる。ネット上では大騒ぎになり、ひろスポ!に広島球団に対する要望、苦情が多く寄せられた。それは他のメディアも一緒で、それをオープンにするかしないか、の違いだけだろう。
今回、ひろスポ!に寄せられた「声」はある意味、驚くべき内容になっている。
8日の大雨によって広島県内ではJR在来線、新幹線、高速バス、高速道路、自動車専用道の運休、通行止めが午後6時、要するにマツダスタジアムでのナイトゲーム開始時になっても解除されない中、それでも広島-DeNA戦を強行した広島球団に対して、直接、球団担当者にその姿勢を問うたそのやりとりがひろスタ特命取材班に届いた。
球団代表番号への電話は8日午後4時頃。自動音声の案内の3を選択して出てきた担当者と話をしたのだという。
実は別のファンから「午後1時ごろ、高速バスが運休して観にいけないのでキャンセルできるかと電話で問い合わせたら公共交通機関は払い戻し対象にはならないとはっきり断わられました」のメールがひろスポ!には届いている。
その内容と今回紹介する球団側の説明は完全に矛盾する。
広島球団のチケットに関する数多くの問題ではだいたい似たような話になる。まさに喉元過ぎれば…で場当たり的な対応が繰り返される。
それにしても「ハッキリ言って12球団サイテーです。」→「そうですねぇ。」→「そうですねぇ、じゃないでしょ。あなた、どう思っているの?」→「私もそう思います。」→「12球団サイテーとそう思ってる!?」→「そうですね。」
…のやりとりは、分かっていたことではあるが暗澹たる気持ちにさせられる。
これは「市民球団」を掲げる組織の最前線の話、である。
ひろスポ!に届いたファンと球団担当者やりとりなどメール内容をそのまま転載
「JRがとまっているけど今日の試合は予定どおりやるんですか?」
「雲行きとか見てますが行う予定です。」
「雲行きとかじゃなくて朝から市内に向かうJRが終日運休だって分かっているのに試合をやるんですか?」
「広電やバスは動いてますので。」
「JRじゃないと行けない人だってたくさんいるでしょ? そういう人たちのことは考慮しないんですか? 今日に限らず今までも苦情とか沢山きてるでしょう?」
「そうですね、何十件とかいただいてます。」
「何十件? 今まで含めたら何百件じゃないんですか? JRが動いてないから球場に行けない人のチケット代はどうなるんですか? 払い戻しされるんですか?」
「それについては、今、検討中です。」
「はぁ? 今ですか? もう午後4時ですよ?試合開始まで2時間でまだ検討中? 市内の会社じゃ警報が2つ重なると、出勤見合わせするところだってあるんですよ。3年前に大水害があったというのに何も変わらない。改善しようとしない。社長の意向ですか?」
「社長の意向は私は分かりません。」
「社長の意向が分からない? そうですか。だったら、あなた方、職員はどう考えているんですか?」
「検討はしていますが、いろいろ難しいことがあり、対応できていません。」
「そんなの検討じゃなくて、できない理由を探しているようにしか聞こえません。世の中じゃそれは検討とは言いません。試合中止のことだけじゃなくってカープのファンや観客に対する対応はひどい。スタジアム施設だって社長の趣味でカバ広場なんかつくってるけど、雨の日にチケットの確認の時に雨除けもないところでお客に傘をたたませるなんてやっているとこ、他の球場で見たことない。チケットの販売方法だってそう。カープはファンや観客のための改善をやろうとしない。ハッキリ言って12球団サイテーです。」
「そうですねぇ。」
「そうですねぇ、じゃないでしょ。あなた、どう思っているの?」
「私もそう思います。」
「12球団サイテーとそう思ってる!?」
「そうですね。」
「そんな職場でプライド持って働けるんですか? そんなことでいいの? 経営が怪しい時には「市民球団」とか泣きついて、市民の理解のおかげで公費使って新球場できて、そのおかげで潤ってきたら球団本位で好き勝手して。こんなこと続けてたらカープはそのうち潰れますよ。幸い、新井や黒田のおかげで優勝して広島でもプロ野球球団の経営が成り立つって広く知らしめることができたから、カープ球団を運営するっていう企業や人はいると思います。別に松田さんじゃなくていいんですよ、カープが広島にあるなら。その時、あなたら、どうなるか分かりませんよ。」
「そうですね。」
「…。まあ、あなたの形式的というか感情のこもらない話っぷりからもカープ球団の姿勢というものがよく分かりました。貴重な時間をありがとうございました。」
会話の内容は大体こんな感じでした。
“丁寧な口調で相手を怒らせないように。でも、話の内容は受け流す。”っていう対応でした。
落ち着いたトーンでハキハキといえばハキハキでした。
12球団サイテーに対してフツーの口調でシレッと「そう思います。」と言ってのけたのには唖然というかぶったまげした。
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以上、ひろスタ特命取材班
※さらに詳しい情報は、2000年10月よりカープをウオッチングし続けている(一日も休まず更新中)携帯サイト「田辺一球広島魂」で。
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