画像はサンフレッチェ広島レジーナの練習風景から祝福のシャワー?
WEリーグカップ決勝(2023年10月14日、等々力陸上競技場)
等々力陸上競技場に6,251人の観衆を集め、BSテレビ東京が生中継した決勝は、ともに初タイトルに挑むサンフレッチェ広島レジーナとアルビレックス新潟レディースのサポーターに素晴らしい熱戦を提供した。
試合は90分では勝負がつかず、0―0のまま前後半15分の延長へ。
延長前半アディショナルタイム、この試合で最も注目された新潟FW川澄奈穂美の後方からのふわりとしたパスに反応したFW道上彩花に対して、広島ディフェンス陣は3人がかりで止めにかかったが、決定的なシュートが枠内へ…
その弾道に変えたのがGK木稲瑠那。長身からのリフティングで何とか指先に当てたボールはバー直撃…
道上彩花はグループリーグ4得点で得点ランキング1位。その攻撃を何度も跳ね返していた広島だったが、一方ではグループリーグ最多タイ10得点の攻撃力、イコール「女王の翼可変システム」(ひろスポ!命名)では惜しいシーンは作るものの決定的な一撃を放つことはできず…120分間でのシュート数は広島が14本、新潟が8本、CKは逆に新潟10本、広島6本でも0-0のまま、カップ戦女王を決める戦いはとうとうPK戦に突入した。
広島は髙橋美夕紀、上野真実、柳瀬楓菜、立花葉と4人連続で成功。新潟は3人目が枠外、4人目がクロスバー直撃。
その瞬間、広島がその名の通り、初の女王タイトルを手にした。ゼロから立ち上げたチームの初代メンバーが初めて合同練習したのは2021年2月15日。そこから数えて2年8か月という短期間で、撒いた種が少しずつ育ち最初の花をつけたことになる。
サンフレッチェ広島レジーナのみ先発、交代、サブメンバー
GK
木稲瑠那
DF
近賀ゆかり→藤生菜摘(64分)
左山桃子→呉屋絵理子(91分)
市瀬千里
島袋奈美恵
MF
渡邊真衣→上野真実(85分)
小川愛
柳瀬楓菜
松本茉奈加→立花葉(85分)
中嶋淑乃→吉野真央(119分)
FW
髙橋美夕紀
サブメンバー
福元美穂
大内梨央
試合後の中村伸監督インタビュー
-初タイトルです
中村 はい、まずはきょうもスタジアムに多くのサンフレッチェファミリーの方が多く足を運んで選手の背中を押してくれた、それが最後の最後ああいう形で勝ちを手繰り寄せることができた、今までもそういうゲームはたくさんありましたけど、きょうもよりそういうエネルギーを与えてくれたことが一番大きかったかなと思っています。
-PKにもつれこむ大混戦、どんな気持ちで試合を見ていましたか
中村 はい、新潟さんも集中力を切らさず、どっちも気が抜けない、素晴らしい試合だったんじゃないかなと思っています。ワールドカップ、アジア大会、女子サッカーの自分たちの力を示してくれて、その流れ、勢いを止めないゲームをしようとそういう思いでゲームに挑んだのでほんとに選手がよくやってくれたと思います。
-監督のおっしゃっていた積み上げてきたものがひとつ実を結びました、次の目標は?
中村 レジーナのスタンスとして次の試合、目の前の試合を全力で戦うと、そのために日頃のゲームに向かうトレーニングを全力でこなせる状況を作ろうと、そういう状況をきょう試合に出たメンバー、メンバー外もいます、アカデミースタッフもサポートしてくれてほんとにいいトレーニングを積み重ねながらここまでこれてるんで、そのスタンスを変えずに、これからもひとつずつ自分たちが成長するために、向き合ってやっていきたいと思います。
-では最後に広島サポーターにメッセージを…
中村 いつも熱い応援ありがとうございます(ここまでは普通)、みなさんと一緒に共闘※できたことほんとに嬉しく思っていますし、その共闘してくれたおかげで…(ここまで徐々にハイトーンできて最後に…)てっぺん取ったぞー!(絶叫)ありがとうございました。
※サンフレッチェ広島レジーナは1年目にスローガン「共感」を掲げてクラブとしてチームとしての基盤を築き、2年目は「共鳴」として「共感」の輪を広げ、3年目となる今シーズンは「共感」×「共鳴」で培ってきた広島のプロチームとしての自信と誇りを胸に「勝利」という喜びを地域とともにシェアするというより積極姿勢を「共闘」スローガンに込めている。
公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ、髙田春奈チェアコメント
サンフレッチェ広島レジーナの皆様、2023-24 WEリーグカップの優勝、誠におめでとうございます。WEリーグが開幕して3シーズン目の幕開けとなるこの大会で、初タイトルを獲得されましたこと、選手、監督、スタッフをはじめ、ファン・サポーター、クラブに関わる全ての方々に心よりお祝い申し上げます。
サンフレッチェ広島はJクラブとしてはJリーグ開幕時からその歴史を共に歩んできたクラブであり、多くのタイトルを手にされてきていますが、女子チームとなるレジーナは、WEリーグの設立とともにチームを創部、1から積み上げてきた新しいチームです。その2年強の間にチーム力をコツコツ強化し、このような結果に結び付けられましたのは、クラブ、チームのスタッフの皆様の日々の努力、ベテランから若手まで結果を信じて力を合わせてきた選手の皆さんのチームワーク、さらには歴史の中で積み上げられた広島の地域の皆様の後押しの賜物だと思います。今年のWEリーグカップ予選では、4勝1分けの負けなしで競合を破って早々と決勝進出を決められ、決勝に向けてしっかりと準備を進めてこられました。
日々発展を遂げている昨今の世界の女子サッカーの中で、日本の女子サッカーもこれまでの歴史を大切にしながら、さらなる進化をしていかねばなりません。今回のWEリーグカップ決勝では、優勝されたサンフレッチェ広島レジーナ以外にも、決勝に進出されましたアルビレックス新潟レディースや、今シーズンから参入して好成績をおさめたセレッソ大阪ヤンマーレディース、若い女性指揮官の元新しいサッカーを見せてくれている大宮アルディージャVENTUS、さらにはこれまでのWEリーグのタイトルを獲得してきたチームも含め、すべてのチームが拮抗した試合展開を繰り広げ、新たなWEリーグの始まりを感じさせてくれました。11月に開幕しますリーグ戦に向けて、各チームがさらにしのぎを削り、皆様に女子サッカーのワクワクをお届けできるよう、WEリーグにかかわるすべての人が一丸となって準備を進めてまいりたいと思います。
今後とも引き続き、WEリーグへのご注目、ご声援のほど、よろしくお願いいたします。
公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ
チェア 髙田春奈