画像はエディオンピースウイング広島側から目の前に広がる「ひろしまスタジアムパーク」
8月1日に開業した「ひろしまスタジアムパーク」現地を見て歩く特集第2弾!
エディオンピースウイング広島×ひろしまスタジアムパーク×基町アパート群=平和の軸線=広島っ子の笑顔と未来への懸け橋 | 【ひろスポ!】広島スポーツニュースメディア (hirospo.com)
上記記事を8月1日にアップした。エディオンピースウイング広島の東隣に「ひろしまスタジアムパーク」が設置された意味や意義を、広島県民、サポーター、インバウンドのみんさんに、よく理解してもらう必要があるからだ。エディオンピースウイング広島の指定管理者であるサンフレッチェ広島も、”なぜ、そこに平和の翼、ピースウイングなのか?」を広く知ってもらうために、様々なプランを立て実践している。
8月1日にドイツ1部のVfBシュトゥットガルトと同スタジアムで「ピースマッチ」を開催したのもその一貫だ。スタジアム内外は平和をイメージした緑でライトアップされ、両チーム選手は背番号「86」のユニホームで入場した。「ピースマッチ」は2018年からJ1リーグ戦の中でJクラブとの対戦カードで実施されてきた。国際親善マッチとしての開催は今回が初めてとなった。
ピースマッチ、サンフレッチェ広島vsVfBシュトゥットガルト、ハーフタイムイベントも緑の演出の中、行われた
「ひろしまスタジアムパーク」が開設された一帯は、戦後復興を歩む中、隣接する基町アパート住民のみなさんや、広島市民らにとって他にはない貴重な空間となっていた。春は花見、夏はバーベキューパーティ、秋はサッカーなど少年少女スポーツ。そのほかフリマや植木市などでも賑わった。要するに「ひろしまスタジアムパーク」を誕生させる必然性は存在してはいなかった。
「サッカー専用スタジアム」の必要性が盛んに論議されていたころ、サンフレサポーターや広島市民の多くは旧広島市民球場跡地を建設地とすることを望んでいた。もしも、そうなっていれば「ひろしまスタジアムパーク」も「ひろしまゲートパーク」もなかったことになる。
「本川沿いにバーベキューガーデンがあるんです。でも以前は、このあたりにたくさん木陰やせせらぎもあって、そこらでバーベキューパーティーやってましたから…」
「ひろしまスタジアムパーク」をさっそく訪れた基町アパート住民のひとりが、芝生ひろばを眺めながらそう話してくれた。そんな声を、ひとつひとつていねいに拾っていく必要がある。木陰やせせらぎは、伐採や埋没工事によって、今はもう存在しない。
8月2日付の中国新聞には「NTT都市開発中国支店 中村高士支店長に聞く」「試合後BBQや憩いの場 平和公園との回遊も」の見出しで「スタジアムパーク開業」記事が掲載された。取材する側もされる側も、ヒロシマにとってかけがえのない空間を「スタジアムパーク」化した仕掛け人側だ。当然ながらこの記事内に書かれた内容は未来志向型で「にぎわい」の創出に自信ものぞかせている。
では、ほぼ同じ経過をたどって旧広島市民球場跡地に開設された「ひろしまゲートパーク」に平日、たくさんの来訪者があるか、といえば決してそうではない。投資する分を回収するのすら、なかなか大変そうに見える。「ひろしまゲートパーク」とつながる地下街シャレオは空き店舗だらけのシャッター街化して久しいが、誰も責任を取ろうとしていない。”シャレオ病”が予想通り「ひろしまゲートパーク」にも伝染してはいないか?
かつてカープ本拠地の土のグラウンドがあった「ひろしまゲートパーク」足元は無機質なコンクリで固められてしまったが、「ひろしまスタジアムパーク」は足元が幸いにして天然芝。そこに両者の大きな違いである。でもそれ以外、パーク作りのコンセプトは似たり寄ったり…もちろんテナントの数や種類は違うのだけれども…
芝生ひろば北側トイレ施設はゆとりをもった設計になっている
画像奥、左がパークオフィス、オフィス倉庫、パークスタジオ、右がトイレ施設
パークスタジオでは「写真展 復興する街区」(広島市営アパート17号館内で8月31日まで開催)に合わせて写真展示が行われているが、4日までとなっている。なんで、そんなに短い?
ひろしまスタジアムパーク平面図
ひろスポ!取材班は「PARK OFFICE」と記された辺りからパーク内に入り、「遊具」と記されたあたりから店舗番号の大きな方から小さな方へ進んだ
飲食スポット
遊具は残念ながら福山市にあるエフピコアリーナふくやまのそれと比べると遥かに小規模
賑わう飲食施設
お祭り気分も満喫、これが一番うれしいかも?
芝生ひろばとエディオンピースウイング広島
オープン初日、8月1日の「ひろしまスタジアムパーク」は、VfBシュトゥットガルト戦も開催されたため大変な賑わいとなっていた。大半の来場者は広島グリーンアリーナのある南側か、もしくは広島城側(東側)からアクセスしていた。
ひろスポ!取材班は、戦前戦後の”基町の特殊性”を踏まえて、基町アパート地区内「基町プロジェクト活動拠点地」で開催が始まった「写真展 復興する街区」を見学(この記事冒頭の関連記事参照)のち、基町アパート側からパーク内に入った。そこから左に折れて(東向き)に進むと、すぐにパークオフィスがある。
ひろしまスタジアムパークでは、芝生ひろばを販売・出店行為、業としての撮影行為、興行の開催、競技会や展示会、集会などの催しのために公園の全部または一部を独占して使用する場合には受付事務局への使用申し込みと許可が必要になる。ケースバイケースではあるが、使用料もカチッと決められている。
天然芝がひろがる芝生ひろばには給排水・電気設備も整備されており、申込みフォームから申請後、事務局より使用可能可否等詳細が返される仕組みだ。この構造は「ひろしまゲートパーク」と一緒。広島城跡・ファミリープール・広島グリーンアリーナなど県立体育館施設や「ひろしまゲートパーク」「ひろしまスタジアムパーク」などが点在する約43ヘクタールの「広島市中央公園」における「エリアマネジメント協議会」事務局も、やはり中国新聞社内にある。
よって「ひろしまスタジアムパーク」公園施設使用に関する相談も、中国新聞が受け付ける。問い合わせ電話番号は082・299・6601。
パークオフィスすぐに東隣にあるトイレ施設は公園来場者のニーズを想定した充実したものになっていた。そこからパーク内を外周に沿って進んでくと視線の先に広島城が確認できる。そしてカフェなどの飲食店舗や遊具などのそばを抜けてエディオンピースウイング広島へと一周すれば、新たな風景を楽しむことができる。
THE BBQ GARDEN HIROSHIMAの2階部分
THE BBQ GARDEN HIROSHIMA隣接のBESIDE HIROSHIMA by UTSUWA
BESIDE HIROSHIMA by UTSUWA施設内、スタッフは東京から応援に駆け付けた
SUP体験募集チラシ
前出のバーベキューガーデンは、芝生ひろばからだと、エディオンピースウイング広島の向こう側、本川沿いに「水辺ひろば」隣接地にもある。2階建て施設で1階はレンタルエリア、2階がバーベキューエリア・テラスエリア。「THE BBQ GARDEN HIROSHIMA」利用料金は曜日などによって異なる。問い合わせ電話番号は080・4894・2411。
このバーベキューガーデンそばには、ウォーターアクティビティの「BESIDE HIROSHIMA by UTSUWA」がある。スタンドアップパドルボード(SUP)の貸し出しや「おためし体験」などが行われる。
6本の川が流れる広島市街地。その中の1本、本川から元安川への流れはエディオンピースウイング広島と原爆ドームとを結んでいる。エディオンピースウイング広島の存在意義からすれば、これほど意義深いウォータースポーツ拠点はないだろう。川の街ひろしまの今後の指標にも成り得る。3日、4日には「ひろしまスタジアムパークフェスタ」が園内全域で開催されており、SUP体験も4日まで特別割引料金(1時間1500円)でトライできる。空きがあれば予約なしで体験可。問い合わせ電話番号は082・846・5710(ひろスポ!広島スポーツ100年取材班&田辺一球)
※この項つづく