画像は1月28日付、広島売りのスポニチとスポーツ報知一面
ひろスポ!は長らく現場を取材してきた。当り前だが権力者側はなかなか本当のことは言わない。例えばプロスポーツの監督は明らかに自軍の戦力が劣っていても「優勝」をマイクの前で掲げる。市長、県知事のイスに座る人たちも、よく人々をミスリードしようとす。でも、中にはいかなる時も飾らず、本音で生きる指揮官もいる。森保一監督はその代表格だろう。カタールW杯の前、個室で“ふたりきりで”30分近く話を聞く機会があった。「日本人の良さ」と「ドイツ、スペイン戦での戦い方」についてシンプルに語っていた。結果、見事その通りになった。
何百回、何前回とインタビュー、会見を見てきたから、マイクを前にした人たち(ぶら下がり取材ではマイクはないが…)の言葉が上滑りかそうでないかは、即座に分かる。1月27日から28日にかけてお台場であったフジテレビ会見では冒頭、会見前に引責退任が発表された港浩一前社長が視線を落としながら話をした。それは、誰かの手を借りて紙に書かれた謝罪文をただ読んだに過ぎない。その瞬間、会見が荒れまくり、何の進展もないただのポーズに終わることはもう見えていた。
中居正広さんとフジテレビの今回の事件(実際、会見中には経営陣も“事件”と語っていた、ひろスポ!ではずっと前から“事件”化している)の今回にあるのは、中居正広さんとフジテレビ経営陣・関係者の人権軽視の思考回路にある。
フジテレビ会見(表向きの)出席者(舞台ウラに日枝久相談役)
港浩一前社長
嘉納修治前会長
遠藤龍之介副会長
金光治フジ・メディアホールディングス社長
清水賢治新社長
司会は執行役員広報局長・上野陽一氏(たぶん日枝久相談役のコントロール下のひとり)
その特殊な思考回路を植え付けてきたのが日枝久相談役、という図式になる。スポニチは1月27日の紙面で、23日に港浩一、嘉納修治、遠藤龍之介の3氏が日枝久代表に辞意を伝えたところ「こんなことで負けるのか、お前たちは!」などと一喝した、との話を紹介した。「こんな人たちに私たちは負ける訳にはいかないんです」と声を上げ、結果的には帰らぬ人となった安倍晋三氏とスタンスは一緒?SNS上には安倍晋三氏、岸田文雄前首相、森喜朗元首相と並んで座る日枝久相談役の写真が拡散されている。
取材や報道する側でありながら自分たちの言葉で語ろうとしない、イコール真実ではなく虚構の世界の殻に籠ろうとする者たちは、決して視聴者、スポンサー、社員以下制作現場の人々の信頼を得ることはできない。故に今のフジテレビに明るい未来などあっていいはずもない。
このフジテレビ会見は1月28日付の各紙一面扱いとなった。その中で、スポニチのヘッドラインがやはりこの事件の本質を射抜いていた。
<日枝院政>の大見出しに、<グループの“接待権力者”姿見せず進退も明言せず>の小見出し。
要するにトイレ休憩を挟み10時間以上、延々とカメラの前にいたフジテレビ新旧経営陣はただの操り人形。局舎内のどこかで、この5人を“監視”していた日枝久相談役という本丸を落とさない限り、被害女性の人権は回復できないし、編成A氏も中居正広さんも永遠にマイクの前に姿を見せず、真実に背を向けることになる。
このままでは日枝院政はあと10年は続くだろう。まさに独裁者。「ひょうきん懺悔室」で自身が頭から水をかぶった昭和のあの時代(今の若い人はネットで調べて!)から、日枝思考回路は大きくは更新されていない。だから編成A氏やジャニーズ時代からのパイプが太すぎる(イコール視聴率が取れる)中居正広さんを守ろうとする?けっきょく本当の冷や水を浴びせない限り、フジの裾野を焼き尽くしたあとの種火は長らく燻り続けることになる。(ひろスポ!メディアラボ&田辺一球)
ひろスポ!関連記事
フジテレビ機能全面停止する日…たった1字で大違い!会見から逃げた日枝久相談役「楽しくなければテレビじゃない」じゃなくて「正しくなければテレビじゃない」が正解だった | 【ひろスポ!】広島スポーツニュースメディア
(2025年12月27日掲載)
次回は、記録に止めたい、怒号飛び交う会見での言葉をピックアップする。