画像は、巨人に連勝したベンチ前、新井貴浩監督(左下)の表情
5月14日 〇3-0巨人(マツダスタジアム)
巨人 000 000 000・0
広島 010 001 01X ・3
広島通算36試合18勝16敗1分け(2位変わらず、首位阪神まで1・5差)
18時開始・3時間1分、25,169人
相手先発 ●井上温大6回6安打2失点
広島本塁打 -
巨人本塁打 -
広島スタメン
一番センター中村奨成
二番セカンド菊池涼介
三番レフトファビアン
四番ライト末包昇大
五番キャッチャー坂倉将吾
六番サード小園海斗
七番ファーストモンテロ
八番ショート矢野雅哉
九番ピッチャー大瀬良大地〇(7試合2勝2敗)7回106球5安打無失点
H栗林良吏
Sハーン(13試合1敗1S)
巨人を本拠地で2つ叩いた広島は貯金3。試合のなかった首位阪神まで1・5差とした。4月には最大貯金5だったが、29日からの東京ドーム3連敗など7連敗で借金生活に突入。そこから7勝2敗と盛り返してきた。あす15日も勝ってドームでの借りを返したいところ。
広島の好調の要因はいくつかある。それを探るために、この日の3対0、完封勝ちゲームに重ねてみる。
まず投手陣。7連敗中の総失点は20で1試合平均2・9点だった。直近9試合は2・4点。大差はない。
7連敗中でも先発陣の合計失点は13で1試合平均1・9点。試合を壊してはいない。そのあたりの”感触”は、2勝目を手にした試合後の大瀬良大地のコメントからもうかがえる。
「最低限、ゲームを作れてきてたんですけど、やっぱりゼロで終わることが一番なので、ほっと一安心という気持ちはこれまでより大きいです」
連敗の最中、4月30日の巨人戦(東京ドーム)に先発した大瀬良大地は、6回2安打2失点で負け投手になった。チームの貯金が底を突いた日だ。五回までゼロを並べていたのに六回、吉川尚輝と甲斐拓也に四球を与え、増田陸に2点タイムリーを許しそれが決勝点になった。
お立ち台の大瀬良大地はこうも言った。
「フォアボールからの失点が多かったんで、(初回先頭の泉口友汰に3ボールにして)いきなりかと思ったんですけど、出すつもりはなかったんで…」
7回5安打無四球でお役御免となり、巨人に前回の借りを返したことになる。
5月1日からスタメンマスクをかぶり続ける(途中交代もなし)坂倉将吾の存在が大きいのは言うまでもない。
先発陣同様、ブルペン陣の顔ぶれもまた連敗中も現在もいっしょ。だが、首脳陣はその起用法を微妙に”使い分け”てきた。で、この日はとうとう2点リードの八回に栗林良吏、九回は3点リードでハーンという勝ちパターンにトライ、それぞれにホールドとセーブがつく結果となった。吉川尚輝、キャベッジの三、四番と当たる九回に、快速球左腕をぶつけたところがミソだった。
ただ、いきなり増田陸、吉川尚輝に連続四球を与えたハーンは、前夜同点2ランを打たれたキャベッジを迎えて後がなくなった。たまたま初球に向こうが手を出してくれて6・4・3の併殺打…で何とかタスク完結(今季初セーブ)…
首脳陣のトライアンドエラーは、打線のテコ入れにおいても奏功した。7連敗中は新井-藤井のツートップも打撃コーチ陣も”これだ”というモノがつかめず、下位打線と一、二番が日替わりになった。
そこでまず中村奨成-菊池涼介の一、二番の固定化に着手、同時に5月1日からスタメンに復帰した坂倉将吾がこの日まで11試合連続でスタメンマスクをかぶり、開幕前の想定通り五番をがっちりと固めた。それに伴ってファビアンが三番にフィックスされ、打撃低調モードだった小園海斗がファビアンのいた六番に下がった。
仕上げ?が前夜サヨナラ打の「七番モンテロ」。そのモンテロの開幕第3戦離脱により、ベンチウォーマー?から四番に返り咲いた末包昇大は、得点圏打率5割に迫り、打率・299もリーグ第6位。30打点はトップの佐藤輝明(33打点)に迫りシーズン換算で120打点レベル。相手バッテリーにとっては脅威の存在で、この日は4打席で3四球を選び、六回と八回の出塁は貴重な中押し、ダメ押し点につながった。
六回に巨人先発の井上温大から適時二塁打を放ち大瀬良大地を援護したファビアンはこの日、4の2。12試合連続安打で打率は・329まで上昇して試合のなかった森下翔太(阪神)を抜きトップに浮上した。まさにファビアン・トレビア~ン状態だ。(注・ひろスポ!造語、モンテロと同時に活躍した場合はモンビア~ン)
17打数7安打、打率・412というすさまじい打率成功率を誇る野間峻祥の存在も大きい。13日からは戦列復帰の秋山翔吾も暫定的に代打陣に加わった。
まとめると、7連敗中に1試合平均で1・4得点止まりだった広島の攻撃力はここ9試合では4・2得点にまで跳ね上がり、チーム打率・254もリーグトップ。チーム防御率2・39も阪神に次いでおり、数字の上では首位の阪神とほぼ互角。
5月14日(シーズン1/4消化)時点での阪神と広島の数字
阪神20勝14敗2分け 打率・247 本塁打22 防御率2・29 得点128 失点92
広島19勝16敗1分け 打率・254 本塁打17 防御率2・39 得点124 失点97
広島にとっての当面の不安材料は、マツダスタジアムでは13勝4敗、勝率・765と無敵なのに、ビジターは6勝12敗1分けと弱すぎること。ただ4月の甲子園遠征では森下暢仁、床田寛樹らを立てて2勝1敗と勝ち越した。週末からの適地での直接対決が見ものである。(ひろスポ!取材班&田辺一球)
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