コカ・コーラウエスト レッドスパークス前監督で日本代表チームの前監督も務めた柳承辰氏が”日本代表監督に復帰”した。
日本スポーツ仲裁機構(JSAA)は5月7日、日本ホッケー協会から不当に解任されたとの申立てを行っていた柳承辰氏について「解任取り消し」の裁定を下した。
仲裁は、仲裁法に基づいた裁判と同じもので、裁判官でなくお互いが選ぶ仲裁人による最終判断がなされる。仲裁判断は裁判の判決と同じ法的効力を持つ。
日本ホッケー協会はすでに永井祐司氏を後任の代表監督に招いており、代表監督がふたり、という異例の事態になった。
柳氏は広島市内で3月5日、会見を開き日本ホッケー協会が「仲裁を申し立てる資格は柳氏にない」としたことなどを発表。
柳氏は、「もし監督解任取り消しが認められても、現状の体制があるなかで、代表監督復帰が事実上できるわけではない」ことを認めつつ「私のようなことが2度と起こらないように、日本ホッケーの未来のためにも立ち上がった」と申し立てへの思いを語り 事実を明らかにして、国内スポーツ界の正常化を願っていることを強調していた。
こうした経緯からも明らかなように今回の一連の日本ホッケー協会の動きは日本のスポーツ団体の悪しき慣習にのっとった”内輪だけの理論”や”新旧派閥争い”によって生じた不合理な「監督交代劇」であることが白日の下にさらされることになった。
柳氏の監督解任理由は表向き、昨秋の仁川アジア競技大会 成績不振(4位)であった。しかしそのタイミングを待って、本来の日本協会理事会ではなく幹部理事会でさっさと解任を決めたことがJSAAによってNO!とされた。
新リーグのスタートに向け「サッカー界の力」を借りる以外に自浄作用のなかった日本バスケットボール協会の問題もしかり。国際的な競技力で大きく遅れをとっているにも関わらず既得権にしがみつき、内紛を繰り返す旧態依然としたスポーツ団体の体質は競技者やファンの期待を裏切りながら、小手先の改革だけで「対応」を繰り返すうちにやがて混乱が拡大していくことになる。