日本ハム転出でおそらく無用の長物と化す「ホヴァリングシステム」、トップ画像右のサッカーのピッチが画像左のドーム内に移動する
それ見たことかの声…日本ハム新球場ボールパーク”発進”、広島は”その当時”「広島みなと公園優位」の致命的ミスジャッジ!
hirospo.com/pickup/51116.html
ひろスポ!の上記記事の話を続ける。
北海道日本ハムファイターズと北海道ボールパーク(HBP)は11月5日、新球場についての会見を札幌市内で行った。
新球場は仮称・北海道ボールパーク。2023年3月開業予定で建設費用はおよそ600億円。
広島人がこの案件で一番に着目すべきは「建設場所」だ。
今年で供用開始から10年目のマツダスタジアムも、「新球場構想」が言われるようになったのはカープが優勝した1991年オフごろ。それから話は二転三転どころか五転六転して、「貨物ヤード跡地」に建設場所が決まったとたん、3年半で完成にこぎつけた”実績”がある。
広島のサッカースタジアム構想がいつまでも構想の域を出ないのは場所を決めないからだ。
ところで2015年5月に発表された「日ハム本拠地移転・ボールパーク構想」は札幌市民、地元経済界を震撼させた。大事なプロ野球というソフトが政令市から出ていくなんでありえない話だからだ。
もちろん日本ハムだって札幌に居を構えた方が様々なメリットがある。だが、そのメリットより大きなデメリットが札幌脱出を決意させた。
札幌ドームは札幌市豊平区にある。この、国内初のサッカー、野球供用施設は、2002年の日韓共催W杯の国内会場に立候補した札幌市が主体となって建設された。
「ホヴァリングシステム」が札幌ドームが建設時はずいぶん話題になった。ドームの隣にサッカー用の天然芝があり、それがJリーグのゲームなどではドーム内に移動する。でもだいたい、この手の話題は、のちに”負の遺産”を産む。
マンションの立体駐車場が、ほどなく金食い虫になるのと一緒。大規模な構造がランニングコストを莫大なものにする。福岡ヤフオクドームの、ほとんど動かない屋根もそうだ。大阪ドームのややこしい「システム」もやはり失敗した。宮崎市では「オーシャンドーム」なるものが短期間のうちに消滅した。「ドーム」は多難に巻き込まれやすい。
2004年、札幌市の”ラブレター”を受けた日本ハムは札幌移転を決意。短期間で日本ハムは札幌市民の宝になった。
だが、札幌ドームの年間使用料およそ9億円のほか、なんやかんやで年間費用は総額で26億円以上。多額のお金が日本ハムから札幌市を中心とした第3セクター「株式会社札幌ドーム」に流れる構造は、球団にとっては大きな負担となっていた。ラブレターで相思相愛だったころには考えられなかった覚めた関係、白い恋人たちの心は複雑なようだ。
ちなみにカープ球団から広島市が得た「収入」は「平成28年度指定管理経費などの収支状況」によれば6億8,025万円でこの額は観客動員数による加算分を差し引けば、旧広島市民球場時代とさほど変わらない。
日本ハムは球場使用に関する問題についてもう長らくこれらの札幌市側と交渉してきた。時には「新球場構想」をチラつかせながら、だ。
しかし札幌市側の反応は鈍く、結果的には2015年5月の「日ハム本拠地移転・ボールパーク構想」に至った。マツダスタジアムで広島市が採用している「指定管理者制度」についても日本ハムの要請を札幌市は蹴ったのである。
だが、いざ日本ハムが出ていくとなると、各界から「反対」の声が上がるのは当然。
焦った札幌市は、2016年12月、関係者による4者協議(どこかで聞いたような…)において日本ハムに「札幌ドーム野球専用化提案」を行ったが、”何を今さら”感が強すぎて、もう球団関係者からは相手にもされなかった。
札幌市、秋元克広・札幌市長の”ミスジャッジ”が札幌市民に多大な負の遺産を押しつける構図…
J1のコンサドーレ札幌だけでは札幌ドームと言う巨大施設にはとうてい釣り合わない。頼みのイベント開催でも日本ハムの抜けた穴は埋まらないはず。札幌市では2017年秋に日本ハム抜きの札幌ドーム運営に課する試算を行ったが、担当者は背筋が凍る思いだったのではないか?
1993年に開業した宮崎市のオーシャンドームは、2018年2月の時点で広大な”跡地”になっていた。
札幌ドームが跡地となるのは果たして何年後だろうか…
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mainichi.jp/articles/20180327/k00/00m/050/121000c
解体されたオーシャンドーム、札幌ドームも同じ運命か…
ひろスタ!特命取材班