画像はサンフレッチェ広島の城福浩監督と談笑する今西和男氏
コロナ禍による未曽有の危機、東京五輪の行方も限りなく不透明…
こんな時代だからこそ読みたい一冊「徳は孤ならず 日本サッカーの育将 今西和男」(小学館文庫)が2月5日、文庫化発売された。
自らも被爆し、戦後の広島で夢を追いかけ“最強東洋工業”からサンフレッチェ広島誕生までの広島サッカー界をけん引し、日本代表・森保一監督を送りだした。
今西和男氏のサッカーに懸ける情熱は80歳になった今も変わらない。2020年12月には、広島市内であったサッカー天皇杯5回戦で快進撃を続ける福山シティFCの動きをスタンドから見守った。
「これだけの力があれば十分、福山はJ2でも渡り合うことができるでしょう。私ですか?背中を痛めてちょっと身長が低くなりました」
気概とユーモア。そう笑う姿はかつて、サンフレッチェ広島総監督としてチームをJリーグステージ優勝に導いたころから一貫している。
昔も今もモテる…
「謙虚に学ぶこと、毎日をしっかり生きること、選手を信じて伸ばし、チームとして組織的に戦うこと、そして我々に世界のサッカーを見る目を持たせてくれたのです」(森保一氏)
あの頃、よく言われた「東の川淵、西の今西」…
広島という地方から、3本の矢の精神でその矢じりを研いで国内の頂点を、その先のアジアや世界を射止める。そのエネルギーの源は何だったのか?
広島スポーツ100年を語る上で大切なことがそこには散りばめられている。広島に生きる人、世界を目指す人、必見。
ひろスポ!も同書の「証言者」のひとりとして登場する。
(広島スポーツ100年取材班&田辺一球)
徳は孤ならず 日本サッカーの育将 今西和男
2017年度広島本大賞受賞。真の人材育成とは何かを問う、感動と慟哭の記録、待望の文庫化。特別企画として2017年に広島で開催されたトークセッションから「今西和男×森保一×横内昭展・師弟鼎談」を収録。木村元彦著、780円+税