巨人・田口麗斗投手が5月4日、子供の日前日のマツダスタジアムに凱旋する。
広島市佐伯区の小・中学に通い、広島県北の広島新庄高校で甲子園を目指した田口はまさに広島野球の申し子。ちなみに広島では現在、3日間で150万人以上の動員が見込まれるフラワーフェスティバルが開催されているが4日の「ストリート陸上」イベントで広島の子どもたちと交流する為末大さんも同じ佐伯区五日市の出身だ。
田口の名前は広島ファンの間でも馴染み深い。広島新庄高校のエースとして、2013年夏の県予選決勝で瀬戸内高校のエース山岡泰輔投手と「記録にも記憶にも残る投手戦」を演じ、高校野球ファン、広島県民に深い感銘を与えた。
延長15回0-0引き分けの末、翌日再試合でも1失点完投。甲子園切符は山岡(現東京ガス)に譲ったものの、好敵手とライバル校のナインに熱いメッセージを送り、その名はさらに広まった。
田口のプロ初登板は4月11日のヤクルト戦(東京ドーム)。7回打者25人に対して、5安打5奪三振無四球の1失点。打っても四回に勝ち越し打となる内野安打を放ち、1チームの連敗を3で止める活躍で、見事初白星を手にした。
その後2試合はともに敗戦投手。特に前回25日のヤクルト戦は4回5安打5失点でKOされた。初回、2四死球でピンチを招き、ボークで先制点を許すなどまったく自分のペースに持ち込めなかった。
そんな19歳の左腕が「馴染みのある」広島のユニホームを相手にどんな投球を披露するか?ヤクルトの石川、中日の八木、巨人の杉内ら、今季の広島打線はここまで9度、先発左腕と対戦しているが「攻略した」と言えるのは4月29日のDeNA高橋尚ただひとりしかいない。
4日からのマツダスタジアム3連戦はすでにチケット完売で広島・大瀬良、巨人・田口の両予告先発に大声援が送られることになるだろう。
ただ、負ければ広島の借金は今季ワーストの9になり「優勝圏内」からは開幕30試合を待たずに脱落となる。
ここまで4戦0勝3敗の大瀬良の方は、4月7日の巨人戦(マツダ)で九回完投、0-1勝利を目前にバックの守備の乱れもあって同点にされており、4月21日のリターンマッチ(前橋)でも5回5失点KOと昨季の新人王のプライドにかけて絶対に負けられない。